IE手法7つ道具③工程分析の類似工程分析で経路を整理しよう編

IE手法7つ道具③工程分析の類似工程分析で経路を整理しよう編

IE手法7つ道具の中の工程分析

工程分析の種類もいくつか存在しますが
比較的簡単に活用できる分析手法である
『類似工程分析』について紹介します

 

工程分析の中でも手軽に活用できるのが
特徴の『類似工程分析』

それはいったどんな分析手法なのか?
今回はそんなお話です

 

類似工程分析とは?

類似工程分析とは、経路分析とも言われ
品種ごとに流れる工程の経路を調べ
いくつかの類似工程の系列グループに
分類する方法です

工程分析手法のほとんどは
1つの製品の流れを追いかける手法ですが
この類似工程分析は唯一性格が違います

 

工場の中にはいろいろな製品が
いろいろな工程を流れています

この製品の流れを上手に整理して
類似する工程をグループ分けすることで
改善の対象を探したり着眼点を得たり
するための分析手法です

 

類似工程分析の目的

目的は大きく3つあります

改善の重点品種グループを絞り込む

色んな種類の製品が色んな工程を通ってて
P-Q分析やP-MH分析で表現しても
何万もの品種があると上位何百もの製品を
絞り込んでいってもどうすりゃいいの?
ってことになると思います

 

そこで、似た工程を通るものは
ひとつの類似した品種ということで
一旦グルーピングをしてみましょうと

そのうえでP-MH分析で絞り込むと
多くの改善対象をひとまとめにできます

そんな使い方をするのが目的のひとつ

 

各工程の負荷量の把握

色んな種類の製品が色んな工程を通ってて
各工程から見た時に色んな製品が
色んな数量で入っていきます

そんな状況下でそれぞれの工程の負荷量を
整理していきたい時に
この類似工程分析がとても役に立ちます

 

レイアウト検討の基礎データ

まずはどんな経路で動いているのか?
そしてどれだけの量がその経路を通るか?

そんな各工程間の運搬料を把握し
レイアウト変更などの基礎データとして
活用することができます

 

類似工程分析の進め方

IE手法7つ道具③工程分析の類似工程分析で経路を整理しよう編

類似工程分析の分析事例を示します
これによって製品の流れとボリュームを
同時に見える化できます

ちなみに製品①、②、③をグループAに
製品④、⑤をグループBに
あとは製品⑥、⑦をそれぞれC、Dと
経路のカタチをまとめています

分析のタイトルどおり
類似している工程の流れを
分析する手法なんです

 

それではこの表をどのように
作図していくのでしょうか?

類似工程分析の進め方は以下の通り
解説してまいります

【類似工程分析の進め方】
①表を描く
②加工箇所の記入
③加工記号の線をつなぐ
④グルーピングする

それでは1つずつ見ていきましょう

①表を描く

まずは縦欄に品種、横欄に工程名を記入し
類似分析が可能な表を作成します

工程数が少ない場合は縦横逆にするほうが
見やすくなることがありますので
適宜ご検討ください

この上に色々と情報を加えて参ります

 

②加工箇所の記入

各品種ごとに、通過する工程の加工箇所に
加工記号(◯)を記入していきます

このことにより
どの品種がどの工程を通るかが
はっきり見えるようになります

 

③加工記号の線をつなぐ

記入した加工記号を、加工する順に
線でつないでいきます

①で工程名を記入する時は
この線がなるべく逆行しないように
配慮しておくと後で分析がし易くなるので
注意してみてください

 

④グルーピングする

類似する工程系列の品種を
グルーピングします

分析表を品種ごとに短冊状に切って
並べ替えることでグルーピングができます
あるいはエクセルなどで共有しながら
関係者でグルーピングを進めても良いです

 

類似工程分析の事例:工程毎の負荷割合を把握

IE手法7つ道具③工程分析の類似工程分析で経路を整理しよう編

類似工程分析(例)

 

習うより慣れろってわけではありませんが
早速、上記の類似工程分析をご覧ください

製品の数が少なく、設備数も少ないので
縦横を逆にしています

 

グルーピングする観点で言えば
BとCは最後は違うけれどよく似てるので
同じグループにしよう、だとか

そして上記では計算してませんが
そのグループの生産量を合計して
グループのボリュームも表現できます

 

で、この生産量としては
プレス①はBとCとDの製品が通るため
1,000+1,500+500=3,000となり
その数字を記入していく

そうすると生産能力に対する
実際の生産量を比べることが可能なうえ
そして負荷の割合も見えるようになります

 

類似工程分析で経路を整理しよう編

さて、この類似工程分析

レイアウト分析の前などでサクサクっと
手軽に分析が可能な手法です

皆さまの工程はどのように負荷バランスか
全体をざっくりと把握する時に
ぜひご活用ください

 

 

それでは今回はここまでです
今後ともよろしくお付き合いくださいませ☆

長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

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この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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