IE手法の7つ道具⑦事務工程分析の使い方編 事務作業のムダ改善

IE手法の7つ道具⑦事務工程分析の使い方編 事務作業のムダ改善

IE手法の7つ道具の6つ目のマテハン分析
その使い方について前回はお話しました

物流部分は付加価値を生まない一方で
以外と大きな時間や労力を占めているため
改善の宝庫と呼ばれています

【前回記事】>IE手法の7つ道具⑥マテハン分析の使い方編 運ぶムダの改善
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しっかり分析して現状把握だけでも
進めておきたいものですね

さて、IE手法の7つ道具も最後のひとつ
今回は『事務工程分析』について
解説を進めていきたいと思います

しばらくお付き合いくださいませ

 

目次

事務作業の問題点について

事務作業においても一般作業と同じで
『どのように行われているか』
『それは得たい成果に有効か』
『必要でない動作はないか』
などがはっきりしません

特に事務作業は一般作業より
何に取り組んでいるのかが判別し難いため
より分かりにくい特性を持っています

そのためこの分析も
まずは全体の見える化を進めて
問題点を把握するところから始めましょう

 

事務工程分析の日報分析とは

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【事務工程分析の日報分析の例】

 

まずは各作業者の仕事の実施内容について
上記の業務内容部分に記録します

そのことにより実際にどのような業務を
どれくらい行ったか?が明確になります

そして上記の日報では『問題点』欄があり
作業者個人個人が考えて記入します

このことにより見逃し勝ちだった問題を
かならずキャッチアップすることになり
問題意識が高まっていきます

さらに改善案を改善ポイント欄に記入し
日常的に自ら作業を良くする着想力を
養うことが可能となりますので
ぜひこの機会に導入を検討ください

また、これら個人の日報を集計して
『業務山積表』を作成します

 

業務山積表とは

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【事務工程分析の業務山積表の例】

 

日報で記載した業務内容を
少しチャンクアップしたカテゴリで集計

つまり
受注業務、見積業務、営業管理、受入処理
発注処理、売上処理、会議準備、その他
の8つに時間を集計

このことにより重点的に改善した業務を
定量的に把握することが可能となります

そうなればその業務毎の改善案について
各作業者の改善ポイントを摺り合わせて
業務プロセスの標準化を進めます

この仕組み化はパワフルですので
少し具体例を挙げてみます

 

事務工程分析の具体例

ある製造業の事務作業員に協力を求め
日報分析と3ヶ月記載していただき
その情報を元に業務山積表を作成した

主な結果は以下のとおりだった

(1)受注データのPC入力:55%
(2)入力データのチェック修正:20%
(3)在庫確認作業:15%
(4)作業指示書発行:8%
(5)その他:2%

そこで重点的に改善に取り組む業務を
『受注データのPC入力』として
その作業者の改善ポイントを確認

すると下記のような改善案があった
◯ 1件1件の入力を赤ペンチェック
◯ 入力間違い対策でWチェック
◯ 同製品の入力をまとめて入力 など

これらを対策するために
入力そのものをやめられないか検討

 

調査した結果、当社の受注受付は
EDI:  20%
FAX:  63%
電子メール:11%
口頭:    6% となっていた

そのため受注受付用の書式を統一
FAX機器を買い替えてPDF出力化
そしてOCR入力採用で自動化して
作業者は間違いをチェックするだけとした

このことにより
受注データのPC入力時間は
1/3まで削減することができて
70歳を過ぎても辞められなかった
会長の奥様が晴れて円満退社

若い事務作業者は設計業務に集中できて
実力をメキメキと上げつつあるとのこと

働き方改革とは本来
このような活動のことを言うのだと
個人的には考えています

 

IE手法の7つ道具⑦事務工程分析の使い方編まとめ

さて、いかがだったでしょうか?

ここまで辛抱強く読み進めていただければ
IE手法がどんなものか
また7つ道具がどんなものか
徐々に理解が進んできたものと
想像しております

では、今後は7つ道具を実践的に
活用可能となるように
いえ、7つ道具にこだわらず
多くの使える手法について
一つひとつ丁寧に紐解いてまいりたい

そのように考えております

ぜひ次回もお楽しみくださいませ。

 

 

それでは今回はここまでとなります
今後とも宜しくお付き合いください☆

長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

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この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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