親和図法とは?読み方や進め方をわかりやすく解説

新QC7つ道具①親和図法とは?読み方や進め方をわかりやすく解説

皆さまは新QC7つ道具を
ご存じでしょうか?

これまではQC7つ道具について
詳しく解説を進めてきましたが
新しいQC7つ道具については
まだ説明してこなかったと思います

今回はその新QC7つ道具の1つ目
親和図法の読み方や進め方など
わかりやすく解説してみましょう

ぜひQC7つ道具と同様に使いこなして
職場の問題解決を進めてください

 

目次

そもそも新QC7つ道具とは?

品質管理におけるQC活動とは
管理レベルを向上させるとともに
メンバーの意識と問題解決スキルを
高めていく機会になります

その代表的なツール:QC7つ道具を
これまで詳しく紹介してきました

QC7つ道具
①パレート図
②ヒストグラム
③グラフ
④チェックシート
⑤特性要因図
⑥散布図
⑦管理図

 

これらの7つ道具は職場の状態を
見える化できる便利なツール集です

一方で後から新しく追加された
新QC7つ道具というツールがあります

新QC7つ道具
①親和図法
②連関図法
③系統図法
④マトリックス図法
⑤PDPC法
⑥アローダイヤグラム法
⑦マトリックスデータ解析法

今回からこれらの使い方を
一つひとつ丁寧に解説をします

ということで今回は最初の1つ目
『親和図法』についての解説を
進めてまいりましょう

 

親和図法の読み方

読み方は『しんわずほう』と
そのまま読みます

英語ではaffinity diagram

それぞれの単語の意味
affinity > 密接な関係、類似性、姻戚関係、好み、相性、親近感、親和力
diagram > 図形、図式、図解、図表、ダイヤ(グラム)、一覧図

ま、類似性をあらわす図表
ってところですよね

ではその親和図法とは
いったいどんな図表なのか

 

親和図法のとはなにか?

まずは辞書を調べてみました

親和図法(読み方)しんわずほう


現在の問題、将来の問題、未経験の分野など、はっきりと核心のわからない状態のなかで、親和性によって整理統合しながら問題解決する一手法である。重要度づけとか解決方策を探す場合、数人で事実、予測、推定など、言語データとして表現したものをチームでやれば、作業の過程で何が問題で、みんなで何をすべきかがみえてくる。そこでチームワークが形成されるということも期待される。QCサークル活動における問題解決手法のひとつであり、新QC7つ道具(N7)の一手法である。


出典 三栄書房/大車林 より

よくわからないボヤっとした状態

それってスッキリしないだけでなく
問題が問題として見えてこないので
対策を打つこともなくズルズルと
なーんて職場は実に多く見かけます

 

皆なんとなく違和感があるのに
それがなんだかわからない

そして問題が起こってから
あ、これだったのか!!ってこと
本当によくあると思うんです

 

これって実は人間の勘が働いて
アラームが鳴っているだけれど
何が問題なのかわからない状態

その問題を浮かび上がらせるのに
最適なツールがこの親和図法です

 

親和図法を活用する目的と特徴

そんな親和図法が役立つのは
どんな時なのでしょうか?

以下のシチュエーションを
思い浮かべてみましょう

状況1:問題・課題を明らかにしたい時
状況2:組織をつくりなおしたい時

例えばなんですが。。。

状況1:問題・課題を明らかにしたい時

【例1】事実を構造的につかみたい

例えば我社の商品力を強みを把握する
あるいは競合の販売力の弱みはなにか
技術力の優位性はどこにあるか?など

【例2】考えをまとめたい

例えば営業部門の品質をどう高めるか
事務作業のムダを省くための進め方
製造部門の事業戦略はどうする?など

状況2:組織をつくりなおしたい時

【例3】職場の活性化を図りたい

例えば活動を活発にするためには
ルールの徹底ができる職場づくり

【例4】会社方針を徹底したい

例えば我社が展開したい販売戦略
品質を維持できる人材育成方針

 

 

などなど、普段は個人的には
考えないんだけど大切なこと

そんな問題や課題をテーマとして
事実・予測・推定・意見など
自由にみんなでどんどん出し合い

それを言語データとして扱って
今度は似ている、または
同じだと判断できる言語データを
ひとまとめにしていくことが
親和図表の基本的な考え方です

 

親和図表で何がわかるのか?

例えばわかることの事例を言えば
・問題の大きさの規模
・隠れた問題や課題
・問題や課題の本質
・理想的な姿:ゴール
・対処の方向付け など

いかがでしょうか?少しだけでも
イメージがついてきたでしょうか?

 

親和図法のわかりやすい進め方

では具体的に親和図法は
どのように進めるものなのか?

