前回は3s活動の3つのsの1つ目、『整理』の進め方を紹介しました。
【関連情報】>3s活動『整理』で必要なモノだけの職場をつくる
やはり『整理』は強烈です。
視覚から訴える小集団活動なんて、他にはないんじゃないでしょうか?
もう意識しなくても、見るからに変化が読み取れるワケですから、もう反則に近い、苦笑
ですから『整理』だけは、できるだけ派手に演出してください。
たとえば会社の重要事項を貼りだしている掲示板に、『え?とうとう我が社にも赤札作戦が来る?!』なんてポスターを自作して貼りだしてもいいですし、『あなたが撮る!3s活動ビフォーアフター写真コンテスト』と社内キャンペーンを打ち出して、優勝者にはクオカードを進呈してもいいと思います。
この『整理』は、全社的に3s活動を取り組んでいることを、関係者全員の心にを刻むことが大きな目的のひとつ。
ぜひ盛大なお祭りとして、盛り上げてくださいませ。
さて今回は3s活動の3つのsの2つ目、『整頓』の進め方について触れてまいります。
『整頓』の考え方と進め方
『整頓』は3s活動の中で唯一、ダイレクトな改善効果が期待できる活動です。
一般的には『合理的に片づける』といったイメージが強いですが、実はそうではないんです。
3s活動は『整理』からはじまります。
そのため『整頓』に着手する時に職場には、『必要なモノ』しか残っていない状態です。
その『必要なモノ』を大切にする
つまり有効に活かすための施策が『整頓』という施策です。
3s活動では『モノを大切にする』とのいう考え方は、『すべてのモノを大切にする』のではなく、『必要なモノだけを大切にする』のだと、前回の記事では申し上げました。
つまり『どう大切にするのか?』を『整頓』で仕組み化を進めるのです。
そう、やはり言葉のとおり『整理』と『整頓』はセットなんですよね。
ではいったい、どのように大切にするのでしょうか?
その『整頓』の進め方を説明する前にまず
『3定』という考え方を押さえる必要があります!
3定とはなにか?モノを大切にするルールをつくる!
道具やモノを取り扱う場合、一連の基本動作があります。
もっともシンプルに表現するなら
①見つける→②使う(作業)→③戻す の3つ
でもこの3つの動作のうち、生産性があると評価できるのはどれでしょう?
そうですね②使う(作業)です
そのため①見つける、③戻すの2つは付加価値を生み出さないため、極力小さくしたいワケです。
ではいったいどんな工夫ができるのか?
そのセオリーとしての考え方が『3定』と呼ばれるものです。
定めた位置に置く:どこに置くのか?
定めた品物を置く:なにを置くのか?
定めた量だけ置く:いくつ置くのか?
上記3定の3要素を、この職場のレイアウトのどこかにどのように配置すれば、全体の合理性に貢献できるのだろうか?
考えに考えて置き方を決めて
そして、その決めた通りに徹底して置く
徹底して ①見つける→②使う(作業)→③戻す を繰り返す
そしてもっといい置き方がないか?を追求していく。
何度も何度も繰り返し
考えては試し、考えては試し
そしていずれその職場独自の最適な置き方が見つかるはずなんです!
これが3s活動における『整頓』です。
どうですか?
難しいですか?
難しいですよね~
確かに難しそうに書きました、汗 ← 確信犯
でも!安心してください!!
そう見せて実は。。。
この『整頓』には先人たちが開発してきた、たくさんのびっくりアイデアがあるんです!
そして最初はそれを真似するところからはじります。
『TTP』、つまり『徹底的にパクる!』
それがこの『整頓』の最初の信条なのです。
なので、イメージはなんとなく工作気分です、笑
NHKでやっていた『でっきる~かな、でっきる~かな♪』のノリです。
みんなでワイワイと、あーでもない、こーでもないって
定番の整頓方法の中から1つチョイスして真似してやってみるんです。
それが意外と効果が出たり、出なかったり
これらを検証しながらその考え方に慣れ親しんだ後、さらにもっと工夫ができないかを追求するのです。
なぜなら、3s活動は終わりがないですから、ゆっくり改善していくことを楽しめばいいんです。
ではいったい、その先人たちのアイデアとは、いったいどのような工夫があるのでしょうか?
代表的なものを見ていきましょう☆
3s活動 事例 『整頓』のアイデア編1:看板作戦
『整頓』事例の1つ目は、看板作戦です。
看板作戦とは、職場内のありとあらゆる場所に看板を設置して、誰からみてもその置き方が特定できるようにする作戦です。
まずは【定位=場所を定める】ため、職場のすべての場所に名前を付けます。
建物、部屋、部門、エリア、設備などはもちろん、棚においては町(棚)名、丁目(縦)、番地(横)などルールを決めて名前を付け、看板を設置します。
これにより、何がどこにあるのかを明確にすることができるため、探す時間の短縮や置き場所不明在庫による二重発注などが予防できます。
次に【定品=品物を定める】ため、決めた置き場所にその品物の名前を表示します。
部品名、仕掛品名、製品名、あるいは道具や消耗品など、すべての収納場所に名前を掲げます。
そのことにより、ひと目で品物の有無が明らかになると同時に、ピックアップミスが激減します。
最後に【定量=置く量を定める】ため、その量を表示します。
それぞれの部品などの最大在庫量、発注点、最小在庫量などをテープなどで表示します。
そのことにより、ひと目で品物の増減が確認できるため、2重発注や発注モレによる欠品を防止することができます。
ハガキや小包みが早く、正確に届くのも、まずは住所がしっかり定義しているから。
わが職場にもその住所の定義付けからはじめて、モノの量の管理までできるようになれば、いよいよ『整頓』による改善も現実味を帯びてきます。
まずはその段階にたどり着けるよう、コツコツと施策を実行に移していきましょう。
3s活動 事例 『整頓』のアイデア編2:ペンキ作戦
品物の置き方の標準化を進めたら、次は台車や大きな荷物などに対応していきます。
職場内には、設備や机、棚などの機能部分と、その間を行き来する通路部分とに分けられます。
しかし、そのエリアを区分しているところは少ないのではないでしょうか?
『台車をぶつけて荷物が落ちた』
『急いでてぶつかりそうになった』
『トレイが通路をふさいでいた』
どうですか?よくありそうではありませんか?
そうなんです。これはすべて作業区と通路を分けていないことから起こるエラーです。
『大きな事故にならなかったからいいや』で済ませては絶対にいけません。
ハインリッヒの法則によれば、ヒヤリ・ハット300件のうち、1件は重大事故が起こるという統計があります。つまり300件のうちの数件が発生したことになるので、このままでは各自に事故の順番を待つことになります。
こういったヒヤリハットな状況を大幅に減少させる工夫が、この『ペンキ作戦』なんです!
やることは単純です。
○ 作業区分と通路、あるいは車道部分とを別の色のペンキで塗ります
○ そして品物や台車などの置き場所の境目にテープを貼っていきます
○ そのテープも意味合いによって色分けします(危険個所にはトラテープ)
○ 最後に『踏むな、またぐな、モノ置くな』などルールを表示・徹底します
たったそれだけ。
意外なものです。
これだけで皆さま見事にヒヤリとする頻度は激減します。
そしてこれでまた守るべきルールが増えるため、気軽に相互指摘がし合える環境が生まれるのです。
そう、これはすべて、自分達の職場を快適にするためのルールだから、前向きな言葉であることをみんな知っているからできること。これができるようになれば、普段の仕事上でも標準化していきます!
ま、そんな職場に近づくための一歩として、どうぞお試しあれ。
3s活動 事例 『整頓』の進化論
さて、まだまだある先人たちの知恵ではありますが、その進化論に触れる必要があります
それはそのうち、自分たちで工夫を重ねる段階がくるからです
詳細は以下のとおり
【進化0】クローズ管理(個人管理)・・・表はすっきり、中はグチャグチャ!
○ 一見キレイに見えるが中は乱雑。→机の引き出しの中が多い
○ しまいこんだ人しか何があるかわからない→在庫が増える!!
【進化1】集中管理・・・グループ別に管理できている状態
○ スパナはスパナなどグループにして一か所で管理=集中管理
○ 目でみてわかるオープン管理へ
【進化2】目で見る管理・・・戻す位置をわかりやすくする
○ 治工具の位置がわかる“形跡整頓”を進める
○ ファイルは斜め線により整頓方法が簡単である
○ 戻す位置も一目でわかる
○ オイルなどの管理は“色別整頓”が便利(間違い防止にも一役)
【進化3】使用場所での分散管理・・・作業性向上(中)
○ 手を伸ばせば届く範囲に置く
○ 個人管理→集中管理→分散管理
○ 通常使用の工具の数を絞り込む
○ 使用する順番で並べる(工具のライン化など)
○ 見なくても戻せるような工夫
【進化4】戻さない置き方・・・作業性向上(大)
○ 戻さなくていい位置に置く
○ 高度な工夫が必要
○ 工具は上から吊り下げる
○ 振れ止めで定位置に戻る工夫
○ 近接化(足)→手許化(肩)→手元化(ヒジ)
【進化5】工具の集約化・共通化等・・・工具を使わなくする
○ 1本の工具に複数機能=工具の集約化
○ 複数の交付を1種類に=工具の共通化
○ 工具を使用しない=手段の代替化
さて、いかがだったでしょうか?
『整頓』は、最初は先人たちの工夫を真似するところから入ります。
工作気分でとても気軽なイベントとして楽しんでください。
そしてそのイメージのまま、どんどんといいアイデアを自ら生み出して、独自の発想から進化を遂げていただきたいと願います。
これこそがまさに素晴らしい改善活動なのです。
ぜひ一歩一歩、ベイビーステップを踏みしめながら、進めていただければ幸いです。
それでは今日はここまで
今後ともよろしくお付き合いくださいませ☆
長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪
すべては企業発展のために
すべてはみんなの笑顔と元気のために