QC7つ道具の使い方⑥チェックシートの作り方

QC7つ道具の使い方⑥チェックシートの作り方

QC活動には必要不可欠なQC7つ道具の
作り方がお伝えするこのシリーズの
6回目はチェックシートの作り方です

アイテムとしては4つ目ですが
このチェックシートもとてもよく
活用されます

また作るのもシンプルですから
取り扱いやすい一面もありますので
多くの現場でよく使われています

このチェックシートの作り方を
改めて整理して覚えることで
より効率的な運用体制が整備できます

ではさっそくですが解説を進めて
まいりましょう

目次

チェックシートとは何か?

QC7つ道具の使い方⑥チェックシートの作り方

 

いつものように『チェックシート』
WEB辞書で検索してみました

QC7つ道具のひとつ。項目のチェックを目的に作成された表のこと。項目別にデータを収集する場合や、実行すべきことの確認に利用される。

パレート図やヒストグラムに引き続き
このチェックシートもQC7つ道具が
最初に説明されているほど代表的です

それもそのはずでパレート図を作る
あるいはヒストグラムを作るときに
元データを集める必要が出てきます

その情報収集にの時に大活躍するのが
このチェックシートだったりします

もう欠かせない道具ですよね

 

そしてもう一方で
皆様の生活にも導入されているものも
あるのではないでしょうか?

コンビニのトイレの清掃点検表
自動車の定期点検整備記録簿
職場でも作業点検項目など
チェックシートの活用事例は
たくさん存在しています

 

実はこのチェックシートは
大きく分けて以下の
2つの使用目的があります

【チェックシートの2つの使用目的】
目的1:調査・記録をする
目的2:点検・確認をする

少し説明を加えましょう

 

目的1:調査・記録をする

データを収集したい時
現状の実態をつかみたい時などに
チェックシートを使います

チェックシートを活用することで
明確なデータを集めることができる為
その分析を進めることで
違いや特徴、傾向、バラツキ、変化等
を把握することができます

例えば
どんな欠点や不具合が
どのくらい発生しているのか?
どんな分布の姿をしているのか?など
を把握する目的だということです

 

目的2:点検・確認をする

作業の抜け落ちを確認する時
あるいはその確認そのものの実施を
記録する時にこのチェックシートが
役に立ちます

ヒトは忘れやすいものです
一方、うっかり確認作業が抜け落ちて
しまうこともあるのも人間です

それを点検・確認をすることで
できるだけ抜け落ちが起こらないよう
このチェックシートを活用します

 

チェックシートの種類について

チャックシートには
決まったカタチはありませんが
よく使われる参考になるデザインを
目的別に紹介しておきたいと思います

 

調査・記録目的のチェックシート(事例)

調査・記録目的で使われる
チェックシートの代表的なカタチを
以下の3事例を紹介します

【調査・記録目的の3つのチェックシート】
不適合要因調査用チェックシート
欠点位置調査用チェックシート
度数分布調査用チェックシート

ではどんなものか見ていきましょう

 

不適合要因調査用チェックシート

QC7つ道具の使い方⑥チェックシートの作り方

 

各不適合項目の発生状況を
設備別、作業別、時間別などに分けて
データを集めたい時に使用します

収集した情報を分析することで
不適合の発生要因を後から詳細に
把握することができます

エクセルの機能を活用すると
集計が本当にラクになりますので
オススメしておきます

 

欠点位置調査用チェックシート

QC7つ道具の使い方⑥チェックシートの作り方

 

商品のイラストのうえに
不適合の発生位置をプロットして
どんな不適合が
どこに多く発生しているのか、を
知りたい時にはこのような書式で
調査を進めていきます

不適合の項目毎に記号の種類を
変えることで不適合の種類毎に
発生位置と量が直感的に把握できます

 

度数分布調査用チェックシート

QC7つ道具の使い方⑥チェックシートの作り方

 

寸法や質量などの特性値を
あらかじめ区分けしておいて
データを取るたびにカウントします

分布の姿・中心・バラツキの状態
規格に対する状況などと調べたい時に
この書式が適しています

まさにヒストグラムの作り方の時に
出来てきた表です

その後の作り方が知りたい方は
こちらをご参考ください
>>ヒストグラムの作り方(エクセルを含)<<

 

