品質管理の世界でよく扱われるCp
つまり工程能力指数を1.33以上とか
1.67以上が理想的とか言われてます
だけどそもそも工程能力指数と言う
データをあつかっていない場合には
何なのか?はわかりませんよね!
しかし品質管理力を高めるうえで
工程能力指数で自職場を評価すれば
一般的に品質管理がどこまで必要で
自職場がどの程度か?がわかります
さらに現レベルと理想値を知れば
自ずとどれくらい努力すべきなのか
全従業員で共有できるんです
そこで今回はそもそもCpとは?
工程能力指数とはどんなものか?
Cpが1.33、あるいは1.67とは
どんな状態を言うのか?
数値で見ていく品質管理の基本を
解説していきたいと思います
ぜひ今回も読み終えるまでの間
少々の時間をお付き合いください
工程能力とはどんなもの?
工程にはさまざまなカタチがあって
その能力を表す指標であることは
想像できると思います
ただし単純に想像する生産数の
能力を示す指標ではなくって実は
JISで以下の定義がされています
工程能力(読み方)こうていのうりょく
安定した工程の持つ特定の成果に対する合理的に到達可能な工程変動を表す統計的測度。通常は工程のアウトプットである品質特性を対象とし,品質特性の分布が正規分布であるとみなされるとき,平均値±3σで表すことが多いが,6σで表すこともある。また,ヒストグラム,グラフ,管理図などによって図示することもある。工程能力を表すために主として時間的順序で品質特性の観測値を打点した図を工程能力図 (process capability chart) という。
出典 JIS Z 8101-2/工業標準化法 より
いやー、さすがに統計学的な
専門用語が多くて一般人には
よくわからない説明ですよね、苦笑
では、この工程能力を説明している
QC検定3級のテキストの解説は
以下のとおりとなっています
工程能力
工程能力とは、定められた規格限度内で製品を生産できる能力のことで、工程能力指数とは、その評価を行う指標のことを表します。一般的にCpの記号で表示されます。
出典 品質管理検定教科書 QC検定3級/一般財団法人日本規格協会 より
だいぶわかりやすくなりましたが
まだピンとこないかもしれません
製品には規格があると思います
その規格には限度、つまり
ここまでいったらダメな上限規格値
これ以上下回ったらNGな下限規格値
などが設定されています
その限度内の製品を
どれくらいのレベルで作れるのか?
つまり。。。
その品質対応能力を工程能力と呼び
その度合いを表す指標として
工程能力指数=Cpを使うのだと
そう説明しているわけです
ん-、わかったような
わからないような。。。ですよね、笑
今回はこれをもう少し具体的に
わかりやすく解説してみるのが
今回のテーマというわけです
ではお話を進めてまいります
品質管理で使う統計学の知識
まず基本的な統計学の知識を
解説することから始めていきます
押さえておくべきは4つの指標
できるだけシンプルに解説するので
最後までついて来てくださいね
平均値
これは統計知識の中でもとても
有名な指標だと思います
生産条件や検査の測量結果など
ある一定の連続した情報があります
その平均値を計算することで
データの中心を意識することが
できるようになりますよね
まずはこれが基本となります
平方和
これはあまり聞きなれないですが
論理は簡単です
実は連続する値のバラツキを表す
基本的な指標となります
連続する値と平均値との開き
これを以下の数式で計算できます
平均値との開き = 値 - 平均値
でも、これって値が平均値より
大きい時はプラスの計算値となり
小さい時はマイナスの結果ですよね
なのでこの開きを加算するだけでは
バラツキ具合が表現できないので
この開きを2乗=プラスにして
すべてのデータを加算することで
平方和=バラツキ度合を表します
例えば情報が1、2、3、4、5の
平均値は3なので、それぞれ開きは
-2-1+0+1+2=0となって
バラツキがあるのに評価できません
だから2乗して加算する、つまり
4+1+0+1+4=10として
平方和のバラツキ度合10と示す
これだと2、3、4、5、6でも
同様に平方和は10となり
バラツキ具合は先ほどの例と
同じだと評価できるわけですね
ここまではおわかりでしょうか
分散
ただしこの平方和はデータ数により
比例して値が大きくなるので
同じ情報数でないと比較できません
なので情報1個あたりのバラツキに
表現したものを『分散』と呼び
情報数が違っても比較できるような
バラツキ指標を使います
つまり
分散 = 平方和 ÷ データ数
です
ところが品質管理上、多くの場合
データ数-1で割ることも
ありますがその解説は別の機会に
標準偏差
先ほどの分散はバラツキ指標ですが
実は実際の数値感覚と合いにくい
そりゃそうですよね
マイナスの不具合対策として
2乗しちゃっているわけですから
そのため実際の感覚に合わせるため
2乗した数値を元に戻す、つまり
平方根を求めて表すバラツキ指標を
標準偏差と言います
計算式は以下の通り
標準偏差 = √ 分散
こういった統計学的な数値を用いて
工程能力を表現することに使います
工程能力指数=Cpと言う指標について
さて、平均値⇒平方和⇒分散にて
標準偏差という統計指標について
ご理解いただけた前提で進めます
ここで工程能力指数の計算式を
以下に示します
これって単純に説明すると
分子が上限規格値から下限規格値を
差し引いた値なので規格の幅ですね
で、分母はさきほど説明した
バラツキを表す標準偏差に
6を掛けた数値となります
つまり工程能力指数=Cpとは
規格の幅をバラツキ具体で割った値
=限度内への収まり具体を表した指標
であると言えます
要するにこの工程能力指数=Cpは
バラツキ=標準偏差が大きくなれば
小さくなり
逆にバラツキ=標準偏差が
小さくなれば大きい数値になります
もちろん、バラツキが小さい方が
工程能力指数は高くなるので
数値が大きければ大きいほど
『工程能力』が高いということです
あとはその値がどの程度が適切か?
というお話になります
工程能力1.33とはどんな意味?
実は一般的にはCpの評価については
以下のとおりとなっています。
Cp ≧ 1.33 : 工程能力は十分である
1.33 > Cp ≧ 1.00 : 工程能力はまずまずである
1.00 > Cp : 工程能力は不足している
そうなんですよ
工程能力指数=Cpが1.33とは
工程能力が十分だと評価できる
ひとつの目安となっているわけです
自職場の工程能力が十分ならば
1.33を超えているはずだと
言って良いということです
工程能力1.67とはどんな意味?
でも実は1.67を超えると。。。
良すぎてしまうんです
つまり過剰品質となっていて
コストダウンが可能な状態
これはこれで問題だと言えます
過ぎたるは及ばざるが如し
その状態に気づくというのも
この工程能力指数の機能です
品質管理の基礎知識=工程能力指数のまとめ
さて、今回は工程能力について
ご存じない方への説明をしました
ただし細かい説明は抜いたので
釈然としていない方もいらっしゃる
かと思います。
そこで別の記事で工程能力指数の
計算を実際にやってみました
ある職場の事例データを用いて
工程能力指数をどう計算するのか?
またCpとCpkとは何が違うのか?
ぜひさらに理解を進めたい場合は
以下の記事を参考にしてみて下さい
それでは今日はここまでです
今後とも宜しくお付き合い下さい☆
長文乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪
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