『3s活動は効果的ではでない』
『3sより他の有効な手段を選ぶ』
『効果的な3sなんてあるはずない』
様々なご意見はあって良いと思います
ですが3S活動にしっかり取り組んだ
一部の会社しか知らない事実が
現実に存在することを
この記事を読んでいるあなたに
知っていただきたいのです
だってこんなにシンプルに
組織力を高めることができる方法は
他には思いつきません
それほど凄まじいパワーを
秘めているのに活用しない会社は
正直もったいな、と
多くの現場を支援してきた西本は
そう思わず感じてしまいます
そのためここに改めまして
3s活動の効果とその進め方について
解説をしてまいりたいと思います
今回もしばらくお付き合いください
事業運営の求められる活動
まず事業運営に必要とされる活動は
大きく以下の3つだと言えます
活動2:経費の極小化
活動3:人的パワーの最大化
それぞれどういうことか
もう少し詳しくお話しましょう
活動1:提供価値=売上の極大化
事業というのは社会=市場=顧客に
価値を提供することが基本です
そしてその価値の対価として
我々は貨幣、つまり売上を
獲得することができる構図です
これってつまり
価値を生み出せなくなると
それに比例して売上も減少して
いよいよ存続できるかどうか
難しい状況に陥ることを意味します
なので売上っていう数値そのものは
提供した価値を金額換算したもの
だからこそこの提供価値=売上の
極大化を目指していくというのは
一つ目に重要な活動です
ま、ここは皆さまもよく
おわかりのところですよね
活動2:経費の極小化(=利益の極大化)
次はその価値を提供するのに
かける経費を極小化していきます
同じ価値をつくるのに
ムダな経費が大きかったり
あるいは価値をつくる以外に
経費をつかったりすることをしない
この当たり前に徹底することで
利益の創出を図る活動は大切です
なぜならこの利益創出そのものが
自職場の存続パワーであるからです
利益を生み出せない事業はやがて
資金足りなくなって続けられません
どれだけ良い価値を提供しても
利益が出すことができなければ
事業は続けられないですよね
だからこそ経費節減は我々に必要な
2つ目の大きな活動です
ですが中小製造業はこの活動に
あまり積極的でないことが多いです
なので真面目に取り組めば
しっかり利益は出るようになります
活動3:人的パワーの最大化
事業にはたくさんのヒトが働いて
はじめて成り立っていることは
誰がみても明らかですよね
ですがそのチームメンバーは
一人ひとり価値観と個性が違います
だからこそ本人たちにまかせれば
それぞれ勝手に自分の正しさを信じ
それぞれ良かれと思う仕事をします
ですがそれだと各プレイヤーが
それぞれ違うゴールを持っている
サッカーゲームのようになって
なにをやっているんだかわからない
そんな状況になってしまいますよね
だからこそしっかりゴールを設定し
チームの戦い方を話し合って決めて
相談しながら全員の個性を生かして
全体のパフォーマンスを上げていく
そのための活動が重要なわけです
3つの活動の関係
これら3つの活動はとても
密接にかかわっているため
どの活動も重要となります
特に
活動1:提供価値の極大化
活動2:経費の極小化 は
同じ事業損益にかかわる方向なので
ストーリーとしてくくることが可能
STEP1:提供価値の極大化
STEP2:経費の極小化 と言っても
そんなに違和感がありませんよね
しかし
活動3:人的パワーの最大化 は
他の2活動を後押しする原動力
いわば世界が違う表と裏
裏のパワーが上がれば
表のパワーも上がる的な
表裏一体の関係性があると言えます
なんですがこの裏の部分の筋力を
鍛えている会社って少ないんですよ
だからこそこの部分を鍛えに鍛える
3s活動が効果絶大なんだってこと
やったことがある会社しか
知らないことなんです
どういうことか
3s活動の真の効果とその経済的効果
3S活動に真面目に取り組んだ企業は
やはりそのパワーを生かしています
一方で3S活動を美化運動だと思って
取り組めば続けられずに苦しみます
その違いは先ほど解説した
3活動を強化する対策機能として
3s活動を生かしたかどうかなんです
もう少し詳しく説明していきます
3s活動の真の効果
3s活動を実際に徹底している会社は
実際に以下のメリットを挙げます
効果2:チームでの改善能力向上
効果3:個人の問題意識も高まる
実はこの3つの効果が凄まじい
組織パワーを生み出せるのです
効果1:改善が当たり前にできる
3s活動は整理・整頓・清掃という
れっきとした職場改善です
そのため3s活動が続く職場は
日常的に問題点を見つけて
それをしっかり改善するとともに
良い状況をキープするための
しくみ化ができている状態です
そりゃ、強い組織になりますよね
そういった状態に組織をチームを
進化させることができるのが
3s活動の1つ目の効果と言えます
効果2:チームでの改善能力向上
そういった状態にするためにはまず
チーム全体で取り組んでいきます
個人の気づきには限界がありますが
『三人集まれば文殊の知恵』
人数分の視点の多さを味方にします
そういった視野を広げたうえで
取り組むことを優先順位をつけて
何を、どのように、いつ、だれが
取り組むのかプランを決めて
そのとおり改善を実行していきます
全員で気づいて全員で考え
全員で改善する
まさにチームでのPDCAを回す
訓練ができるわけです
これが定着した組織が
弱いわけはありませんよね
効果3:個人の問題意識も高まる
そんなチーム運営クオリティが
高まれば高まることに比例して
関わる個人の意識が高まります
メンバーも多種多様な価値観を持ち
経歴も問題意識も仕事への姿勢も
バラバラなことが多いですが
チームで一緒に考えて進めるうち
『あのヒトはこう考えているのか』
『自分ではこんな発想はなかった』
『専門的にはそう見るべきなのか』
など、広い視野と知識を習得でき
個人の問題意識と対応レベルが
どんどん高まっていきます
そりゃ全員の得意分野を横から見て
参考にしながら学習できるわけです
しかもそれを試す機会も
自分が挑戦・貢献できる機会も
目の前にあるわけですから
なおさらですよね
そりゃ自己成長の機会として
こんなに素晴らしい環境は
なかなか作れないと思います
3s活動の経済的効果
では結局、事業運営の3活動のうち
人的パフォーマンスの最大化に
大きく貢献できる3s活動が
どんな経済的効果を生み出すのか
大きく以下の3つの経済的効果を
あげている会社が多いです
効果2:ムダの撤廃で経費節減
効果3:改善力の活用で課題解決
効果1:工場見学でイメージアップ
工場がピカピカになったら必ず
工場見学を企画してほしいです
と、いうか3s活動の維持継続を
検討する段階でこういった発想は
改善策のひとつとして出るハズです
それを実際に実行する会社は多い
そうすると不思議なもので
しっかり取り組んでいる会社は
意外に見学者から褒められることが
多いそうなんですよ
そりゃそうですよね
同じ業界の工場と比べれば
改善に取り組んでいるところと
まったくやってないところとでは
ビジュアル的に大きく違いが出ます
で、これが新たな引き合いに
つながってくることが多いです
これだけやるべきことを
当たり前のことを
しっかり真面目に取り組む会社なら
自分たちの期待にも応えてくれる
そんな『信頼』を生み出す
大きな根拠になるわけです
そりゃ文句のつけようなんかない
素晴らしいですよね
効果2:ムダの撤廃で経費節減
整理・整頓・清掃の3つの活動で
『整頓』は基本的にムダ排除が目的
そうすると3S活動が進むことで
圧倒的に『探す』というムダが
自然となくなっていきます
『探す』作業って実は
前段取りの意味合いが高いせいか
あんまりムダな意識を持たないです
そのため改めて調べてみると
全体業務における1割くらい
占めている工場って結構ありました
それが半分になるだけで
労務費が5%省力できるので
結構即効性と持続性があるわけです
5%は大きいですよね
効果3:改善力の活用で課題解決
3s活動で最終的に培われるのは
個人の意識と組織での改善力です
それがなければ活動は継続しないし
素晴らしい効果も得られません
その高まった改善力を生かして
それぞれの会社が持つ大きな課題を
一つひとつ丁寧に解決していけば
その経済的効果もとても高まります
そりゃそうですよね
3S活動で育て上げたパワーを
しっかり狙って使い切るわけなので
もうどうころんでも
強い会社に成長してしまいます
では次は実際に経済的効果を
手にした事例を以下の3つについて
紹介していきましょう
複数購買を進めたA社
資本金:1000万円
従業員:6名
売上高:約3億3千万円
営業利益率:約8%
当社が購入している非鉄金属材料は
創業当時から1社から購入しており
長年の取引実績による信頼から
ほぼ言い値での取引をしていました
しかし社内で改善活動を開始し
材料比率が高いことがわかり
対策の検討チームを発足しました
そこで調査を進めてみると
ある主要材料の取引価格が
素材の相場と連動していないため
その理由を取引先に問い合わせたが
納得のいく回答が得られなかった
そこでもう一社近場で取引先を
探して取引を開始してその事実を
元の取引先に伝えたわけです
ま、実際に発注シフトしたのは
1割程度であるものの、これで
見積もり合わせができるようになり
年間2%程度の原価低減の獲得です
これは個人でなくチームでやるから
問題を見つけて取り組めた事情も
内部的な課題としてあったようです
良品率の向上
資本金:3000万円
従業員:31名
売上高:約6億1千万円
営業利益率:約2%
これまで品質管理は専門部署だけで
不具合発生時の対策検討だけだった
しかし2%程度のスリキズ不良が継続
全工程から代表者を出して特別に
チームを編成することにしました
メンバーであつまって
思いつく要因を1つひとつ対策して
発生率を1/4まで減少させたことで
品質クレームが減少しただけでなく
利益率を0.7%改善できたようです
そのチームは継続して
打痕キズ不良も半減化に成功させ
合わせて1.1%も改善効果を創出
素晴らしい成果だと思います
加工時間短縮
資本金:300万円
従業員:132名
売上高:約15億円
営業利益率:約11%
この会社の生産は手作業が多く
作業者によって品質にばらつきあり
その適正化のために対策活動を開始
まずは動画で作業を撮影して
各作業者の作業ごとの動作時間を
細かく測定してみたのです
それによりそれぞれ最適化を繰返し
バラバラだった手順を全員で検討し
最適化を進めることに成功
また全体のラインバランスを
できるだけ調整することによって
同じ勤務時間で15.8%の生産能力を
増強することができました
すごい結果ですよね!
結果的にこの活動の経済的効果は
営業利益を約2.9%向上させることに
貢献したとのことでした
3s活動の真の効果とその経済的効果まとめ
ただの美化運動だと捉えたなら
もったいないと思う理由が皆様にも
ご理解いただけたでしょうか
でも不思議なことですが
どのような目的に活動を導入するか
関わる従業員全員に理解を促せば
自然とそのように動き始めるのが
ヒトという生き物です
もちろんその前提は信頼関係です
会社の将来のこと
市場から求められていること
自分たちは何をすべきか、などなど
従業員と話し合ってみる機会が
まずは大切であることを
改めてお伝えしておきたいと思います
それでは今日はここまでです
今後とも宜しくお付き合い下さい☆
長文乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪
すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために