QC活動ではQC7つ道具を使うことで
突破口を開くきっかけや気付きを
得られることが多いものです
そのQC7つ道具にはデータが付きもの
そのデータを制すことなく
改善を制すことはできません
そのため今回はすべての活動を
構成する『データ』の正体を
あきらかにしていきたいと思います
データの種類を知る
データっていったい
どういうものなのでしょうか?
データの種類としては大きく2種類
数値による『数値データ』と
言語による『言語データ』があります
それぞれどんなデータがあるか
確認していきましょう
数値データについて
数値データには以下の3つがあります
【3つの主な数値データ】 データ1:計量値 データ2:計数値 データ3:順位値 |
それぞれどんなモノがあるのか
見ていきましょう
データ1:計量値
たとえば、寸法、重量、時間、温度、
体積のような計測して得られるような
連続するデータです
何桁まででも測定できるデータで
連続的に取り扱える特徴があります
もっと表現するなら
製品の長さ・高さ、重さ、作業時間、
食塩水の濃度、栄養素の含有量、
引っ張り強さなどです
データ2:計数値
この計数値は連続したデータでなく
数えて得られるデータを指します
小数点以下のない整数データで
離散的であるという特徴があります
例えば、製品の不適合の数、欠点数、
故障件数、事故件数、訪問件数など
数えて得られるデータなので
不適合率や事故発生率などの
数えて得られた数値から
計算した値も計数値です
データ3:順位値
順位を比べることで得られる数値です
『1位,2位・・・』や『1等,2等・・・』
または『1級品,2級品・・・』など
最初から順位値として得られる場合と
計量値や計数値を順位値に
変換する場合があります
順位値も計数値と同じように
離散的な特徴を持っています
言語データについて
誰かの要望や意見・感想などを
言葉で表したデータを言います
数値データのように
統計的な処理は難しいですが
事実を表すデータの1つとして
取り扱っていきます
例えば、
明るい-暗い
嬉しい-悲しい
キレイ-汚い
楽しい-退屈
美味しい-不味い などです
データをとる目的について
ではそんなデータを扱うのですが
いったい何のためにデータを
取っていくのでしょうか?
その目的を確認する必要があります
なぜならその目的によって
取り扱うべきデータが変わるからです
ではそもそもデータを取る目的には
どんなものがあるのか解説します
【データをとる5つの目的】 目的1:現状把握のため 目的2:解析のため 目的3:調節のため 目的4:管理のため 目的5:検査のため |
それではこの5つについて
お話を進めてまいりましょう
目的1:現状把握のため
職場や仕事の現在の状況を客観的に
把握したいときにデータを取ります
例えば、市場から求められる品質、
工程で発生する不適合品の発生状況、
従業員の出勤率、健康状態など
どういう状況かを知りたい時に
データを取って調べます
目的2:解析のため
製造過程とその結果としての不良率等
原因-結果の因果関係を
明らかにすることを解析と呼びます
例えば不具合の現象が起きたり
異常が発生したときには
まずは原因を究明し
それが本当に原因なのか
調査・検証するためデータを取ります
目的3:調節のため
現状が好ましい状況かどうかを調べて
必要な場合に調節を行うために
データを取っていきます
たとえば、速度や流量を調節したり
温度や湿度を調節したりします
温度調節であれば
適正な温度を維持するために
ヒーターを調節します
目的4:管理のため
製造工程に異常が発生しないよう
定期的にデータを取っていきます
もし異常が発生していれば
原因を追求して処置対策をとることで
正常な状態に戻すことを管理といいます
たとえば健康管理のための健康診断も
この管理の一種とも言えます
目的5:検査のため
検査の対象となるロットを構成する
個々の製品(検査単位)が
適合品か不適合品か、あるいは
そのロットが合格か不合格か判定する
そういった検査データを取ることを
目的することもあります
この検査のためのデータは
判定のみに活用するのではなく
必要に応じて現状把握や管理にも
使うことが可能です
結果系と要因系のデータ
データを見て判断する場合
結果系のデータか要因系のデータかを
区別する必要があります
要因件のデータとは
結果に影響を与えるデータを指します
『4M』について
一般に、結果(品質特性)に
影響を与える要因のカテゴリとして
生産の4要素と呼ばれる
『4M』が有名です
【4Mとは何か?】 Man:ヒト(作業者) Machine:機械・設備 Material:材料・部品 Method:方法(作業方法) |
4Mのほかに、Measurement:測定や
Environment:環境を加えて
『5M+1E』とする場合もあります
結果系と要因系のデータの例
結果系、要因系のデータの例としては
以下のようなものが挙げられます
区分 | 例 | |
結果系の データ |
品質に 関するもの |
外観、寸法、性能、強度、重量、純度、不適合品数、クレーム件数、不適合品率など |
量・納期に 関するもの |
工数、稼働率、生産量、出荷量、仕掛り量、納期遅延日数、納期遵守率など | |
コストに 関するもの |
材料品、加工費、仕損費、労務費、宣伝費、残業時間、能率、生産効率、クレーム金額など | |
要因系の データ |
Manに 関するもの |
性別、職種、年齢、経験、資格、職位、正確、教育、製品知識、趣味など |
Machineに 関するもの |
メーカー、機種、型式、新・旧、工場、ライン、調整度、修理の前後、使用の治工具など | |
Materialに 関するもの |
メーカー、購入先、産地、銘柄、材質、成分、貯蔵時間・場所、標準品、特注品など | |
Methodに 関するもの |
サイズ、ロット、サンプリング、自動・手動、速度・温度・圧力・電流・電圧の条件別など |
QC7つ道具の使いこなしポイント~データを制する者は改善を制す~
QC7つ道具で取り扱うデータって
あらゆる種類があることを
ご理解されたかと思います
問題解決ができるようになることは
これらデータのボキャブラリーを
増やしていくことに近いです
どんなデータがどんな状況をで
どんなつかい方ができるか?
これも創造力と慣れが必要です
ぜひマスターしていって
いただければと思います
それでは今日はここまでです
今後とも宜しくお付き合いください☆
長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪
すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために