前回は3s活動における企画書と組織表の効果を最大化するポイントについて解説いたしました。
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活用ツールと呼ばれるものは本来の用途を外さなければとても大きな役割を果たしてくれます。
しかし当たり前ではあるのですが、これを見誤ったり、その目的を見失ったとき、本当に無意味となります。
今回の3s活動の企画書、組織表もまったく同じです。
使い方を間違えないようにしたいものです。
ところで、この3s活動を導入する目的
皆さまはそろそろ理解が深まってきたのではないでしょうか?
何度も、何度も、同じことを、違った角度から説明を重ねることで横断的に理解は深まります。
そこで、そもそもなぜ我々は3s活動を導入しようとしているのか?
どういった成果が期待できるのか?
今回はそんな3s活動の目的を改めて深堀りしていきたいと思います。
3s活動の本当の導入メリット
3s活動はとても有名な活動です。
一説には、あのトヨタ自動車の生産性を飛躍的に向上させた
IE手法の先駆者:日本能率協会の新郷重夫先生が提唱されたとか
もう何十年も前からあらゆる企業、特に製造業では
その品質の安定のために、職場の改善を進めるために
この3s活動(5s活動)の導入が不可欠とまで言われてきました。
しかし一般的なメリットの訴求は
○ 仕事の無駄の削減
○ 製品品質の安定
○ 生産性の向上
○ ムダな在庫の削減
○ 職場環境の維持改善
など、収益目的に沿ったものが中心でした。
でも実際に3s活動に注力している企業からよく話を聴いてみると、そういったメリットは副次的なものだと捉えているようです。
では実際のメリットはどういうものなのでしょうか?
5s活動で有名な大阪府大東市の山田製作所さんでは
○ 様々な問題を発見する感性磨き
○ 問題を解決する能力を高める
○ 『守ることを決めて、決めたことを守る』社風づくり
をメリットであると定義しています。
また同じく大阪府大阪市の枚方合金工具さんでは
安全な職場、快適な職場、効率的な職場の追求によって
『守ることを決めて、決めたことを守る』風土をつくること
を目的とおいているようです。
注目すべき点は、いずれも従業員の育成の手段として3s活動を導入していて、経営TOPの率先垂範を信条としているところです!
もう賢明な方ならすでに気付いておられるでしょう。
経営資源4要素と呼ばれる
○ ヒト
○ モノ
○ カネ
○ 情報
しかしこのモノ・カネ・情報は
必ずヒトが集めてくるものです。
つまり経営上の最優先課題は、何をおいてもヒト・ヒト・ヒトなのです!!
仕事としてもっともシンプルな『整理・整頓・清掃』という3つのs
その基礎的な技術レベルを底上げすることで、従業員のすべての対応レベルを向上させることができる。
先ほどの企業は2社ともそこに気付いていて、そこに迷うことなく一心不乱に命をかけたのです!!
命とは、生きて死ぬまでの間を指します。
つまり命とは時間のこと。
そんな貴重な時間=命を、3s活動という得体のしれない『美化活動』に並々と投入する経営判断を
きっと誰の目にも自殺行為だと映ったことでしょう
しかし両社は違ったのです
単なる『美化活動』や『改善活動』ではなく
優秀な『人財育成システム』として捉え、惜しげもなく時間=命を注ぎ込んだ
つまり『3s活動を活かせる企業』と『活かせない企業』が存在するなら
その活動を徹底できるだけの理由を、覚悟を持っているかどうかが分岐点だと言うことができそうです。
戦前の3s(整理・整頓・清掃)活動
そもそも整理・整頓という言葉が
一般的に広く使われるようになったのは
戦前まで教育の中心であった修身教科書の中で
自分を慎む(謙遜・質素・倹約・寛容・報恩・整理整頓・健康)
と、語られたことがきっかけだと言われています。
しかしそれ以前から日本人の生活の中で『整理・整頓・清掃』は身近な動作であり、わざわざ言葉にして伝えることもないほど一般常識化していたといいます。
しかし戦後にて修身教育は撤廃され、高度成長期からバブル期崩壊まで恐ろしいほどの経済成長と遂げたあげく、現在はもう人間のキャパシティを超えて、処理し続ければ精神が崩壊しそうなほど、あふれんばかりの情報の量が降りかかってくる。
そんな世の中となってしまいました。。。
だから。。。
整理しようなんて考えなんか
整頓しようなんて余裕なんか
清掃しようなんて時間なんか
生まれるわけがない!!