まずは以下の7ステップを
ご確認ください

親和図法の簡単な進め方
[STEP1]テーマを決める
[STEP2]言語データを生み出す
[STEP3]言語データを確認する
[STEP4]データカードをつくる
[STEP5]グルーピングを繰り返す
[STEP6]カードの位置を決める
[STEP7]親和図をまとめる

これだとまだ詳細はわからないため
1つひとつ解説していきましょう

 

[STEP1]テーマを決める

参加者が興味を持ちやすいよう
「どうすればよいかわからない」
「今までうまくいかなかったこと」
など身近で具体的なものを
テーマとして取り上げます

例えば、なぜ3S活動が進まないのか
仕事のストレスを取り除く方法

最初に親和図を作成する前提条件や
立場などを説明しているほうが
取り組む側に誤解がないため
進めやすくなりますのでお勧めです

 

[STEP2]言語データを生み出す

決めたテーマについて
プレーンストーミングなどを行い
皆に自由に発言していただきます

 

なんでもいいです

事実であってもいい
推定したことでもいい
新たな発想や単なる意見など

どんどん発言してもらって
記録目的で模造紙に書いていきます

 

ただしここでは状況のすべてを
網羅しているか?にチェックが
必要になることがあります

つまりあまり偏った発言に
なっていないかに意識を向けます

 

[STEP3]言語データを確認する

そうやってたくさん生み出した
言語データの意味を確認し
よく理解し合うようにします

同じものがダブっていたら
1つにまとめますし
意味がよくわからない表現は
言葉を改めてわかりやすくします

 

ここで注意してほしいのは
出てきた事実・推定・意見・発想が
正しいか、正しくないかの議論に
ならないようにしてほしいのです

 

[STEP4]データカードをつくる

そうやってスッキリ精査した言語を
簡潔な文(主語+述語)にして
カードに書き込むことで
データカードをつくります

 

ルールはシンプルに
1つのカードに1つの簡潔文

その文は短く表し体言止めはしない
堅苦しい言い方難解な表現はNG
できるだけわかりやすくします

これで準備は整いました!
いよいよメインプロセスに
入ってまいります

 

[STEP5]グルーピングを繰り返す

これまで生み出して精査した言葉を
データカードとして具現化しました

それらをある結論に達するまで
グルーピングを繰り返します

具体的には以下のとおり

 

①類似カードをまとめる

データカードを良くかき混ぜて
カルタのようにバラマキます

そして順番にそのカードを読んで
似ている、同じようだ、などと
親和性のあるデータカードを見つけ
データカードを重ね合わせます

最後に重ね合わせたカード同士が
ちゃんと親和性があるかもういちど
再確認をします

 

ここで重要なのは論理的でなく
情念的な判断の方が良いということ
理屈でなく”感じ”で判断します

ただしカードに書かれた表現だけで
層別したり分類したりはNGです

無理にではなく自然に寄せる感じ

 

②親和カードをつくる

グループ化したまとまりを
1つのタイトル表現にまとめて
新しいカードをつくります

その時には元データが網羅された
過不足のない表現にしてください

こうやって作成したカードを
親和カードと呼んで
データカードに重ねてクリップで
束ねてください

 

ここでは注意すべき点があります

それは親和カードの内容は
データーカードの内容以外を
付け加えてはいけません

またカードの内容の全部入りは
できるだけ避けるようにして下さい

 

③まとまるまで①②を繰り返す

親和カードを付けて束ねたカードは
1枚のカードとして取り扱って
ばらまいてあるカード内へ戻します

そうやって①②を繰り返して
データカードと親和カードをまとめ
また新しい親和カードをつくって
束ねていくわけです

 

こういった作業を繰り返して
全体の親和カードの数が
5~10にまとまったところで
グルーピングを終了させます

なお、最後まで1枚のカードは
それは他の束と同格にあつかって
1つとして数えてください

 

ここでのポイントは
グルーピングを繰り返していく時に
カード同士の親和レベルを
少しずつ緩やかにしていくことです

逆に言えば最初から
親和性の薄いカードを
同じグループに入れないということ

なぜなら最初に緩めてしまうと
グループ精度が保てなくなり
結論がよくわからなくなる失敗が
起こりやすい方法でもあるからです

そのため同士かどうかの判断は
徐々にゆるめていく感覚で
進めていってください

 

[STEP6]カードの位置を決める

模造紙のうえにカードの束を配置し
親和図が完成したときに
全体構造が把握しやすいように
相互の位置を決めていきます

たとえば最後に残ったカードの束と
親和カードの内容を確認して
最も主張したい束が模造紙の中央に
くるようにするとわかりやすいです

 

[STEP7]親和図をまとめる

新QC7つ道具①親和図法とは?読み方や進め方をわかりやすく解説

決めた位置どおりに
カードを模造紙に貼り付けて
枠を囲んだりすることで
親和図をカタチづくっていきます

そして最後に決めたテーマに対する
結論をまとめて記入します

さらにグループ名、メンバー名、
人数、場所、検討日等の必要事項を
余白に記載するなどで完成させます

 

親和図法とは?まとめ

新QC7つ道具の1つめとして
親和図法の詳細や進め方について
解説を進めてきましたが
いかがでしたでしょうか

わかりやすく
ご理解いただけましたでしょうか?

時間もこんなイメージで
便利な道具を紹介してまいります

ぜひ使いこなしていただき
職場改善に役立ててくださいませ

 

 

それでは今日はここまでです

今後とも宜しくお付き合い下さい☆

長文乱文を最後まで読んでくださり

いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

 

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この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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