QC7つ道具の使い方⑭管理図の作り方(エクセル版)

されこれまでお伝えしております
QC7つ道具のラストアイテム:管理図

前回はエクセルでない管理図の作り方
を説明しました

【参考情報】>QC7つ道具の使い方⑬管理図の作り方(エクセルは次回)

それでは今回はお待たせしております
エクセルでの作り方について
お話しします

大きくはシンプルですが
グラフの技を駆使しますので
ぜひ試しながら読んでくださいませ

目次

管理図の作り方(エクセル版)

先に前回のエクセルでない作り方を
理解しておくととても分かりやすいと
思いますでチェックしてみてください

エクセルでの管理図の作り方は
基本的に折れ線グラフを作図して
それを加工・調整していきます

そして今回も代表的な管理図として
x̄-R管理図の作り方を解説します

まあ、このタイプが作図できれば
他の種類も大丈夫かと思います

前回もお話したように
このx̄-R管理図はx̄管理図とR管理図の
組合せてで出来ています

x̄管理図は平均値を見る
R管理図は範囲を見る管理図です

そのためx̄管理図をつくって
その下にR管理図とつくります

それでは早速解説していきましょう

x̄-R管理図のつくり方は基本的に
以下のステップで進めていきます

【x̄-R管理図のつくり方(エクセル版)】
ステップ1:必要なデータを加工する
ステップ2:x̄管理図の折れ線グラフを作図する
ステップ3:x̄管理図のグラフを調整・加工する
ステップ4:R管理図の折れ線グラフを作図する
ステップ5:R管理図のグラフを調整・加工する

ステップはシンプルですよね

ですがデータの加工と
グラフの調整・加工にはいくつかの
テクニックがありますので
それを紹介していきましょう

ではステップ毎に手順を説明します

ステップ1:必要なデータを加工する

まずx̄管理図を作成するために
必要な情報をデータを加工しながら
準備していきます

まずは収集してきたデータをまとめます

QC7つ道具の使い方⑭管理図の作り方(エクセル版)

今回は群の大きさは5
毎日5つのデータを獲得して
その平均値の推移を追いかける
グラフというわけです

早速群ごとにそれぞれの平均値と
範囲を計算します

範囲というのは最大値から最小値の差
つまりバラツキの幅という意味です

エクセルでは関数を使って計算します

QC7つ道具の使い方⑭管理図の作り方(エクセル版)

さらに上図では平均値の平均値
さらに範囲の平均値も計算します

この平均値の平均値がx̄管理図の
範囲の平均値がR管理図の中心線です

そしてx̄管理図とR管理図それぞれの
上方限界境界線=UCL
下方限界境界線=LCL
を計算します

QC7つ道具の使い方⑭管理図の作り方(エクセル版)

計算式は以下のとおり
【x̄管理図のUCL&LCLの求め方】
UCL=平均値の平均値+A2×範囲の平均値
LCL=平均値の平均値-A2×範囲の平均値

つまりUCLは中心線より
A2×範囲の平均値分だけ上で
LCLは中心線より
A2×範囲の平均値分だけ下って
ことになります

このA2ってのは
管理限界線を計算するための係数表から
拾ってきます

今回は群の大きさが5なので
n=5の行が当てはまるわけです

そのため、今回の例では
UCL=50.913+0.577×7.464=55.220
LCL=50.913-0.577×7.464=46.606

ですね

そしてR管理図のUCL&LCLの
計算式は以下のとおり

【R管理図のUCL&LCLの求め方】
UCL=D4×範囲の平均値
LCL=D3×範囲の平均値

今回の例では
UCL=2.114×7.464=15.779
LCL=0.000×7.464= 0.000
という計算になります

QC7つ道具の使い方⑭管理図の作り方(エクセル版)

で、これまで計算してきた数値を使い
折れ線グラフを描くためのデータ表を
x̄管理図とR管理図の各々を作成します

データ、UCL、CL、LCLの4つを
それぞれまとめます

さて、これで作図のためのデータが
揃いましたのでグラフを描いてみます

ステップ2:x̄管理図の折れ線グラフを作図する

これはもう覚えていますでしょうか?
グラフを描く手順はデータを指定して
グラフ挿入ですよね!
ま、焦らず手順を追っていきましょう

QC7つ道具の使い方⑭管理図の作り方(エクセル版)

【折れ線グラフを作図する操作手順】
手順1:x̄管理図のデータ全体を指定します
手順2:メインメニューの[挿入]を選択
手順3:グラフの「折れ線/面グラフ」をクリックする
手順4:[マーカー付き折れ線]を選択して作図する

そうすると折れ線グラフが作図されます
これを調整・加工していってx̄管理図を
完成させていきます

ステップ3:x̄管理図のグラフを調整・加工する

ここではグラフの調整・加工技術を
使って見栄えを整えます

整える技術は以下の5つです

【グラフを調整・加工する5つの技術】
技術1:軸の範囲を整える
技術2:折れ線の色、太さ等を整える
技術3:補助線を消す
技術4:グラフの枠線を消す
技術5:タイトルを書き換える

では1つずつ解説していきましょう

技術1:軸の範囲を整える

QC7つ道具の使い方⑭管理図の作り方(エクセル版)

【軸の範囲を整える操作手順】
手順1:グラフの軸の表示部分を指定して右クリック
手順2:表示されたサブメニューの[軸の書式設定]を選択
手順3:右に表示された「軸のオプション」タブを選択
手順4:業界値の最小値・最大値などで中心位置を調整

今回は最小値を”40”として
単位を主も補助も”5”としてみた

技術2:折れ線の色、太さ等を整える

QC7つ道具の使い方⑭管理図の作り方(エクセル版)

【折れ線の色、太さ等を整える操作手順】
手順1:変更したい線を指定して右クリック
手順2:表示されたサブメニューの[データ系列の書式設定]を選択
手順3:右に表示された「塗りつぶしと線」タブを選択
手順4:[線]をクリックして色、幅、実線/点線などを調整
手順5:[マーカー]をマーカーの種類、サイズ、塗りつぶし、枠線などを調整

上記の例ではUCLを変更するので
色は黒、サイズは1.0、破線
そして[マーカー]ではすべて”なし”と
しましたが
CLでは実線、平均値ではマーカーを
大きくして色を工夫したりして
線を見やすく調整・加工してください

技術3:補助線を消す

QC7つ道具の使い方⑭管理図の作り方(エクセル版)

【補助線を消す操作手順】
手順1:消したい補助線を指定して右クリック
手順2:表示されたサブメニューの[削除]を選択

これは簡単でした!

技術4:グラフの枠線を消す

QC7つ道具の使い方⑭管理図の作り方(エクセル版)

【グラフの枠線を消す操作手順】
手順1:グラフ全体を指定して右クリック
手順2:表示されたサブメニューの[グラフエリアの書式設定]を選択
手順3:右に表示された「塗りつぶしと線」タブを選択
手順4:枠線の[線なし]にチェック

これでx̄管理図の枠線が消えたので
後でその下にR管理図を
配置しやすくなりました

技術5:タイトルを書き換える

QC7つ道具の使い方⑭管理図の作り方(エクセル版)

もうタイトル部分をクリックして
直接編集しちゃってください

ただしこの平均値の管理図の場合
どうしてもXの上にBar『-』を
載せたくなりますよね

実はエクセルでは以下の技で書けます

まず半角で『X』を記入
その左に半角で『`』を記入します

実はこの文字は
シングルコーテーション、つまり
Sift+『7』で得られるのでなく
エンターキーの左側にある
Sift+『@』で得られる『`』です

そしてこの『`』だけを指定して
メニュー[ホーム]から
『Symbol』というフォントを探して
指定して欲しいのです

そうするとあら不思議、次のXの上に
ちょこんと乗っかってくれますので
試してみてください

さてこれが終えたら次はR管理図を
作図していきます

ステップ4:R管理図の折れ線グラフを作図する

もう大丈夫ですよね!

【折れ線グラフを作図する操作手順】
手順1:R管理図のデータ全体を指定します
手順2:メインメニューの[挿入]を選択
手順3:グラフの「折れ線/面グラフ」をクリックする
手順4:[マーカー付き折れ線]を選択して作図する

x̄管理図とまったく同じです
まずは作図してそれを後から
調整・加工していきます

ステップ5:R管理図のグラフを調整・加工する

整える技術はx̄管理図と同じです

【グラフを調整・加工する5つの技術】
技術1:軸の範囲を整える
技術2:折れ線の色、太さ等を整える
技術3:補助線を消す
技術4:グラフの枠線を消す
技術5:タイトルを書き換える

ただしR管理図ではLCLが0.000です

そのため線自体を削除して下さい

QC7つ道具の使い方⑭管理図の作り方(エクセル版)まとめ

さて、いかがだったでしょうか?

やはりエクセルは慣れると早いです
ですが説明だけ見ていると本当に
ややこしそうですよね

今回の調整・加工技術は
他のグラフでもまったく同じですので
ぜひこれを機会にやってみてください

それでは今日はここまでです
今後ともよろしくお付き合いくださいませ☆

長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

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この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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