現場でモノづくりに向き合っている皆さん、今日もお疲れ様です。 私たちの仕事は、単に機械のボタンを押すだけではありませんよね。人と設備、そして材料というバラバラの要素を、現場の知恵で組み合わせて価値を生み出す。言ってみれば、毎日複雑なパズルを解いているようなものです。
そんな中で、不良やトラブルが起きたとき、皆さんはどうしていますか? 「あそこの調子が悪い気がする」「この材料の時は要注意だ」……。 ベテランの皆さんは、頭の中で瞬時にパズルを組み替え、経験則(勘とコツ)で対応策を弾き出しているはずです。
そこで、その素晴らしい「職人の勘」を、チーム全員が使える「確実な武器」に変える方法を多くの工場では当たり前に使っているのですが、まだまだ使いこなせていない現場も多く存在します。そこで今回は、その具体的なツール「層別(そうべつ)」を紹介することにしました。
これは決して、管理のために仕事を増やす話ではありません。 むしろ、「なんだ、原因はここだったのか」と一発で特定し、理不尽な忙しさから現場を解放するための「道具」です。頭の中にあるロジックをデータで見える化し、スマートに現場を回すためのヒントをお伝えします。
なので今回も読み終えるまでのお時間、しばらくお付き合いくださいませ。
そもそも「層別」すると何が変わるのか?
「層別(そうべつ)」という言葉は、QC活動や改善報告書などで目にすることがあります。なのでどうしても、「なんだか難しそうな統計用語だな」と敬遠してしまう方も多いんですよね。
でも実はこれ、皆さんが毎日現場でやっている「5S=整理・整頓・清掃・清潔・習慣(しつけ)」の「整理・整頓」とまったく同じ考え方なんです。道具箱の中でボルトとナットが混ざっていると仕事になりませんが、サイズごとにケースに分かれていれば一発で取り出せる。
データの層別もこれと一緒です。「混ざっているデータを分けて、スッキリ見やすくする」。たったこれだけのことなんですが、実はその効果は現場のストレスを激減させるほど絶大なのです。
層別の本質:「分ける」ことは「分かる」こと
層別とは、たくさんのデータを「ある共通点(機械別、人別、日付別など)」でグループ分けすることを指します。
昔から製造現場には「分けることは、わかること」という格言があります。
ごちゃ混ぜの部品箱の中から不良品を探すのは至難の業ですが、「A社の部品」「B社の部品」と箱分けされていれば、「B社の箱だけ不良が多いぞ?」とすぐに気づけますよね。
- 定義: データを共通の特徴に基づいてグループ分けすること。
- 現場でのメリット:
- 「なんとなく全体が悪い」というモヤモヤした状態から脱却できる。
- 問題の「真犯人」が特定できるため、無関係な箇所をいじらなくて済む。
- 「俺たちの腕が悪いんじゃない、材料のロットが悪かったんだ」という証明ができる。
層別の成功事例(Before/After)
「データを分けるだけで、本当に仕事が楽になるのか?」
そう疑問に思う方のために、ある現場で実際にあった「寸法のバラつき」の事例を見てみましょう。これを読めば、層別の威力が腹落ちするはずです。
【層別前(混ぜた状態):現場の理不尽な悩み】
現場には「A装置」と「B装置」、2つの同型機があります。この2台分の加工データを混ぜてグラフ(ヒストグラム)を作ってみると……。
- 結果: 山が平べったく広がり、平均値も狙いよりズレていました。
- 現場への影響: 上司や管理者から「全体的にバラつきが大きいぞ。全員、基本動作を徹底し直せ!」と、現場全体が十把一絡げに注意されてしまいました。ちゃんとやっている人にとっては、たまったものではありません。
【層別後(分けた状態):真実の発見】
そこで、現場リーダーの提案で「A装置」と「B装置」のデータを分けてグラフを作り直しました。すると、驚くべき事実が見えてきました。
- 結果:
