4.品質問題製造業が今やるべきこと ~ものの品質へのこだわり~
4.品質問題製造業が今やるべきこと ~ものの品質へのこだわり~

今回のコラムも最終回となりました。

「品質問題について考える」シリーズとして、今回で12回目になります。もともとは、自身の経験から「大企業の品質不祥事」について考えることで「品質問題」を深堀りしてきました。

前回は、管理とはなにかなど個別の内容をお伝えしてきました。今回は最終回ということもあり、一番大事だと思っている「こだわり」についてお伝えしていきます。

ISO9000を取得しているのに何故?

ときどき耳にすることもあるかと思いますが、大企業の品質不祥事が続いていることに「ISO9000を取得しているのに何故?」との疑問に持つ方もいますね。

もちろん、最初の登録審査から始まって、年1~2回行われる定期審査(サーベランス)、3年目の更新審査とマネジメントシステムが有効に機能して、継続的改善ができているかのしくみづくりが作られているかを要求されます。

元々、ISO9000取得は取引上必須ということもあって、多くの企業が取得しています。そのような背景で、安易な業績向上を期待してまずは取得、活用はそれからと考えている企業が多いようです。

ISO規格からみれば、導入とほぼ同時期に実効につなげるために改訂を検討し始めており、定期的に改訂版は作成されてきました。改訂を繰り返すことでISOを着実にレベルアップはされてきています。現在では、2015年版が運用されています。

私が、昨年まで勤務していた企業もISO9000(品質マネジメントシステム)やISO14000(環境マネジメントシステム)、IATF16949(自動車産業に特化した品質マネジメントシステム)登録審査を受けて認証されていました。

実際の運用は特定の担当者のみでの対応でした。例えば標準化推進室や担当部署のひとりが精通しているレベルであって、従業員自身が理解して活用するレベルにはありませんでした。このようなお話をあるセミナーで他の企業にも確認したところ同じようなことを言われていました。

勤めていた先の担当者からは、「当事者意識が高くないと浸透はしていかない。こころ折れずにこだわって進めることが重要」ということを良く言っていました。

言われた通りやろう

ISO9000の要求事項のなかにもありますが、教育訓練ということが要求事項にも示されています。教育訓練で良く使われていた手法に「ブラザー・シスター制度」というものがありました。

例えば、自部署に新入社員が入ってきた場合に同じ部署内で年の近い先輩社員が、兄(ブラザー)や姉(シスター)と見立てて新入社員一人ひとりに仕事の進め方・心構えの指導して、業務や社会生活における不安や悩みに対するアドバイスをするものです。通常、1年間を期間として取り組むのですが、これは一定の成果がありました。仕事の呑み込みが早くなり、実践力をつけるには有効でした。

「ブラザー・シスター制度」がなぜうまく機能するのかと考えると、年の近い先輩社員と新入社員が目的を明確にして、目的にフィットした手段が選ばれてきたからで目的指向で考えられてきたからだと思っています。

人が絡み合うことでより有効なシステムに育て上げるためには、手段ありきになると、その目的や効果を考えなくなり、「言われた通りやろう」となっていき機能しなくなります。これを解消するには「目的指向」で考えることでしくみが成り立つのです。

新しい発見があるかもしれない

私は、2回転職をしていますが3つ目の会社では26年9カ月品質管理の部署に勤めていました。その期間のなかで、一度だけ転勤を命じられて大阪の事業所から名古屋の事業所へ行きました。その時のお話をさせていただきます。

会社が、2001年に自動車事業への進出することもあり、名古屋の事業所を新たに設立しました。その時は、私のほかには中堅どころはあまりいなくて、入社1~3年目の若いメンバーがほとんどの組織でした。そこで中部地区の品質を確保(クレーム解決を含む)することを命じられて取り組んでおりました。

そのころに若いメンバーから言われていたことに、顧客からのクレーム解決を進めることは「マイナスからの出発」で、このような仕事はしたくないという不満を聞くことがありました。

この状況で考えたことは、こだわりを持って若いメンバーが持つ悩みと向き合うということでした。メンバーから文句がでれば、必ず「個別面談」を行って相手の意見をよく聞き理解することに努めました。年は離れていましたが、少しずつではありましたが面談を繰り返すことで解消していったように思います。

私の経験より、こだわりを持って進めて行けば、新しい発見があるかもしれないと考え始めたきっかけでもあります。

品質へのこだわり

「品質カイゼン」を考えた時によく使われる手法に「PDCA」があります。PDCAをうまく回すためには、関係している事実を確実に把握して、事実に基づいてサイクルを回していくことにあります。

しかし、全体の事実については一部しか把握できないことがあり判断に迷うことがあります。その時に「品質カイゼン」への目的意識を見失うような悪循環を招くことがあります。この流れを解消するには仕組みとしてできているISO9000の要求事項について取り入れていくことが企業にとって有効なことだと考えます。

ISO9000は、あくまでも「顧客に対する品質確保」に狙いを設定するべきだと思います。企業は、品質へのこだわりを持ってよいものづくりを追求すれば、高効率・高品質につながり、結果として業績も伸びてきます。

しかしながら、直接、業績向上のみを求めてしまいますと、あいまいな判断基準で良品にしたり、検査の手抜きで不良を見逃すなどに走ってしまいがちになります。

多くの会社では、そのために、品質部門は事業部門から切り離し、社長直轄の組織にして、安易な手抜きを防ぐことにこだわります。品質保証は事業部から独立させないと、疑わしきものの出荷に歯止めがかからなくなります。

企業は、安易な業績向上に飛びつかず、品質へのこだわりを持ち続けてすすめるべきである。

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