品質問題とは(1)日本メーカー同士のあいまいな取引慣習
品質問題とは(1)日本メーカー同士のあいまいな取引慣習

皆さん、はじめまして。楠田貴康と申します。
今日から12回のシリーズで「品質問題」についてお話していくことになりました。
ぜひよろしくお願いいたします。

 

「MADE IN JAPAN」

皆さんは、{MADE IN JAPAN」「MADE IN AMERICA」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
これを日本語にしますと、「日本製」「米国製」ということになります。実は、この言葉には品質問題を考えるうえで、大切な言葉が隠されています。それは、「カイゼン」「維持」です。

カイゼンとは、実は英語(KAIZEN)にもなっていることばです。人が集まって提案を出しあって”あーでもない!こーでもない!”と試行錯誤を繰り返しながらチームとしていい方向に対策していくことです。

一方、維持とはものごとを現状のままに持続すること。もちこたえることです。では、なぜ「日本製」「カイゼン」とつながり、「米国製」「維持」となるのでしょうか。それは、取引慣習を確認していくと何となく見えてくるところがあります。

 

日本のあいまいな取引慣習

米国(海外)の商習慣は、「物事をハッキリと伝える」ことです。日本の商談シーンでよく「検討します」「確認を取ります」などの言葉を耳にすることがあります。このようにその場でその人が答えをださずに、やり過ごしてから時間をかけてから考えたのちにあいまいな対応をすることことがよくあります。あいまいな対応は、その人ひとりの言葉ではなくそのメンバーやチーム(小さな集団)が考えた言葉となって応えられているので意見のすり合わせをすることが多いです。

このような日本的商慣習は海外では受け入れられないこともあります。
米国(海外)では、決裁権を持たない人の話はムダと感じるところがあるため、決裁権を持った人がひとり商談の場に立つことがあります。その場で現状決済するケースが多いのが米国(海外)の商習慣です。基準を設けて白黒ハッキリさせることを好みます。日本的感覚では、良いことも悪いこともオブラートに包み「波風立てずに穏便に事を運ぶ」ことが多いです。商談を断る場合でも契約する場合でも、「いったん持ち帰って」と考えるのが通常の対応です。これは、日本は島国の農耕民族であり、米国(海外)は大陸の人遊牧民だから
考え方が違うのが原因だと思うことが良くあります。

 

日本の品質を管理してきた歴史

ここで日本の品質を管理してきた歴史(流れ)を確認しておきましょう。詳しくは、別の機会でじっくりとお話します。

第二次大戦後、統計的品質管理(SQC)を導入しました。これは、戦勝国(GHQ)によって1951年にデミング博士が「品質管理セミナー」を開催されました。「管理図法」「抜き取り検査法」などの「統計的手法」と合わせて、基本的な考え方である「デミングのサイクル(PDCAサイクル)」の話がされたのが始まりです。サンプルデータから母集団の推定など統計的品質管理の基本を学んでいきました。

高度経済成長期に入って、統計的品質管理から全社的品質管理(TQC)へと発展してきました。実は、これが「不良ゼロ」ZD(ゼロ・ディフェクツ(Zero Defects)の頭文字、無欠点運動あるいはZD運動)活動へと進化してきたところです。企業が海外進出するグローバル化が進み、海外での生産が活発化してきました。日本が独自に作り上げた全社的品質管理(TQC)は言葉や文化の壁により海外では生かせなくなってきました。

その後、グローバル化が進むことで「ISO(International Organization for Standardization(国際標準化機構)の略称」規格が導入されてきました。日本では今までの考え方と規格からくる考え方と実質ダブルスンダードを受け入れて対応していかなければならなくなってきました。

 

1から品質を考え直す時が来た

このように日本におけるあいまいな取引慣習が、海外にはまねのできないすり合わせの「MADE IN JAPAN」を作り上げてきたのである。
近年、この「MADE IN JAPAN」にも疑問が持たれるようになりました。これは、従来日本の慣習を受け入れてうまく運用することを考えてきました。ここにきてそれに自信を失ってきたようにも見えます。

私が務めていたころの話です。品質問題を起こした大手鉄鋼メーカーより、伸銅材を購入していました。その企業からは、仕様書記載について大きな見直し対応をしたいとの要請がありました。買い手にとって一番心配しないといけないことは、物が従来から変わらないことが品質をきめる最大の目的です。それをものは変わってもいないのに仕様書規格のみを書き換え変更する対応をさせてくださいとの要請です。

仕様書が書き換われば、製品・ものづくりは変わってきます。つまり、変化点のきっかけを造ってしまいます。いままですり合わせてきて造られた製品に対して、仕様書の規格記載について変更を求めてくる。そこには、今までの製品の安定性重視の考え方と情報管理である規格の整合性からくる考え方、この二つの実質のダブルスタンダードの本質をつかまずに品質保証をすすめている姿があります。

今、まさに1から品質を考え直して対応していくことが必要になってきている時期に来ています。

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