点検・確認目的のチェックシート(事例)

それでは次は点検・確認目的の
チェクシートの作成事例を1つ
ご紹介します

 

点検・確認用チェックシート(チェックリスト)

QC7つ道具の使い方⑥チェックシートの作り方

 

日頃の作業を正しく行っていくために
機械・作業に異常がないこと
安全が確保されていること
商品(製品)に異常がないことなど
あらかじめ確認すべき点検項目を
作業手順ごとに確認していくべきです

これらのことを抜け・落ちがなく
しかも確実に行うための
チェックシートの事例がこちらです

この用途のチェックシートを別名
チェックリストと呼びます

チェックをしてみて同じ不具合が
発生しているようであれば
再発防止策を講じる必要があります

 

チェックシートの作り方

それではそんなチェックシートは
どのように作ればよいのでしょうか?

今回は
不適合要因調査用チェックシートの
作り方の手順について説明します

適当に作るよ!っていう方も
一読してみてください

チェックシートは以下の4ステップで
作成をしていきます

【チェックシートの作り方:4つのステップ】
ステップ1:データを取る目的を明らかにする
ステップ2:チェック項目を決める
ステップ3:区分け(層別)のやり方を考える
ステップ4:チェックシートをデザインする

ではもう少し細かくみていきましょう

 

ステップ1:データを取る目的を明らかにする

データを取る目的を整理します

例えば、不適合品の状態や欠品状況、
品質特性のバラツキの把握など
なんのためにデータ取得するのかを
はっきりさせておきます

この作業を怠ってしまうと
後で獲得したデータが不足していて
やり直し!なんてことは日常茶飯事
関係者全員で決めて共有しておきます

例えば今回の
不適合要因調査用チェックシートの
事例ですと
『不具合発生の要因を見つける』
ことが目的となります

 

ステップ2:チェック項目を決める

ステップ1で目的がはっきりしたら
次はその目的にふさわしい
チェック項目を決めていきます

チェック項目は過去のデータや経験
実験結果などを参考にします

このチェック項目は実際には
データ収集時に新たに追加する場合が
あるため項目欄を空けておきます

事例では寸法外れ、傷、打痕、変形に
その他を加えていますが、もし新たに
チェックすべき項目に気が付けば
早めに記号を追加してカウントします

 

ステップ3:区分け(層別)のやり方を考える

次に区分け(層別)の方法を考えます

データをあとで同じ共通点や特徴で
いくつかのグループに分類できるよう
あらかじめ区分け(層別)する項目を
考えておきます

例えば、発生する不具合が
作業者別で違うのか
設備毎で差異があるのか
午前・午後の傾向はどうか
曜日別で偏りはないか
などを知りたい場合は

作業者、設備、午前・午後、曜日など
後で区分(層別)するための項目を
決めておくことが必要となります

 

ステップ4:チェックシートをデザインする

あとは区分け(層別)の項目別に
チェック項目が記録できるような
チェックシートをデザインします

つまり、チェック項目別の記号を
作業者、設備、午前・午後、曜日など
後で区分(層別)できるような様式を
デザインすることが大切です

QC7つ道具の使い方⑥チェックシートの作り方

 

良いチェックシートをつくるポイント

やはりなんと言っても
使いやすいチェックシートであること
それがもっとも重要なポイントです

まず、チェックする方法は
できるだけ簡単なものに決めてください
正の字や度数マーク
◯、✕、△などの記号
色分けなどで
簡単に表せるようにしてください

また、チェックする時に迷わないよう
チェック項目はわかりやすい項目に
決めて置くことが大切です

いちいち、あれ?これはどれ?との
確認が必要であればデータの精度に
問題が出ます

ぜひ工夫して機能的な役に立てる
チェックシートが作れるように
してくださいませ

 

チェックシートの作り方まとめ

さて、今回は調査・記録用および
点検・確認用の2つの機能を満たす
チェックシートの作り方の解説でした

ちまたにチェックシートが溢れてます
つまりとても役立つ機能なのです

ぜひ皆さまの職場にも
この有効なチェックシートの機能を
どんどんと量産していくことで
良い職場づくりに近づけて頂ければ
幸いかと存じます

 

 

それでは今日はここまでです
今後ともよろしくお付き合いくださいませ☆

長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

目次