もっと大切なことさえ
もっと重要なことさえ
処理しきれていないのに!!
そう捉えてしまうのが自然なのかもしれません
もう、ほんと。。。
皆さま、お疲れさまです!
これ以上、無理なんて言いません
だから、だからこそ
少し静かな空気の中に身を置いてみませんか?
もう少しだけ自分らしい時間をつくってみませんか?
ヒトとして、人間らしい仕事の時間を楽しんでみませんか?
『整理・整頓・清掃』
この3sは。。。実は。。。
いにしえの日本人が大切にしてきた心なんです。
江戸時代の3s(整理・整頓・清掃)活動
江戸時代の江戸(現在の東京)の人口は100万人ほど
世界トップクラスの人口だったと同時に、人口密度は1平方kmあたりおよそ6万人で断トツTOP!
現代のトップ:豊島区でも1平方kmあたりおよそ2.3万人
しかも当時は高層マンションなんてありませんから、それこそ本当にむちゃくちゃ狭かったようです。
そんな中で生活をするのは狭い長屋の四畳半
床の間かと思いきやちゃぶ台を出してダイニング
座布団を引いてリビングかと思いきや
布団を出して寝室、というように
巧みに1室を多様に工夫しながら変化させる
そんな生活に根差した整理・整頓が普通であり、衛生上の観点からしっかり清掃も行き届いていたんだとか
本当に限られた狭い居住空間で生活を維持するためには、日本人の知恵と英知を結集させる必要があり、整理・整頓が不可欠なものであったということ。
つまり「整理技術」や「整頓技術」は自然な生活習慣だったんですね~☆
だからね。
どこか懐かしいんですよ。
なので3s活動がしっかり定着した職場環境は、やっぱり理屈なしに気持ちが晴れるんです。
いにしえからの文化はやっぱり、意識しなくとも受け取っているんですね
職場磨きは心磨き
そんな文化を無意識に受け止めている我々現代人だからこそ
心のどこか
整理が進んでいない
整頓ができていない
清掃もやれていない
と、自分をどこか責めてしまっています。
優先すべき仕事だと割り切りながら
重要なタスクを追いかけながらも
どこか気になってしまっています
そんな小さな気がたくさん、たくさん蓄積されて
いつも間にかどっしりと心の重荷になっている可能性があるんです
ちょっとやってみましょうよ
少し雑巾を持って一部だけでもピカピカにしてみる
机の中を整理して、明らかに不必要なものを処分してみる
ちょっとした時間を作って、モノの置き場所を決めて表示してみる
そんなちょっとした行動を起こすだけで
理屈なしで感じ取れる感触があるはずなんです
ココロを静かにして、自身の正直な受け止めようを
微妙に感じ取って欲しいんです
自分が生を受ける前から、この国が大切にしてきた価値観が産み出す『小さな小さな喜び』をアンテナ高くキャッチして欲しいんです
そうすることによって
小さなことにも気付ける感性が
より高い理想を追いかける挑戦意欲が
きっちりと丁寧にこなそうとする完成度が
自然と上がってくるはずなんです
それこそが
その研鑽こそが
『やる気みなぎる職場づくり』に近づく原動力になり得るんです!!
どうでしょう?
もうほとんどご理解いただけているとは思うのですが、この3s活動の素晴らしさを伝えるため、この視点もまた違った機会に違った言葉で、今後も表現していきたいと思います。
そう、これを読んでいるあなたが本気になるまで
何度も、何度も薄皮を塗り重ねる漆のように
それでは今日はここまで
今後ともよろしくお付き合いくださいませ☆
長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪
すべては企業発展のために
すべてはみんなの笑顔と元気のために