ものづくりをお仕事としている限り
なかなかなくならないのが作業ミス
作業ミスは作業者のうっかりが
原因だと決めつけ勝ちですが
『気を付けろ!』と叱ってみても
根本的に対策したことになりません
そりゃそうですよね
作業者だったミスしよう!と思って
ミスしているわけではないですから
だったらその作業ミスはどうやって
減らしていけばよいのか?
本質的な作業ミスをなくす方法を
今回のテーマにしようと思います
この記事を読み終えるまでのお時間
今回もお付き合いくださいませ
作業ミス=ヒューマンエラーの正体
作業ミスというのはほとんどの場合
人がエラーを起こす事象を指します
ここで重要なのは
本人の意図ではないということです
なので仕事が忙しいから手を抜いた
だるくてやるべきことをしなかった
など人が判断したことは対象外です
そのため作業ミスで言えることは
〇 意図的に犯したものではない
〇 通常は正しく遂行できている
ということが言えます
で、つまりここで言えるのは
エラーはあくまで結果であって
真因ではないということです
ではエラーの真因とは
どのようなことなのでしょうか?
作業ミス=ヒューマンエラーの真因
一般的な作業ミスの真因は
以下の3つだと言われています
真因2:作業ミスを生む作業
真因3:作業ミスを生む設備
これらについてもう少しだけ
補足してみましょう
真因1:作業ミスを生む環境
ヒューマンエラーを生み出すのは
作業環境の不備からの影響が大きい
照明が暗かったり空調が壊れてたり
作業者側の立場に立った作業環境を
整備することが必要とされます
真因2:作業ミスを生む作業
作業そのものがミスを出しやすく
なっていることも多いのが実状です
過度な負荷やそもそも無理のある
作業条件が設定してあったり
訓練不足や意欲が低くなる組織も
その真因に挙がることがあります
真因3:作業ミスを生む設備
作業する設備に関わる真因も
多くの工場に潜んでいます
機械や装置の人間工学的配慮不足
運転や保全に必要な技術的データが
そもそもない場合も問題になります
作業ミス=ヒューマンエラーのよくある原因分析事例
多くの職場で作業ミスを起こす
原因分析の実施事例をまとめると
おおむね以下の原因が出てきます
情報伝達の不備
5Sの不備
設備・機械の不備
工具の不備
レイアウトからくる不備
作業方法そのものの不備
この対策を繰り返した現場感では
エラーの原因の80%は職場環境
純粋に個人に起因するのは20%
つまり多くのエラーの原因は
作業環境の整備・改善を任されている
管理者の責任で起きていると
言ってよい構造が見えてきます
作業者のミスの視点
一方で作業者に
なぜ作業ミスが起きたのか?
その背景事情をヒアリングすると
①単純作業の繰り返し
②行動、思考に変化が無くなる
③「次どうする?」という段取り思考力が低下
④「次も同じだろう」と確認無しで勝手な判断
⑤たまに、いつもと違う製品が流れてきたり、違う作業をするとポカミス発生
などの声をよく聞きます
これってどういうことかと言うと
『集中力は長くつづかない』という
人間の特性を考慮していない結果
エラーが起きているということ
やはりエラーが起きる原因を
そのまま放置しているからこそ
またエラーが起こってしまう
そういう状況だと管理者がしっかり
理解しておく必要がありそうです
人の集中力は20分しか続かないと
一般的には明らかになっているので
15分交代制度の現場もあります
ミスが出ない職場環境、作業手法を
探し続け、改善し続けることが
必要とされるとご理解ください
作業ミスをなくす改善の方向性
ではどのようにして作業ミスを
なくしていけばよいのでしょうか?
それは以下の3つの着眼点を参考に
改善の方向性を実行してください
着眼点2:技能、勘の不要な作業にする
着眼点3:感覚に頼らない作業にする
着眼点1:動作の楽な作業にする
・見にくい
・掴みにくい
・動きにくい
・疲れやすい 等の作業は
作業ミスの原因となります
色分けをして見やすくする
冶工具、製品を持ちやすい形にする
などで動作の楽な作業にして下さい
着眼点2:技能、勘の不要な作業にする
高度な技能や熟練、勘の必要な作業は
冶具を使ったり機械化するなどで
誰でも同じ作業が可能となるよう
工夫したり改善したりします
たとえば新入社員や応援者など
不慣れな作業者でも間違いなく
作業できるように考えていきます
着眼点3:感覚に頼らない作業にする
目や耳、感触など
人間の感覚に頼った作業ってのは
どうしてもミスを起こしやすいです
なのでこれらを少なくするために
冶具化や機械化を検討していきます
自然のチカラを味方につけよう!
これらの着眼点で改善を進めるのに
自然のチカラをうまく使いましょう
具体的には
物理的(邪魔棒)
重力(不良品を自動で落とす)
磁力(固定)
浮力(物理的、水圧)
電力(通電、確認ランプ)
風力(エアーでエラーをはじく)
光(光センサで確認)
バネ(重さエラー)
などを使うということです
これらによって無理なく自然に
ミスを減らせるようになりますので
参考にしてみてください
作業ミスをなくすポカヨケ対策の手順
作業ミスをなくすための対策を
『ポカヨケ対策』とも呼びます
そのポカヨケ対策の手順について
以下に一例を紹介します
プロセス | 内容 |
手順1 | ポカヨケ対策の対象を明確にする
不具合対象の明確化を進めます。 |
手順2 | 目標を決め、実施計画を立てる
目標:不良個数、件数等定量的に。 計画:5W1Hについて。 |
手順3 | ポカミスの原因を追究し、改善案を出す
①あらゆる観点、角度から考える。 ②自分の常識、他人の批判にとらわれず、自由に考えあらゆる角度から検討。 |
手順4 | 改善案を比較評価する
効果、作業性、費用、保全性 |
手順5 | 改善案を実施する
自部署で行なえるもの、他部署へ依頼するものに層別。 |
手順6 | 実施結果を確認する
①確実な効果があるか? ②作業がやりやすくなっているか? ③誰がやっても間違いなくやれるか? ④改善によって他へ悪影響を与えていないか? |
手順7 | 歯止めする
機械、冶具、工具等へ「ポカヨケ」を正式に組み入れる。 作業手順等を標準化し、教育・訓練を行なう。 |
手順8 | 日常管理を徹底する
①管理図によって管理状態にあるかどうかをチェックする。 ②定期的に計測器、機械、設備、ポカヨケ機構を点検する。 |
これらを参考にしながらメンバーで
各職場の最適な進め方を検討して
作業ミスを根絶するための議論を
ぜひスタートさせてください
作業ミスをなくす方法まとめ
さて作業ミスをなくすためには
管理者による作業環境整備が重要だと
ご理解いただけたかと思います
その環境整備は整理・整頓・清掃
まずは3S活動を進めることと
治具化・機械化を進めること
やはり組織的な基礎力と機能強化
これら以外に進化の道はないと
言っても過言ではありません
ぜひお互い磨いていきたいものです
それでは今日はここまでです
今後とも宜しくお付き合い下さい☆
長文乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪
すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために