IE手法の7つ道具④動作分析(作業分析)概論編

IE手法の7つ道具④動作分析(作業分析)概論編

前回の記事では
IE手法の7つ道具の3つ目:工程分析
その代表的な分析手法として
フロープロセスチャート(加工工程分析)
がどんなものか?について解説しました

【前回記事】>IE手法の7つ道具③工程分析のフロープロセスチャート(加工工程分析)編

ではいよいよ、IE手法ならではの手法
動作分析(作業分析)に触れていきます

その前に皆さまの混乱を避けるため
少し全体の構図を説明しますね

しばらくお付き合いくださいませ

工程分析と作業分析と動作分析との違い

まずは分析対象となる
工程、作業、動作という3つの定義
これをしっかり区分けして観察する部分が
このIE手法の大きな特徴とも言えます

ではこの3つの定義は
それぞれどのようなものでしょうか?

工程とは、物品の生産・加工を計画的・能率的に行うための作業の手順。また、作業の各段階。
作業とは、肉体あるいは精神を通して、ある具体的な結果を生み出すこと。
動作とは、事を行うために体を動かすこと。また、その時の体の動き。挙措。所作。

やはり言葉で表現するというのは
とっても難しいことがよく分かります

この3つの定義はワークユニットについて
解説した際に詳しく伝えました

もっと簡単に説明するなら
以下のようになります

IE手法の7つ道具④動作分析(作業分析)概論編

作業は単位作業と要素作業の2つに区分し

工程は単位作業の組合せで構成され
単位作業は要素作業の組合せで構成され
要素作業は動作の組合せで構成されます

つまりどのユニットで分析するかによって
工程分析、作業分析、動作分析と
呼び名が変わるというわけです

その工程分析はすでに概論を説明してます
さらに再確認したい方は下記をご参照下さい

【関連記事】>IE手法の7つ道具③工程分析の概論編

ですので、今回は作業分析と動作分析の
解説を進めてまいりましょう

作業分析の種類と選択

作業分析にはいくつかの分析手法があり
それを工程の特性や改善目的などにより
活用手法を選択する必要があります

代表的な手法は
ライン作業分析 と
連合作業分析 の2つです

加工系ないし組立系など
ライン編成が主である場合は前者

加工系ないしプロセス系など
設備と作業者、あるいは
作業者と作業者が連携が主であれば
後者を選択して活用します

ライン作業分析とは

各工程に分担された作業を
ピッチダイアグラムという手法で表現し
目標サイクルタイムとのバランスを見て
改善を考えていく手法です

ピッチダイアグラムとは
工程、あるいは作業者の作業時間の
バラツキを表として表すものです

一定の間隔で加工される時間間隔を
ピッチタイムと呼びます

そして本来あるべきピッチタイムを
目標サイクルタイムと呼び
それに対するピッチタイムのバランスを
見える化する図がピッチダイアグラムです

その見える化によって
どの作業を改善することが重要か?と
共有することが可能となります

連合作業分析とは

設備と作業者
あるいは作業者と作業者など
各作業主体のプロセスのタイミングを
チャートに表すことで改善点を抽出する

そんな手法を連合作業分析と言います

まず作業を3つに区分します

単独作業:設備や他作業者と関係ない作業
連合作業:設備や他作業者と協同する作業
不稼働:設備や他作業者を待っている状態

この3つの状態を見える化すると
ロスや改善の着想が生まれやすくなります

ま、実際に見てみないと
なかなか理解は難しいですよね

また機会をつくって
詳しく説明したいと思います

動作分析の種類と選択

動作は取り扱うもっとも小さな単位です
もちろん工程→作業→動作との順番で
分析することが必要です

つまり徐々に改善する視点を細かくする
森から木をみてから詳しく木の部位をみる
そんなイメージです

こちらは代表的な分析手法は3つ

サーブリック分析フィルム分析
そしてPTS法と呼ばれるものです

サーブリック分析とは

サーブリック分析とは目視動作分析の1種で
人の最小の動素作業を18の基本要素に区分し
手や目の動きを記号を使って表現します

その作業者の流れの全体像を俯瞰することで
問題点を抽出して改善を進める方法です

フィルム分析とは

動画撮影が簡単になった近代では
多く用いられるようになった手法です

低速度撮影することで早送りでみることで
長時間作業を分析するメモモーション

高速度撮影でゆっくり観察することで
単純反復作業などをみるマイクロモーション

そんな使い方が一般的です

PTS法(規程時間法)とは

前述したストップウォッチによる分析は
測定に長い時間がかかると共に
測定技術のバラツキの問題が大きい

そのため、
人間の作業に含まれる動作要素について
予め定めておいた『標準時間』を組合せて
作業そのものの標準時間を設定する方法を
PTS法(規程時間法)と言います

要素作業に合わせ莫大なデータから
設定されている時間であるため
ある程度の信頼性が保たれています

PTS法については以下の記事で
詳しく説明していますので
ぜひ参考にしてください。

IE手法の7つ道具④動作分析(作業分析)概論編まとめ

今回の記事では多くの手法を紹介しました

しかし自身の職場に沿うかどうかは
これら手法の全体像を知ったうえで
いくつか応用して活用してみない限り
なにが適正なのかはわかないのが実状です

どの改善を進めるのも同じですが
仮説-検証を繰り返す道しか
結局は残されていないことを
しっかり受け止めていただきたいと思います

つまり改善には、競争に勝つのには、
お客さまの満足を追求するのには
近道はないと捉えていただいて
差し支えないかと考えます

 
さて、IE手法の7つ道具も4つめまで
お話を進めてみましたが少しお休みして
生産方式について解説してみたいと思います

あなたの職場の生産方式はどのタイプ?
そしてそれは本当に適切なカタチでしょうか?

ぜひ次回をお待ちくださいませ。

  
  
  
それでは今回はここまでとなります
今後とも宜しくお付き合いください☆

長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

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この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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