IE7つ道具の作業分析(動作分析)
その活用手段として代表的なPTS法
その中でも特にWF法は有効です
ですがその使い方を知らずに
活用されていない現場がほとんど
それは本当にもったいない話です
そこで今回はPTS法のWF法について
皆さまが実際に使い方を知って
標準作業を実現していただきたい
そう考えてお話を進めてまいります
今回もしばらくお付き合いのほど
よろしくお願いいたします
PTS法のWF法とはなにか?
PTS法については以前の記事で
認識を深めていただければ幸いです
要約しますとWF法とは
Work Factor analysis
文字通りワーキングファクター
つまり作業の要素を分析して
標準時間を設定する方法です
その作業要素として次の4つを
分析の対象と置いています
(2)運動距離
(3)重量または抵抗
(4)動作の困難性(注意、方向の調節、方向の変更、一定の停止)
この4つの要素を分析したうえで
予め決まっている動作時間標準表から
標準時間をあてはめていくことで
作業全体の標準時間を設定します
どうして?PTS法のWF法が重宝される理由
一般的にストップウォッチで測って
設定する標準時間はやはり偏ります
そりゃそうなんです
実際に行っている作業を計測して
それを標準時間とするわけですから
自社基準になるのは仕方がないです
ですがPTS法に定義される
作業・動作に基づく標準時間なら
世界標準的に『こうあるべき』って
慣れれば誰でも算出できるわけです
すごいことですよね!
その中のWF法は4つの作業要素を
分析の対象と置いています
(1)身体の各部位
(2)運動距離
(3)重量または抵抗
(4)動作の困難性
ようするに作業時間のすべては
この4つの要因で確定できる
この考え方がWF法の基本概念です
ま、ちょっと乱暴に思うかもですが
これが様々な職場に適応させるのに
ちょうどよい使い勝手なんです
WF法の基本的な使い方
それではWF法の基本的な使い方を
紹介していきましょう
WF法の分析ステップは以下のとおり
[STEP2]時間標準表からWFUを読む
たとえば分析作業を
『1.0Kgの部品を取るために
腕を35cm伸ばす』を対象として
分析を進めてみましょう
[STEP1]作業をWF記号で表現する
まずはWF記号と言うWF独特な基準で
対象の作業を表現してみます
(1)身体の各部位
これは対象作業がどの身体の
部分を使うか?を記号で表します
その記号の一覧は以下のとおり
手:H
前腕旋回:FS
腕:A
胴:T
脚:L
足:FT
今回は「腕」を使うのでAですね
なのでWF記号の最初はAとなります
逆に言えばWF記号の最初を見れば
どの部位を使っているかわかる表現
ということになります
(2)運動距離
そして今回は「35cm伸ばす」と
なっていますので、このcm単位の
数字部分を表現します
続けて表現すると
「A35」となります
これは腕を35cm動かすことを
表していることはお分かりでしょう
(3)重量または抵抗
この「重量はまたは抵抗」は
すみません
「部品を取るため腕を伸ばすだけ」
なのでここは重量または抵抗はなく
今回の場合は記号に入れません
ただし取って戻す動作の場合は
重量または抵抗があるため
「W」を付け加えます
しかもその重さによって
ワークファクター1個分は「W」
ワークファクター2個分は「WW」
ワークファクター3個分は「WWW」
というように増やしていきます
どう増やすのかは後述する
WF動作時間標準表をを参照ください
そういうものだと思って下さい
(4)動作の困難性
そしてこの項目では動作の困難性を
以下の4項目で
その記号の一覧は以下のとおり
方向の調節が必要:S
方向の変更が必要:U
一定の停止が必要:D
「部品をとる」ためには動作を
一旦止める必要があるため「D」が
表現に必要となります
そのため続けて表現すると
「A35D」となります
簡単ですよね
では次はその記号を元に
WF時間標準表から数値を拾っていく
作業に移ります
[STEP2]時間標準表からWFUを読む
では上記のWF動作時間標準表を
見ていただきたいと思います
今回は腕を使う作業なので実は
上表は腕A用のWF動作時間標準表を
表示しています
このWF動作時間標準表は
動かす身体部位ごとに用意されてて
今回は「腕」なので、その標準表を
閲覧して確認していきます
つまりWF記号の最初の記号に合った
標準表を参考にするということです
そしてこの表の一番左の動作距離
35cm=350mmの行を参照します
つまり「343~367」です
そしてWF記号の「A35D」の
ワークファクターの数に着目します
つまりA=腕を35cm動かす以外の
ワークファクター数はDの1つのみ
そのためその「1」の列を参照して
「69」という数値を拾ってきます
この数値の単位は
WFU = Work Fuctor Unitsといい
WF法独自の時間表現方法で
10,000分の1分を表します
つまりWF記号:A35Dは69WFU
0.414秒
(= 69WFU ÷ 10,000 × 60秒/分)
が世界標準的な標準作業時間だと
いうことになります
面白いですよね!
このように細かく見ていくと
皆さまが実施している作業の
世界標準時間が算定できます
でも実際には片手で作業することは
ほとんどないので、一般的には
以下のような分析を進めていきます
WF法の基本的な使い方
ここで左手、右手にわけて
分析を進めていきます
その作業は以下のとおり
①腕を15cm伸ばす
②1KGの箱を持つ
③箱を台の上に置く
【右手作業】
①腕を12cm伸ばす
②0.5KGの製品を持つ
③製品を箱の上に置く
こういった作業はよくありますよね
左手で箱をもってくると同時に
右手で製品をとって箱に入れます
これをまずWF記号で表現しましょう
まずは左手から
①腕を15cm伸ばす
左手①は腕を15cm伸ばすのでA15
そして腕を意識的に止めるため
Dを付け加えて「A15D」ですね
この記号から表を参照すると
47WFUとなります
②1KGの箱を持つ
同様に②は箱をつかむ
つまり指を使うためF
つかむ距離を3cmとしてF3
さらに1KGの箱なので
指F用のWF動作時間標準表の
一番下の重量表から読み取って
作業者が男子として
ワーキングファクター1個分「W」
つまり②のWF記号は「F3W」です
これを指F用のWF動作時間標準表に
照らし合わせてみると数値は23
③製品を箱の上に置く
さらに③は台まで持ってく腕はA
移動距離は15cmなのでA15
そして腕AのWF動作時間標準表から
重さ1KGはワーキングファクター1
なので、A15W
さらに置くためには停止を含むため
「A15WD」となります
これを腕AのWF動作時間標準表から
WDとワーキングファクター2つで
60WFUとなります
右手も同様に積算していくと
以下の表のようになります
こうやってそれぞれに同時に動く
身体部位の動きを分析して
時間値:WFUの多い数値を
標準時間と置くことが一般的です
どうでしょう?
だいぶご理解が進んだでしょうか
PTS法のWF法とは?まとめ
このPTS法はWF動作時間標準表を
参照しながら時間値を求めますが
実はこのWF動作時間標準表が一般に
出回っていないのが難点です
そのため古本屋や図書館をめぐって
1960年代の書籍を探す必要が
あるのはちょっと面倒なのが
正直なところです
そのためこの製造部 SEIZO-BUでは
スマホを使って動画撮影で
ベストな作業標準を全員で考える
そんな設定方法を推奨しています
ぜひ参考にしてみてください
それでは今日はここまでです
今後とも宜しくお付き合い下さい☆
長文乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪
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