工場の整理・整頓・清掃=3Sの継続実行に必要な4つのこと

工場の整理・整頓・清掃=3Sの継続実行に必要な4つのこと

 工場の整理・整頓・清掃=3S活動は、効率的な生産を実現するためには必要不可欠だということは、皆さまはすでにご存じのことだろうと思います。ところがこの活動を継続させるのに、四苦八苦しているリーダーからの問合せが後を絶ちません。
 そのため今回は、継続ができないのはどのような理由があるのか?その継続のために必要なことはなにか?さらには、それらを踏まえて自職場での確認が必要なポイントはどのようなことなのか?について、解説を進めていきたいと思います。
 今回も読み終えるまでのお時間、しばらくお付き合いくださいませ。

目次

なぜ工場の整理・整頓・清掃=3Sが継続できないのか?

 まず、なぜ3S活動は継続できない工場が多いのでしょうか?その理由としては以下の4つの理由が挙げられます。

理由1:3S活動の重要性の認識が低い

 従業員が3S活動の重要性を理解していないと、継続的な活動が難しくなります。そりゃそうですよね。自分が優先すべきはものづくりであり、その作業を止めてまでやるべき活動なのか?その重みを知らなければ、人は本気で実行しよう、なんて思いません。そのため、3S活動の重要性を従業員にしっかり説明し、その意義を理解してもらうことが必要になってきます。

理由2:3Sがどのような活動か知らない

 3Sが何を意味するのか、どのような目的をもち、どう活動すべきかか知らないことも、継続が難しい理由のひとつです。3S活動により、工場内の無駄を減らし、効率的な生産を実現することができます。それだけでなく、チームによる改善ができる仕組みづくりに貢献します。しかし、従業員がこれらの活動の意味を知らないと、3S活動に対する取り組みが続かなくなってしまいます。

理由3:どのように活動するか決めてない

 3S活動をどのように実行するか、具体的な計画を立てていないことも、継続が難しい理由のひとつです。3S活動は従業員が自発的に取り組むべき活動であるため、自ら具体的な実行計画を立てないと、なかなか納得しません。だからこそ全員で計画立案することが大切。一方リーダーは、その計画に基づいて進捗状況を確認し、必要に応じてサポートを行っていくことが重要です。

理由4:活動してもなんら評価してない

 会社や工場の方針による要請に従って3S活動を実際に実行した従業員に対して、それ相応の評価をしていないと、やはり継続は難しいです。なぜならやっても褒められないからです。そのため3s活動に取り組んでもそれこそムダであり、それよりも違う方向で評価される方向性に努力します。上司や経営者に喜ぶ行動とはなにか?明確に伝えることが重要です。

整理・整頓・清掃=3Sの継続実行に必要なこと

 これらの理由を踏まえると、3S活動を継続的に実行するためには、以下の4つの留意点を守ることが必要になってきます。

留意点1:3S活動を経営方針に入れる

 3S活動を継続的に実行するためには、3S活動を経営方針に入れることが必要です。経営者が3S活動の重要性を認識し、その意義を従業員に伝えることが必要です。また、3S活動を経営目標に設定し、その達成度合いを従業員に認知させることが必要です。

留意点2:3S活動の学習機能を導入する

 3S活動を継続的に実行するためには、3S活動の学習機能を導入することが必要です。3S活動に対する理解度を深めるために、従業員に対して定期的な研修などを実施することが必要です。また、3S活動に関する情報を共有するための仕組みを整えることも重要です。

留意点3:実行計画を決める機会をつくる

 3S活動を継続的に実行するためには、実行計画を決める機会をつくることが必要です。3S活動を実行するための計画を従業員がみずから作成し、実行することで、従業員の意欲を高めることができます。また、進捗状況を共有するための打合せの機会を定期的に設置することも重要です。

留意点4:実績報告に対しフィードバック=評価する

 3S活動を実行した実績はしっかり報告させます。それをほったらかしにする工場がどれだけ多いことか。その改善はよかったか、悪かったか。工場に対してどのような貢献をしたのか。さらに評価を上げるにはどのような視点が必要か。しっかりフィードバック=評価することはかなり重要なポイントです。

自社の3S活動において確認すべき4つのこと

 これらの留意点を踏まえて、自社の3S活動が継続できる体制になっているかどうか知るためには、以下の4点を確認してみることをお勧めします。

確認点1:従業員の重要課題の理解の深さ

 最初の確認点は、従業員が3S活動の重要性を理解しているかどうかを確認すること。従業員が3S活動の推進を重要視しているかどうかを把握し、必要に応じて従業員に対して啓発活動を行うことが必要です。

確認点2:3S活動そのもの理解の正しさ

 従業員が3S活動に対して共通した理解を持っているかどうかを確認すべきです。3S活動を実施するための考え方や基礎知識などについて再確認し、必要であれば従業員に対する研修開催、あるいは地域のセミナーなどに参加させることで、知見を再確認させるようにしてください。

確認点3:実行計画の有無と実行の度合い

 3S活動を実行するための具体的な実行計画があるかどうか、あるいはその実行計画に基づいて3S活動が実施されているかどうかを確認し、必要に応じて改善を行っていくことが必要です。

確認点4:実績に対するフィードバックのレベル

 3S活動の実行に対して、上司がどのようなフィードバックをしているのかどうかで、工場改善が継続できるかどうかの影響度合いは大きいと思って下さい。そのレベルが低ければ、従業員はその程度の重要度だと理解しますので軽視できない確認点です。

工場の3S活動の継続に必要なことまとめ

 職場=工場を良くするための活動を継続させる体制づくりは別に3S活動でなくても必要となります。ですが、この体制づくりをつくるための最初のステップが3S活動だと思ってもらってちょうどよいです。

 安全・衛生という誰もが納得する職場環境整備という課題についてすら、全従業員が継続して取り組むための体制づくりを進められないなら、もうどんな仕組みを導入しても継続は難しい状態です。しかし逆に言えば3S活動が継続できるようになれば、他の仕組みも継続できるようになる、とも言えます。

 ぜひ全従業員の理解を得ながら、強い工場づくりを進めるべきかと思います。

 もし、個人で解決が進まないならば、ひとりで悩まず気軽にご相談ください。

 それでは今日はここまでです。今後とも宜しくお付き合い下さい☆
 長文乱文を最後まで読んでくださりいつもありがとうございます♪

 すべては御社の発展のために、すべてはあなたの笑顔のために

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この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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