ここ最近、新聞やメディアで
デジタル貿易というキーワードが
浮上してきています
デジタルと貿易
それぞれの言葉はわかりますが
デジタル貿易って言葉は
あまり聞き慣れないですよね
そこで今回はデジタル貿易とは
いったいどんな貿易を指すのか?
なぜいま急に注目を浴びているのか?
我々中小企業への影響はあるか?
そんなお話を進めて参ります
デジタル貿易がなぜいま急に注目を浴びているのか?
すごい勢いで進んでいる技術の進化
その結果、世界中でやりとりされる
データの量は莫大に拡大していて
そしてその処理スピードも格段に
高まっています
さらにインターネットや携帯電話は
もう新興国を含めた世界中に普及して
デジタル市場もが飛躍的な拡大を
進んでいることはわかりますよね!
インターネットでのお買い物
WEBサイトでのホテル予約
自動車などのシェアリング
音楽配信サービスなどなど
スマートフォンでアプリを買ったり
アプリで音楽を聞いたり動画を見たり
日本の企業かそうでないか
まったく意識しなくても
あなたも活用していますよね!
そんなデジタル市場が国をまたいで
自由に取引されている現状を踏まえて
貿易の分野にデジタルを加えようと
最近になって国と国とで
議論をはじめたというわけです
デジタル市場の拡大について
世界のインターネット利用者数は
2016年には約34億人に達してます
これって世界人口を76億人とすれば
半分弱にあたります
わかりますか?まだ半分以上
拡大できる余地があるということです
また2007-2016年間の成長率は10.6%
そのうち途上国は15.6%と
飛躍的に増加しています
これからもまだ増えそうですよね!
そしてマッキンゼーの情報によると
2002-2014年間には国と国をまたぐ
データの通信量は45倍となっていて
今後の7年間でさらに9倍にまで
拡大すると予想しているんです
確かにフェイスブックやツイッター
インスタグラムなどのSNSなんかで
世界中の人たちとつながっていますし
仕事でもグローバルにやりとりをする
コミュニケーションは増えてますよね
さらにここ数年で5G通信が普及すれば
これもどんどん増えそうな状況です
世界のEC市場とIT企業の台頭
また世界のECサイト
つまりElectronic Commerceと呼ぶ
インターネット上での販売サイトは
どんどん国を乗り越えた事業展開を
始めています
そのため西欧では海外のECサイトから
商品を購入する割合がなんと50%まで
増えているというから驚きです
そんな越境EC市場規模は2020年には
2014年比較で約4倍のの9,940億ドルに
増える見込みが発表されています
また、越境EC利用者数は
同比較で約3倍の9億人を超えるとの
見通しとのこと
それを証拠に世界時価総額ランキングは
アップルやアルファベット(Google)、
アマゾン、フェイスブックのGAFA
そして中国のテンセント、アリババ等
米中のIT企業が台頭してきています
10年前を見ると石油・ガスや通信など
インフラ系の企業が多かったため
そのインフラを使う側に主役が移った
そう言えそうですよね
まさにITサービス関連の事業は
急拡大の真っ最中だということです
デジタル貿易が注目を浴びている理由
この急激に拡大しているデジタル市場
しかし実はこのデジタル市場は
実際にモノが行き来するのではなく
デジタルデータによるサービスへと
ビジネスモデルが急激に移行している
しかし国と国との商取引の仕組み
つまり貿易という国と国との約束は
モノが出国した入国したという
輸出&輸入により管理してきました
そのためデータによる取引は
管理するための仕組みができておらず
今後拡大するデジタル市場に対しては
現在は野放し状態なのです
そのため国と国とがあわてて
仕組みをつくろうとしているため
注目が集まっているということです
それはホント、お疲れ様です
デジタル貿易とはいったいどんな貿易?
ここではまず経済産業省からの
説明文の紹介してみましょう
デジタル貿易の定義については、世界的に統一されたものは存在しないが、例えばOECDは、デジタル貿易とは、基本的には国境をまたぐデータの移転を前提としたものであり、消費者、企業、政府が関わる、電子的または物理的に配送される物品やサービスの貿易にかかる電子的取引を包含するものであるとの概念を紹介している。(中略)
一方で、例えば米国国際貿易委員会(USITC)は、デジタル貿易を、「製品やサービスの注文、生産、配送において、インターネットやインターネットをベースとした技術が特に重要な役割を担う貿易」と定義4しており、その範囲はより広いように見受けられる。引用元: 第1節 デジタル貿易の現状By経済産業省
やはりお役所の書く文章は難しいので
もう少し噛み砕いて説明してみます
経済協力開発機構:OECDのデジタル貿易
経済協力開発機構:OECD
つまり主要な36ヶ国が加盟する
経済全般について協議する国際機関が
デジタル貿易を定義しています
その範囲は意外と狭く
商品やサービスのやりとりなど
国境をまたぐ電子商取引を指します
しかしアメリカでは
そう捉えていないようです
米国国際貿易委員会:USITCのデジタル貿易
米国国際貿易委員会:USITCによれば
経済協力開発機構:OECDの定義に加え
◯デジタル関連製品
◯サービスの貿易
◯デジタル関連の知的財産の保護
◯電気通信インフラへの投資
◯企業の国外での投資・サービス提供や
製品輸出に係るデータの取扱い等
などその取り扱い範囲は広いです
経済協力開発機構:OECDは
世界全体を考える国際機関ですが
どちらかと言えば欧州の加盟国が多く
米国国際貿易委員会は米国機関
最近ではデジタル市場拡大を背景に
一般データ保護規則(GDPR)など
欧州では米国企業GAFAを規制する
動きが盛んになってきています
そのためIT企業の勢力が強い米国は
やはりサービス提供側であるため
ちゃんと広く見ておきたいという
立場はわかりますよね
押さえておくべきデジタル貿易のポイント
実はデジタル貿易は
環太平洋経済連携協定(TPP)でも
大きな交渉のテーマになりました
しかしアメリカがTPPを撤退したため
現在交渉中の日米貿易協定交渉で
要求項目として改めて挙げています
具体的には
①デジタル製品には関税を課さない
②コンテンツを国や地域で差別しない
③データの海外移転を制限しない
④政府がプログラムの情報開示をしない
⑤知的財産権以外の民事責任を制限
の5つを要求項目に掲げていました
①~③まではTPP交渉時に
合意済みとの認識
米国はまずは日米でデジタル貿易の
国際ルールづくりを進めることで
アジアでのネット事業の基盤を
確立したい狙いがあるようです
この拡大ペースを考えれば
当然早く進めたいと米国も
焦っていることでしょう
中小製造業への影響を考える
現在のところ大きく心配する箇所は
見当たりませんが
米国GAFAへの規制などが拡大すれば
我々がすでに活用している仕組みに
影響がでるかもしれません
また米国GAFA以上に怖いのは
中国BATHの動きです
BATHとは
B:バイドゥ
A:アリババ
T:テンセント
H:ファーウェイ の4社です
いずれも巨大企業ですので
何かしらのトラブルが起こった場合
一気に世界中に影響が広がるリスクが
あることを忘れないことです
デジタル貿易とは何?わかりやすく簡単に解説まとめ
デジタル貿易とは
デジタルデータを介する取引および
その環境面の国際的なルールだと
お分かりいただけたかと思います
これからさらに拡大するデジタル市場
この枠組を生かして自社の事業に
なんとか活用できないか?
やはり世の中の変化はチャンスです
そんなフィルターをかけながら
世の中の大きな環境の動きを
観察していただければ幸いです
それでは今日はここまで
今後とも宜しくお付き合いください☆
長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪
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