- A装置: 狙い値どおりで、非常に安定している(優秀!)。
- B装置: 明らかに数値が高く、バラつきも激しい。
- 分かった事実: 現場全員の意識が低いのではなく、「B装置の調整(または部品摩耗)」だけに対策が必要だと判明しました。
層別した結論
混ぜたままだと「現場全体の責任(精神論)」にされかねない問題も、層別することで「B装置という具体的な修理案件(技術論)」に変わりました。
これが、私たちが層別という武器を使う最大の理由です。
真犯人を特定することで、無関係な部分への無駄な努力(手直しや過剰な点検)をゼロにし、本当に直すべき箇所だけに集中できるのです。
これは使わない手はないですよね。
層別でできること/できないこと
一方で道具には、必ず「得意なこと」と「苦手なこと」があります。
ハンマーでネジを回せないのと同じで、層別も万能ではありません。現場視点で「ここが便利(使える!)」「ここは注意(使えない…)」というポイントをランキング形式でまとめました。
層別でできることランキング
【第1位】「現場の勘」を「動かぬ証拠」に変える
「最近、夜勤の時だけ設備の調子が悪いんだよな……」
現場に長くいると、こういう肌感覚(違和感)を覚えることってありますよね。でも、それを口頭で伝えても「気のせいじゃないか?」と返されてしまう。
そんな時、「昼勤」と「夜勤」でデータを層別してグラフを出せば、「ほら、やっぱり夜勤の時だけ寸法が暴れてる!」と一発で証明できます。
私たちの「勘」は、だいたい正しいんです。 層別は、その勘を客観的な数字に変え、会社や他部門を納得させるための最強の翻訳機になります。
【第2位】対策の「ピンポイント爆撃」ができる
全体に向けて「品質意識を高めよう!」「全員で点検強化だ!」と号令をかけるのは疲れますし、正直なところ効果も薄いです。
層別によって「材料メーカーC社のロットだけが規格外を出している」と分かれば、そのロットだけ監視を強めればOK。
「関係ないところは何もしなくていい」。 最小の労力で最大の結果を出す、プロならではのスマートな仕事ができます。
【第3位】改善の「達成感」を見える化する
対策をした後も、層別していれば「悪いグループがどう良くなったか」が一目瞭然です。
全体のごちゃ混ぜデータでは埋もれてしまう小さな改善も、層別なら「苦労して調整したB装置、こんなに安定したぞ!」とグラフにはっきり現れます。自分たちの頑張りが目に見える形になるので、仕事の面白さにもつながります。
層別でできそうで、できないことランキング
【第1位】「なぜ」その数値になったかは教えてくれない
ここが重要です。層別はあくまで「犯人の居場所」を教えてくれるレーダーです。
「B装置が悪い」とは教えてくれますが、「なぜ悪くなったのか(油切れ? 刃の摩耗? 設定ミス?)」までは教えてくれません。
そこから先は、やはり現場の皆さんの観察眼や技術力(現地現物)が必要です。「層別して終わり」ではなく、「層別してからが現場の腕の見せ所」なのです。
【第2位】「記録のないデータ」は後から分けられない
これが一番の落とし穴です。「誰が加工したか」「何号機を使ったか」という記録(履歴)を取っていなければ、後から分けようがありません。
トラブルが起きてから「あの時のデータ、機械別に分けたいな」と思っても、記録がなければ手遅れ。日報やチェックシートの段階で「分けるための仕込み」が必要です(※これは後半で解説します)。
【第3位】データが少なすぎると「偶然」と区別できない
データを細かく分けすぎると、1つのグループあたりのデータが2〜3個になってしまうことがあります。
これでは、「たまたま運が悪かっただけ(偶然の誤差)」なのか、「本当にその条件が悪いのか」判断できません。層別をするなら、ある程度のデータ数が集まってから行うのが鉄則です。
原因を特定する「層別の切り口」5M1E 具体例リスト
さて、ここからが核心部分であり、一番興味深いところです。
集めたデータをただ眺めて「不良率が上がったな」「今月は調子が悪いな」と溜息をつくだけでは、現場は良くなりません。そのデータの裏に隠れている「犯人」をあぶり出す必要があります。
そこで私たちが使う最強の武器が、品質管理(QC)の世界でおなじみの「5M1E(ゴエムイチイー)」です。
これを単なる教科書の用語だと思わないでください。これは、複雑に絡み合った現場のトラブルを、外科医のように鮮やかに切り分けるための「解剖図」をつくるための6つの要素なんです。
漠然とデータを分けるのではなく、この切り口を使って層別を行うことで、今まで見えなかった「真の姿」が浮き彫りになります。それぞれの切り口について、現場の実例を交えながら詳しく解説していきましょう。
1M: 人(Man)の切り口
まず最初は「人」です。しかし、ここで注意してほしいのは、「〇〇さんが悪い」という個人攻撃のためにデータを見るのではないということです。「人によって何が違うのか?」というクセや条件の違いを探るのが目的です。
経験・属性(ベテラン vs 若手)
単純に担当者別でグラフを作るだけでなく、「経験年数」で分けてみてください。
- 実例: ある加工ラインで、若手グループとベテラン勢で不良の内訳を分けてみました。すると、若手は「寸法のバラつき」が多い一方、ベテランは意外にも「外観キズ」が多いことが判明。
- 分析: 若手はまだ機械のクセを掴みきれていない(=教育が必要)。逆にベテランは、慣れからくる「早さ」を優先しすぎて、ワークの扱いが雑になっていた(=意識の再確認が必要)。このように、属性で分けることで打つべき対策が全く変わってきます。
所属・勤務形態(昼勤 vs 夜勤)
「誰が」だけでなく「どのチームが」という視点も重要です。
- 実例: 「昼勤」と「夜勤」でデータを分けたところ、夜勤のほうが圧倒的に寸法不良が多かった。
- 分析: 作業者のスキルではなく、夜間は工場内の気温が下がり、機械の暖機運転が不足していたことが原因でした。これは人を責めても解決しない、環境要因との複合的な問題だと分かります。
2M: 機械・設備(Machine)の切り口
現場あるあるですが、「同じメーカーの同じ型式の機械だから、同じ動きをするはずだ」という思い込みは捨てましょう。機械にも個性があります。
機械の特性(号機別のクセ)
- 実例: 1号機から3号機まで並列で流しているライン。「合計」で見ると平均的な不良率でしたが、号機別に層別すると、2号機だけが突出して「ショート不良」を出していました。
- 分析: 調べてみると、2号機だけ導入時期が古く、内部のセンサー感度が劣化していました。全体のアベレージで見ていたら、新品の1号機・3号機の良品数に埋もれて、この事実に一生気づけなかったでしょう。
ツール・治具(刃物や型の状態)
機械本体だけでなく、そこに取り付ける「道具」にも目を向けます。
- 実例: 同じ機械を使っていても、Aという金型を使った時と、Bという金型を使った時でバリの発生率が違う。あるいは、ドリルを交換した直後と、交換直前で加工精度がどう変わっているか。
- 分析: これが見えれば、「金型のメンテナンス周期を早めよう」といった具体的なアクションが取れるようになります。
3M: 材料・部品(Material)の切り口
「うちは図面通りに加工しているのに、なぜかうまくいかない」。そんな時は、入ってくる材料を疑ってみる必要があります。
調達元・ロット(メーカー差)
- 実例: 同じ「SUS304」という規格の材料でも、A社製とB社製では微妙に硬さや粘りが違うことがあります。
- 分析: 不良データを「材料メーカー別」に層別したとたん、B社の材料を使った日だけドリルが折れやすいことが判明。現場の腕ではなく、材料の特性に合わせた条件変更(あるいは調達の見直し)が必要だったというわけです。
管理状態(保管の履歴)
- 実例: 接着剤や塗料など、化学変化する材料でよく起きます。「先入れ先出し」が徹底されず、倉庫の奥で半年眠っていた古いロットを使った途端に、接着強度不足が多発した。これもロット番号でデータを紐付けておかないと原因特定が難航します。
4M: 方法(Method)の切り口
「標準作業書があるからみんな同じ動きをしているはず」……残念ながら、現場ではそうとは限りません。
作業条件(パラメーター設定)
- 実例: 射出成形の現場で、ベテランAさんは「温度高め・圧力低め」が好き、中堅Bさんは「温度低め・圧力高め」が好き、という個人の「流儀」が存在していました。
- 分析: どちらも良品は出るのですが、微妙な品質のバラつきがありました。これをデータで可視化し、「最も安定して良品が出る黄金パラメーター」を特定して、それをチーム全体の新たな「標準」にする。これこそが現場主導の改善です。
手順・方式(自己流の有無)
- 実例: ネジ締めの順序。「対角線に締める」という基本を飛ばして、手前から順に締めている作業者がいたため、製品に歪みが出ていた。手順ごとに層別するのは難しいですが、作業観察とセットでデータを紐付けることで見えてきます。
5M:測定・検査(Measurement)の切り口
これは意外な盲点です。「データそのもの」が間違っている可能性を疑います。不良品を作っているのではなく、「良品を不良と判定している」あるいはその逆のパターンです。
測定環境(測定器の個体差)
- 実例: 検査工程で「ノギスA」と「ノギスB」を使っていました。実はノギスAを落としてしまって微妙に歪んでおり、Aで測った製品だけが全て「マイナス公差」として記録されていた。
- 分析: 測定器番号別にデータを層別した瞬間、Aのグラフだけ山がズレているのが一目瞭然となり、即座に校正に出すことができました。
検査区分(人による判定基準のズレ)
- 実例: 目視検査での「キズ」の判定。慎重なCさんは微細なスレも「不良」にするが、大らかなDさんは「これくらいOK」として通す。
- 分析: 検査員別に不良率を出してみると、Cさんだけ異常に高い。これは製品が悪いのではなく、限度見本のすり合わせ(目線合わせ)不足が原因です。
1E:環境・時間(Environment / Time)の切り口
最後に、私たちを取り巻く空気や時間の流れです。これらは気づかないうちに製品に悪さをします。
環境・天候(見えない敵)
- 実例: 梅雨の時期だけ、なぜか塗装のブツ不良が増える。あるいは、冬場の朝一番だけ機械が止まる。
- 分析: 温度や湿度のデータと品質データを重ね合わせることで、「湿度が60%を超えると不良率が跳ね上がる」という法則が見つかれば、空調管理という対策が打てます。
時間軸(疲労とリズム)
- 実例: 1日の中で不良発生時間をプロットしてみると、昼休憩の直前と、定時上がりの直前に集中している。
- 分析: これは集中力の低下や、「早く終わらせたい」という心理的な焦りが原因かもしれません。休憩時間の配置を変えたり、終了間際は検査をダブルチェックにするなどの工夫が生まれます。
いかがでしょうか。
「不良が出た!」と慌てる前に、この5M1Eのフィルターを通してデータを眺めてみてください。絡み合った糸がほどけるように、「あ、ここで何かが起きているぞ」という真犯人の尻尾が必ず見えてくるはずです。
層別で失敗しないための「データ収集」3つの鉄則
前の章で、不具合の原因を突き止める「5M1E」という包丁(切り口)を手に入れました。
しかし、ここで一つ残酷な現実をお伝えしなければなりません。どれだけ切れ味鋭い包丁を持っていても、まな板の上が「役に立たない素材」だらけだったら、何をどうすればよいか判断できず、良い調理なんてできないはずですよね?
データ分析の世界には「Garbage In, Garbage Out(ゴミを入れたらゴミしか出てこない)」という言葉があります。
後でスムーズに層別分析を行い、スパッと原因を特定するために、日々のデータ収集で絶対に守るべき「3つの鉄則」を紹介します。
これは後に私たちが不具合が出る前の「異常」を発見しやすくするための「仕込み」にあたります。心して徹底するようにしてください。
鉄則1: 5W1Hを必ず履歴として残す
ただ「不良が3個出た」とメモするだけでは、後で何の役にも立ちません。その数字に「背番号(タグ)」をつけてあげる必要があります。
- なぜ必要か?:後から「これ、誰が加工したやつだっけ?」「何時のロットだっけ?」と思い出そうとしても、忙しい現場では絶対に思い出せません。情報が紐付いていないデータは、層別しようがないのです。
- 現場での実践:日報やチェックシートには、最低限以下の要素がセットで記録されるようにしてください。
- When(いつ): 日付だけでなく、時間帯(午前・午後)や時間単位。
- Who(だれが): 作業者名だけでなく、交代要員かどうかも重要。
- Where(どこで): どのラインの、何号機か。
- What(何を): どの品番、どのロット番号か。
鉄則2:データ取りの段階で細かく区分する
「とりあえず不良品箱(赤箱)に入れておいて、週末にまとめて数えよう」。これは一番やってはいけないパターンです。
- なぜ必要か?:物理的に混ざってしまったものを、後から分けるのは不可能です。朝一番に出た不良と、夕方に出た不良が同じ箱に入っていたら、「時間帯による温度変化」の影響を検証することができなくなります。
- 現場での実践:
- 箱を分ける: 「A号機用」「B号機用」と箱を分けたり、「午前用」「午後用」でトレイを変えるなど、物理的に混ざらない工夫をしてください。
- 現品票をつける: 不良が出たその瞬間に、現品票や付箋で「時間と状況」を貼り付けておくのがベストです。
鉄則3:層別しやすいチェックシートを使う
「現場のみんなが書いてくれない」「記入漏れが多い」。その原因は、作業者の意識ではなく「帳票のデザイン」にあることがほとんどです。
- なぜ必要か?:忙しい作業の合間に、いちいち文字を書かせるのはコクです。書くのが面倒だと、データは必ず適当になります。
- 現場での実践:解析(層別)することを前提に、チェックシートを作り変えましょう。
- 選択式にする: 「機械番号」「現象(キズ・汚れ・寸法)」などは、手書きではなく「〇で囲むだけ(チェックボックス)」にします。
- あらかじめ分けておく: 1枚の紙に全員分書くのではなく、「1号機用シート」「2号機用シート」と用紙自体を分けておけば、後で集計する時に紙を分けるだけで層別が完了します。
この3つを徹底するだけで、トラブルが起きた時の「犯人探し」のスピードが劇的に速くなります。
「面倒くさいな」と思うかもしれませんが、何かあった時に何時間も会議室に閉じ込められて原因究明させられる時間を考えれば、日々の数秒の「タグ付け」の方が圧倒的にコストパフォーマンスが良いはずです。
まとめ:層別の「切り口」5M1E具体例リストとデータの分け方
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
今回は、現場のデータから真犯人を見つけ出すツール「層別」と、その切り口である「5M1E」について解説しました。
今回のポイントを改めて整理します。
- 層別とは「整理整頓」である:データを混ぜたままにせず、共通点ごとにグループ分けすることで、問題の所在を浮き彫りにする手法です。
- 「5M1E」というフィルターを通す:漫然とデータを見るのではなく、以下の切り口でデータを分解してみてください。
- Man(人): 担当者、経験年数、昼勤/夜勤
- Machine(機械): 号機別、新旧設備、治具の個体差
- Material(材料): メーカー、ロット番号、変更点
- Method(方法): 条件設定、手順の違い
- Measurement(測定): 測定器のクセ、測定者
- Environment(環境): 気温、時間帯、天候
- データ収集が命:後から分けられるよう、日報やチェックシートには必ず「5W1H(いつ、誰が、どの機械で)」のタグ付けを行ってください。
今日からできる最初の一歩:明日、まずは「一つだけ」分けてみよう
いきなり全てのデータを5M1Eで分析する必要はありません。まずは明日、手元にある不良データや日報を、どれか一つだけの切り口(例えば「時間帯別」や「号機別」)で並べ替えてみてください。
Excelでフィルタをかけるだけでもいいですし、記入済みの用紙を机の上でトランプのように「1号機」「2号機」と山分けするだけでも構いません。
全体で見ている時には気づかなかった、「あれ? なんでここだけ多いんだ?」という「不自然な偏り」が見えてくるはずです。その偏りこそが、現場を悩ませているトラブルの正体です。
現場の知恵とデータを組み合わせて、理不尽なトラブルをスマートに解決し、私たち自身の働きやすさを自分たちの手で作っていきましょう!



