IE手法の7つ道具の3つ目
工程分析の概要について
前回の記事ではお話しました
【前回記事】>IE手法の7つ道具③工程分析の概論編 工程分析でムダを見える化する
この工程分析はIE手法の7つ道具で唯一
『製品の流れ』に着目する分析手法です
他の手法ではピックアップできない部分を
しっかり分析して改善のテーブルに
載せておきたいところ
ではこの工程分析の代表的な手法
フロープロセスチャート(加工工程分析)の
解説を進めていきましょう
しばらくお付き合いくださいませ
工程分析のフロープロセスチャート(加工工程分析)とは
フロープロセスチャートは
加工工程分析とも呼ばれており
1つの材料や部品が
各工程を通って変化していく状態を
加工される順に工程記号で
上から下へ表したものです
例えば、機械加工などを行う職場で
材料・部品が加工される場合に使えます
特徴としては、工程内容や距離、時間、
作業者の分担などの条件も明確にして
併記することがあげられます
それでは早速、表記される
工程分析記号をみていきましょう
工程分析の工程分析記号
基本的にはこれら工程分析記号を線でつないで
工程全体を工程分析表として表現します
そのことにより製品やモノの流れを
見える化することができます
ま、標準的な記号は上記のとおりですが
このルールを守ることが大切ではなく
関係者の認識が共有できることが重要
そのためオリジナルの記号でOKで
多くの職場で新記号を運用中です
その代表的な創作例は以下のとおり
加工記号に固有名詞を加えたり
運搬記号に運び方を入れたり
複合作業は記号を組合せたり
つまりわかりやすさが大切で
メンバーでワイワイやりながら
決めていければ共有度合が高まります
また最後に補助記号を紹介します
この補助記号は、先程の工程記号間を
つなぐ線の途中に上記のような表現を
追加することで意味をもたせるものです
例えば一番上の管理区分は
線の間に波線で区切るとすると
その上の工程記号と下の工程記号とでは
管理部門が違う、だとか
同様に2番目の担当区分は
担当者、作業者が違う、など
こういった意味合いをもたせます
フロープロセスチャート(加工工程分析)の分析手順
ではお待たせしました!
フロープロセスチャート(加工工程分析)の
分析手順を説明しましょう
【フロープロセスチャート(加工工程分析)の分析手順】 1.目的・対象範囲の確認 2.製品・工程の概要把握 3.調査・分析 4.工程分析表(工程分析図)の作成 5.改善案の検討 |
1.目的・対象範囲の確認
まずは分析の目的と目的に合った分析の
粗さ、細かさの使わけを考えましょう
つまりどういう範囲で分析するのか?
原材料から最終製品完成まで
がっつりすべてを対象として書き表すのか
あるいは、ある工程なのか?ということ
加工・組立・検査など大きなくくりなら
今回は組立の職場だけを対象とする、など
分析の調査項目を決定ないし確認します
それはやはり、やみくもに書き始めても
当初の目的とあわなくてやり直し!
なんてことを避けたいからです
そういう意味で、対象とする
製品(代表品種)や分析範囲なども同様です
2.製品・工程の概要把握
次は工程全体の概要を予習します
現物見本、設計図、部品表、手順表の資料
また関係者から聞き込みをするなどで
前提を明らかにしてイメージをつくります
3.調査・分析
そしてこちらが予習を踏まえての本番です
現状を漏らさず観察をしていきます
加工工程の場合はロットの違いを確認します
ロットとは一度に何個作るのか?の単位です
1個完成する毎に次工程へ渡すのか
100個完成するまで渡さないのか
特に運搬面や停滞の場合では
大きく変わりますので注意が必要です
現場では加工中の1個しか目立ちませんので
気をつけてください
4.工程分析表(工程分析図)の作成
ここで集めた情報を網羅した工程分析表を
フロープロセスチャートそのものを
総括表としてまとめます
各工程別の工程数はどうか
時間や距離はどうかなどを書き込みます
5.改善案の検討
工程分析表を用いて改善案を検討します
この検討の考え方についてはまた別途
まとめますので楽しみにお待ちください
工程分析表(工程分析図)の例
それではフロープロセスチャートによる
工程分析表(工程分析図)の作成例です
この書き方が正しい書き方という
わけではありません
あくまで一例と捉えてくださいませ
行一つひとつが作業です
これを順番に書き込んで
工程記号を線でつないでいきます
そして補助的な情報として
数量500枚単位のロットだと書きます
距離と時間は分数のように書くのが一般的
上段が合計値、下段がその内訳です
一度でも、これを参考に作成してみれば
このツールの強烈さをご理解いただけます
挑戦する者にしか見えない世界があります
それを実感する有効手法のご紹介しました
IE手法の7つ道具③工程分析のフロープロセスチャート(加工工程分析)編まとめ
経験としてですが
このフロープロセスチャートの
工程分析表(工程分析図)の完成よりも
これを作成する過程で多くを調べたり
いろいろな方向から考えたりすることが
改善への材料集めにつながりますし
新たな視点を獲得することで
問題に気づく訓練にもなります
ただ機械的に作図することなく
ぜひ考えながら、悩みながら
取り組んでいただければと考えます
さて、次回はIE手法の7つ道具
4つめの動作分析(作業分析)について
触れてまいります
こちらもかなりインパクトのあるツールです。
ぜひ続編をお楽しみにお待ちください!
それでは今日はここまでです
今後ともよろしくお付き合いくださいませ☆
長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪
すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために