不良発生!それは品質改善のチャンス

不良発生!それは品質改善のチャンス

皆さま、はじめまして!
西川和予と申します。

今日から品質改善についてお話していくことになりました。
ぜひよろしくお願いいたします。

目次

不良(不具合・クレーム)対応全体の流れ

不良品の発生、これはどの製造現場にも
うれしいことではありません。

特に客先からのクレームなんて絶対に
起こしたくありません。

「クレームゼロ」を目標に掲げている
そんな現場も多いことでしょう。

 

そんな中、不具合のクレームが入ったら・・・
そんな時こそ改善を進めるチャンス!

しっかり対応すれば、顧客からの信頼と
社内のレベルアップの両方が得られます。

 

では、はじめに全体の流れを4つのステップで
確認していきましょう。

 

【STEP1】直接原因の特定と一次報告

まずはなぜその不良が発生したのか、
その直接的な原因を突き止めます。
原因を突き止める方法については
次回詳しく解説しますが、
ここは比較的皆さん慣れていると思います。

そして重要なのは、この時点で最初の報告をすること。
いろいろ言い訳したくなると思いますが、
まずは早めに一報を入れることが重要です。
当然、この直接原因を発生させないための
暫定対策も必要です。

 

【STEP2] 根本原因追及

なぜなぜ分析などを用いて、直接原因から
根本原因=真の原因を追究します。
なぜなぜ分析については別の記事で解説します。

 

【STEP3】再発防止と二次報告

前のステップで追及した根本原因を除去する対策、
それが再発防止策です。
同じ根本原因により発生する不良を無くします。

最初の直接原因の時点で再発防止策を講じても、
また同じ根本原因が元で不良が起きてしまいます。

必ず根本原因に対する対策を立てるようにしましょう。
次のステップまで時間がかかる場合は、
この時点で根本原因を報告します。

 

【STEP4】仕組み作り &最終報告

前のステップで立てた再発防止対策を
仕組みに落とし込みます。

再発防止策を徹底できるよう、
社内の「仕組み」として定めます。

そして客先からのクレームの場合は、
「再発防止ができて仕組み化され今後も徹底していく」
これを報告します。

これが「今後は不良を起こさないだろう」
という安心感につながります。

 

不良を改善につなげるためには

不具合の発生、クレームの発生、
聞いただけでもぞぉ~っとする人もいるでしょう。

ここでその場を取り繕うための暫定対策、
とりあえず納得してもらうための報告書、
だけで終わってしまっては、改善にはつながりません。

ちゃんと最後までやりきることが大切です。
STEP1~STEP4までを必ずやり遂げましょう。

「やる」ではなく「やりきる」です。
ここで中途半端に終わってしまうと、
また類似の不具合が起きてしまいます。
「いやいや、一度やった失敗は覚えてるから大丈夫」
と思っていませんか?

これが最後の仕組みへの落とし込みまで
「やり切って」いないと、
なぜかまた発生してしまうものです。
「喉元過ぎれば熱さ忘れる」のことわざ通りです。
ぜひ、最後までやり切ることを意識して
取り組んでいただきたいです。そしてそれは、
お客様からの信頼を得ることにもなるのです。

 

不良対応でスピードアップする改善活動

みなさんは普段から改善活動に励んでおられるでしょうか。
QC活動として取り組んでいる会社も多いと思います。
楽しんでやっている方もあれば、
イヤイヤやっている場合もあるでしょう。

それはそれで、普段の活動としてやるに越したことはない
のですが、どのくらいの時間をかけてやっていますか?
計画通りできていますか?なかなか普段の仕事が
忙しかったりすると時間が取れなかったり、
そもそもテーマが見つからなかったり、
気乗りしないテーマでやる気が起きなかったりしませんか?

それと比べると、不良が発生して、
それが客先からのクレームの場合だと、
否が応でもスピードアップします。

 

やる気云々と言っていられません。
「やるしかない」状況に追い込まれます。
これにより結果として改善活動が飛躍的に進みます。

関わった人たちもレベルアップできます。
もしかすると普段あまり気乗りしない人の方が、
いざという時に力を発揮するかもしれません。
QC活動のための改善ではなく、必要に迫られた改善だからです。

だからこそ「真剣に」「スピード感をもって」
取り組むことができます。
計画を立てて地道に進める場合と違って、
瞬発力も必要です。
必ずや各個人のレベルアップにつながります。
そして困難なことをやり遂げた
チームの団結力もアップするはずです。

 

まとめ

今回は不良発生時の取組みの
全体の流れについて確認しました。
不良品は発生させないに越したことはないです。

でももし発生してしまったら、
その時は対応をきっちりやり切ることで、
お客様の信頼と社内のレベルアップの両方が実現できる、
そう考えると少し前向きに取り組めそうですね。

 

「苦労は買ってでもせよ」ということわざもある通り、
嫌なことは嫌なばかりでなく、
結果として良いこともあります。

そう考えて日々、前向きに取り組んでまいりましょう。

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この記事を書いた人

25年以上、電子部品や電子機器の開発に従事し、20年以上はプロジェクトリーダーの立場で、製造部門や品質管理部門と共に歩留向上や品質向上に励んできた。この経験を生かし、支援機関にて中小事業者の技術的な強みを生かすマッチングや自社製品開発等の経営支援に従事。

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