前回はバリューエンジニアリング
つまりVE手法を簡単に紹介しました
VE提案=原価節減案を考えるには
やはりそれなりの基本ステップを
しっかり学習する必要があります
そこでVE提案シリーズとして
VE提案をつくる3ステップうち
最初のステップ:機能定義について
詳しく説明をしていきます
今回は読み終える時間まで
お付き合いをお願いします
VE提案をつくる3ステップについて
まずVE提案をつくりためには
以前の記事で3つのステップを
進める手順を紹介しました
【詳しくはこちらをご参考下さい】
その3ステップは抜粋すると
以下のとおりです
ステップ2:機能を評価する
ステップ3:代替案を作成する
今回はこの中で
『ステップ1:機能を定義する』を
対象とします
ステップ1:機能を定義する
このステップを詳しく説明するため
3つのプロセスにわけて解説します
プロセス2:機能定義
プロセス3:機能整理
ではさっそくお話を進めていきます
プロセス1:VE対象の情報収集
まず必要となるのが
VE提案する商品やサービスの
情報収集活動です
やっぱり対象とする
商品・サービスのことを
よく知る必要はありますよね
またこれら収集した情報によって
チームメンバーの知見レベルを
合わせていく目的もあります
ただし以下の6つの原則があるので
意識をしていただきたいと思います
原則2:収集する情報の質と量の明確化
原則3:情報源の選定
原則4:情報収集時間の明確化
原則5:情報収集方法の選定
原則6:情報収集担当者の選定
ま、原則と言うとすごそうですけど
情報収集ってやりはじめると
いつまでも時間がかかっちゃうので
どれだけ収集するのか決めておく
ってことです
そうしてしっかりと以下の4手順で
進めていくことをお勧めしています
手順2:情報収集計画の立案
手順3:情報収集活動の実施
手順4:収集した情報の整理
そうやってVE対象における
情報収集が進みましたら
次のプロセスに進めましょう
プロセス2:機能定義
このステップのメインプロセスが
この機能定義になります
しかしそもそも機能って
どういう意味なのか?について
改めて再確認しておきます
機能とは何か?
ではさっそく辞書検索です
機能(読み方)きのう[名](スル)
ある物が本来備えている働き。全体を構成する個々の部分が果たしている固有の役割。また、そうした働きをなすこと。「心臓の機能」「言語の機能」「正常に機能する」
出典 デジタル大辞泉/小学館 より
これはわかりやすいですよね
商品やサービスが
果たしている役割のことです
たとえばごみ箱だと
ゴミの散乱を防ぐ役割
ゴミをためる役割
ボールペンだと
情報を記録する役割
インクを出す役割
とも言えそうです
機能定義の目的
この機能定義をする目的は
以下の4つと言われています
①機能を明確にする
②機能を評価する
③アイデアを出す
④代替案を評価する
これってもうVE提案ステップ
ほぼそのものですよね
それくらい重要だという認識が
ちょうどいい解釈だと思います
機能の表現方法
実はVE提案ステップにおいては
『機能』を簡単な2語で表現します
[名詞]+[動詞]です
たとえばゴミ箱の機能を考えると
発生したごみを1か所にためるので
[名詞:ごみ]を[動詞:ためる]
と表現します
この2語で表現することによって
複数の機能を同時に表現できない
ようになることが狙いのひとつ
分析する時にはとても有効ですよね
また他にアイデア発想時には
キーワードの組み合わせとして
取り扱えるようになるので便利です
名詞の表現方法の注意点
ですがここで注意点があります
名詞部分は、原則として
開園対象に含まれる固有名詞は避け
抽象的かつ定量化できる表現が
推奨されています
たとえばボンネットストッパーなら
『ボンネットを支える』と具体的に
表現してしまうと思いますがここは
『重量を支える』と抽象的な表現が
望ましいということです
なぜならボンネットを支える機能を
イメージして分析したり代替案を
検討したりするとどうしても
ボンネットから離れられないからです
それだったらいっそのこと
重量を支える機能である方が
柔軟に考えられますよね
動詞の表現方法の注意点
動詞部分もアイデアが広げやすい様
原則として自動詞より他動詞を
選んでいただくことをお勧めします
たとえば
[自動詞:力が伝わる]機能より
[他動詞:力を伝える]機能
[自動詞:液が出る]機能より
[他動詞:液を出す]機能
[自動詞:紙が切れる]機能より
[他動詞:紙を切る]機能、が
より限定されませんよね
方法より機能を表現する
最後の注意点は方法ではなく
機能を表現するということです
よく間違えやすいので
以下を比較してみてください
方法:銘板を取り付ける
機能:社名を表示する
方法:ボルトを取り付ける
機能:位置を固定する
方法:メッキをする
機能:錆を防ぐ、見栄えを保つ
方法:スイッチを切る
機能:電源を断つ
機能の定義シートを完成させる
VE対象の機能を定義するために
適当な大きさの構成要素に分けます
たとえば部品やアセンブリ単位が
わかりやすいですよね
その構成要素ごとにそれらが
果たしている機能を
[名詞]+[動詞]を使って
定義していきます
また存在する場合、制約条件も付加
そしてそれぞれをまとめた
「機能の定義シート」を完成させます
プロセス3:機能整理
プロセス2で機能が定義できたら
それらを整理していきます
その目的は以下のとおりです
①VE対象の果たすべき機能の明確化
②機能分野を明らかにする
③設計の考え方を理解する
④機能の定義の適切さを確認する
プロセス3で展開した機能をさらに
深掘りしていくわけですよね
機能の整理方法
VE手法ではこの機能整理をするのに
系統図法を使用します
【系統図法の詳しい情報はこちら】
これを機能系統図と呼びます
定義した機能を目的と手段の関係で
相互の従属関係を体系付けします
原価節減を考える3ステップ①機能定義についてまとめ
VE手法を進める1ステップ目
『機能を定義する』プロセスを
少し簡単に紹介しました
まずは分解して広げてみて
より深く解釈して見える化する
VEもIEも問題を見える化する過程は
後に影響を残すため重要ですので
丁寧に進めたいところです
次はいよいよ定義した機能を
評価していくステップを解説します
それでは今日はここまでです
今後とも宜しくお付き合い下さい☆
長文乱文を最後まで読んでくださり
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