IE手法の7つ道具②稼働分析4ワークサンプリング法の成功ポイント編

IE手法の7つ道具②稼働分析4ワークサンプリング法の成功ポイント編

IE手法7つ道具の中の2つめの稼働分析

その稼働分析の中でとても効果的なのが
ワークサンプリング法です

しかし実はこのワークサンプリング法の
使い方としての成功ポイントがあります!

今回はこの稼働分析を成功させるために
押さえるべきポイントをお話していきます

 

目次

稼働分析の代表手法:ワークサンプリング法のやり方


以前、このワークサンプリング法について
詳しく解説をしているので必要な方は
下記を参照にして思い出してください
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この中でワークサンプリング法のやり方を
5段階に分けて説明しています

【ワークサンプリング法の実施手順】
1.調査目的を明確にする
2.調査項目を分類し、定義する
3.観測期間、回数、時刻、巡回経路を決める
4.観測を実施する
5.結果をまとめる

実はこの5つの手順の中で
ワークサンプリング法での稼働分析の成否は
2.調査項目を分類し、定義する
3.観測期間、回数、時刻、巡回経路を決める
の2つの手順にかかっています

それはどういうことでしょうか?

 

ワークサンプリング法の失敗事例が示す成功ポイント


実はこのワークサンプリング法で一番多い
失敗は計測する前の段階で起こります

『えー?ホントですか?』と聞かれますが
ほとんどの失敗は事前準備が原因です

ではワークサンプリング法の失敗事例の
自己ベスト3を紹介しましょう

【ワークサンプリング法の失敗事例:ベスト3】
◯ 改善案が検討できない作業区分のため再度分析へ
◯ 事前調査にはなかった作業が多く記録不能
◯ 作業者の重複記録や無観測作業も多く再調査へ

 

正直、このワークサンプリング法は
調査した後に、調査前の工程の問題が
発覚することで再計画に戻ることが多い

要するに途中からやり直しになることが
本当に多いのが特徴的なのです

 

ですのでこのワークサンプリング法の
成功ポイントはシンプルに下記の2つ

【ワークサンプリング法の成功ポイント】
1 しっかり調査する
2 ちゃんと調査計画を練り上げる

を挙げさせていただきます

それではそれぞれどのようにすればよいか
説明をしていきましょう!

 

ワークサンプリング法の成功ポイント1:しっかり調査する


これは以前の上大田氏からの指摘のとおり
予備調査に時間をかけるということです

 

稼働分析が終わって改善案件等の段階で
はじめて改善が検討できないことに気づく

これはもう悲劇としか言いようがなく
同時に、精神的にやられます

このワークサンプリング法は意外と
準備に時間と労力がかかるため
それがムダになったショックは大きいです

 

そのため、
『この流れはここにムダがあるかも』
『だとするとこのアプローチはどうか』
『いや、この部分は細かくみてみよう』

など、後の改善案を想像力を働かせながら
作業を区分していくことが最大の対策です

普通、改善案は現状を見える化した後
ECRSや動作経済の原則などを活用しながら
考える時間を取りますが
このワークサンプリング法では
作業区分段階からもう織り込むことが
ベターだということです

 

ワークサンプリング法の成功ポイント2:ちゃんと調査計画を練り上げる


調査計画とは具体的には、観測期間や回数
時刻、巡回経路などを決めることです

もう少し具体的に説明していきましょう!

観測期間を決める


観測期間はもちろん
分析対象の状態の変動サイクルや
分析目的によって決めることです

 

例えばなのですが
1週間サイクルで生産している職場で
すべての変化を捉えるのであれば
やはり1週間の観測期間が必要となります

一方で設備のチョコ停の現状を知る目的で
どんな製品でも比率が一定だろうなと
予測できるなら1日でも十分でしょうし

逆に月サイクルで業務が変動する作業なら
1ヶ月の観測期間が望ましくなります
例えば経理業務なんかはそんな感じです

 

回数を決める


ワークサンプリング法では観測回数は
多ければ多いほど精度は高くなります

でもロスの見える化目的であれば
ある程度の精度でよいことを前提に
下記のような決め方が一般的です

N=(1-P)×4 ÷ (Sの2乗 × P)

N=観測数
S=希望する精度(相対誤差)
P=推定発生比率

ここでのS=希望する精度は±10%
『ある程度の精度』の統計的な表現です
そういうものだと当てはめてください

そして、P=推定発生比率とありますが
少なくてもいいので予備観測を実施して
全体の中での発生比率を計算します

具体的には、作業A、B、Cなどを決めて
予備観測をしたら全体の発生数が100回
そして作業Aが40回発生したら
発生比率は40%となるということです

この例ですと当てはめて計算すると
N=600回という結果になります

 

そして全観測数を『n』とした場合

観測数n=観測対象数×1日の観測回数×日数×観測者数

と表わされますので、もう具体的に
各項目を決定して実行可能な状態に
していただくことが大切です

 

時刻を決める


これはランダム時刻表なるツールを
使うことが多いですが
これが特殊で結構扱いづらいです

これはもうこの時代
エクセルの乱数関数で
決めていけばいいと思います

 

いずれにせよ
ランダムに観測することで
信頼性を確保しましょう

 

巡回経路を決める


普通は1人で観測対象を数十点受け持って
観測することが多いため巡回経路を
あらかじめて決めて混乱がないように
しておくことが大切です

その時、巡回経路は何種類か用意して
ランダムに選んで観測を実施して
データに偏りが起きないよう工夫します

 

稼働分析:ワークサンプリング法の成功ポイント編まとめ


このワークサンプリング法は
本当に職場の効率性を見える化できます

この稼働分析によって改善を進めれば
だいぶ職場をスリム化することが可能です

 

何度も同じ提案なのですが
この分析手法を理解したところで
何の意味もありません

ぜひ、自職場で試してください

 

結果、やはりポイントを外して
悔しい想いもするかもしれません

しかし理想的な収益性を競合と比べて
高めるためには、こういった挑戦は
必ず必要であることをご理解いただければ
また一歩歩を進めることが可能となります

ぜひお試しくださいませ。

 

 

それでは今日はここまでです
今後とも宜しくお付き合いください☆

長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

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この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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