QC7つ道具の使い方をお伝えする
このシリーズも7回目となります
そして今回はQC7つ道具の中でも
かなめ中のかなめ:特性要因図を
アイテムの4つ目としてご紹介します
QCストーリーの5ステップの中で
改善策の検討前に『要因の解析』を
行っていきます
このステップが実は改善の方向性を
しっかりと決めてしまうため
最も重要なステップであると言えます
その『要因の解析』時に大活躍なのが
この特性要因図というツールです
それではいったいどういう道具なのか
さっそく説明していきましょう
特性要因図とは何か?
『結果にはかならず要因がある』
これがQC活動の考え方です
その要因を突き止める時に
いくつかの観点から検討していく
ツールが特性要因図です
特定の結果(特性)と要因の関係を
系統的に表す図を使って
問題の因果関係を整理して
原因を追求します
上図のように
解決すべき問題(特性)を右端に
そして横線の両側に斜め線を描いて
その各々がその問題に関連する要因
そしてまたその要因と、根本原因を
突き止めるまで続けていきます
特性要因図の専門用語(パーツの名称)
![QC7つ道具の使い方⑦特性要因図の作り方](https://seizo-bu.com/wp-content/uploads/2018/11/9b80c3054821f5d534b6aa7254a174d2.png)
特性要因図の専門用語(パーツの名称)
特性要因図はシンプルですが
一応名前を付けて説明するため
まずは専門用語として
パーツ名称を解説します
特性要因図パーツ①特性
特性要因図は結果と要因をつなぐ
因果関係を整理するために使います
そのためまずは一番右、つまり
最終地点に結果としての特性を
位置づけています
特性要因図パーツ②要因カテゴリ
次は要因カテゴリです
実際には要因カテゴリは要因の
グループになります
数は4~8個が一般的です
特性要因図パーツ③大骨
要因カテゴリが特性につながる
矢印を大骨と呼びます
この大骨に次のパーツである
中骨がくっついてきます
特性要因図パーツ④中骨
要因カテゴリ=大骨につながる
考えられる要因を中骨で表します
この中骨は直接的に特性に
影響が大きそうな要因をつなぎます
特性要因図パーツ⑤小骨
最後は小骨です
中骨につながる要因を表します
この小骨の数をどんどん考えることで
漏れのない要因分析が可能です
特性要因図の作り方
特性要因図は以下の5つのステップで
作っていくことが一般的です
かならずメンバー全員で行って下さい
この作業は全員の知識や視点が
網羅される作業です
下手な職場研修よりよっぽど
人材育成が進みますのでパワフルです
【特性要因図の作り方の5ステップ】 ステップ1:特性を決める ステップ2:要因カテゴリの設定 ステップ3:要因の検討 ステップ4:重要要因の選定 ステップ5:必要事項の記入 |
それではステップをひとつずつ
説明していきましょう
ステップ1:特性の決定と記入
これから要因を考えていきたい
最終的な問題を決めます
テーマに関係の深い内容にして下さい
例えば、現状把握で明らかになった
実績と目標との差
あるいはパレート図で取り上げた
重要な問題などがこれに当たります
今回は事例として。。。
『職場が盛り上がらない』要因を
考えていくこととして
説明を進めていきたいと思います
これを右端に記入したら
左端から最も太い矢印を引いて
次のステップに移ります
ステップ2:要因カテゴリの設定
次に要因カテゴリを設定します
これは要因をグルーピングするのに
とても大切な設定になりますので
適切なカテゴリを4~8個設定します
例えば、職場が盛り上がらない要因を
考えて行く場合、
◯業務プロセスに関すること
◯コミュニケーションに関すること
◯メンバーの意識に関すること
◯上司の仕事ぶりに関すること
などを設定してみます
うまくカテゴリが決まらない場合は
4Mで展開してみてください
4Mとは要因分析に使われる
代表的な4つの切り口を指します
【4Mとは何か?】 Man:人 Machine:機械 Material:材料 Method:方法 |
要因カテゴリが決まったら記入して
大骨として若干太めの矢印を
中心の矢印につなげておき
次のステップにいきます
ステップ3:要因の検討
それぞれの要因を考えていきます
要因カテゴリに直接関係のありそうな
要因は中骨でつないだ後は
どんどんと小骨要因を考えておきます
例えば、職場が盛り上がらない
業務プロセスの関する要因として
◯業務が非効率であること
◯時間が足りないこと
◯仕事量のバラツキが大きいこと
◯アイデアや提案が出ない雰囲気など
4つを考えた場合は中骨でつなぐ
そしてそのひとつ
『業務が非効率』がなぜ起こるのか?
◯作業手順がいい加減であるから
◯引き継ぎがないから
◯書類を探すのに時間がかかるから
それを小骨でつなぐ
さらに書類を探す時間が多いのは
◯3Sができていないから などを
考えて小骨でつないでいく
そうやってなぜ?なぜ?なぜ?を
繰り返しながらその要因を漏れなく
テーブルの上に挙げる作業が
この『要因の検討』ステップなのです
で、おおむね要因が挙がった段階で
次のステップに進めていきましょう
ステップ4:重要要因の選定
そして特性(結果)に大きく
結びついている要因をメンバー全員で
話し合って決めます
多数決でなく
かならず話し合いで決めて下さい
このディスカッションがメンバーの
成長に寄与することが多いです
そしてその上でこの重要要因として
2~3個に絞り込んでください
本当に特性に結びつくかどうか
現場を観察したり、データの収集して
要因と特性の因果関係を調査したり
関係者にヒアリングをしたり
実験を行ってみたりと
あらゆる方法で重要要因を決めます
そして決めた重要要因の部分を
赤丸を記入するなどマーキングします
そしていよいよ次のステップで
完成します
ステップ5:必要事項の記入
最後に特性要因図を作成した目的や
作成日、作成メンバーなど必要事項を
記入して完成です
もし後に修正をした場合には
修正年月日や修正メンバーなどを
記載するとわかりやすくなります
特性要因図の作り方1(エクセルは次回を予定)まとめ
今回はQC7つ道具でももっとも重要な
特性要因図の作り方は解説しました
今回はつくり方における考え方の
理解を優先したためエクセルでの
作り方はシリーズの次回としました
まずはこの特性要因図の作り方を
しっかり理解していただき
そのうえで使いこなして頂きたいと
願っています
それでは今日はここまでです
今後ともよろしくお付き合いくださいませ☆
長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪
すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために