時間分析とは?ストップウォッチ法とPTS法の違いを知って使い分けよう!

間分析とは?ストップウォッチ法とPTS法の違いを知って使い分けよう!

IE7つ道具について多くの解説を
続けてまいりましたがIE手法には
『時間分析』という分野も存在します

しかしこの『時間分析』という道具は
IE7つ道具には出てこない一方で
考え方は非常に重要な部分です

そこで今回は7つ道具には出てこない
『時間分析』とはどんなものか?

今回はそれを説明していきましょう

 

時間分析とは何か?

時間分析をインターネットで
検索してみると以下のような
記述を見つけることができます

【時間分析とは】
時間分析とは、ある作業を細かな要素作業、または単位作業に分け、それらの時間値を観測、記録し、分析することで、作業方法、作業条件、作業環境を検討し、改善につなげる手法ということができます。

ある対象の作業を細かく区分し
それらの時間を観測・記録して
分析することを指します

そこのことによって
作業方法、作業条件、作業環境などを
最適化することが狙いだということ

それってどこかで聞いたことがあると
思いませんか?

そうなんです!

IE7つ道具で挙げた1つ目のツール
タイムスタディ(時間研究)のことを
指しているんです

 

IE7つ道具のタイムスタディ(時間研究)について

IE7つ道具の時間研究については
以前に説明をしていますので
詳しくは以下を参考にしてみて下さい

[getpost id=”2440″]

タイムスタディ(時間研究)は
以下のプロセスで実施していきます

【タイムスタディ(時間研究)の進め方】
STEP1:対象作業の区分
STEP2:標準時間の設定(観測・検討)
STEP3:改善案の検討

もう少し詳しく説明してみましょう

 

STEP1:対象作業の区分

まずは対象作業を決定して
その作業を細かく区分していきます

細かくとは言っても計測可能な
単位にすることが必要です

基本的には2~3秒程度までと
ご理解ください

この区分はまずは最新の作業手順書や
品質資料など関連する資料はもちろん
実際に作業する担当者と一緒に
現実に行っている作業を整理します

実はこれだけでも成果が出てきます

意外ですが作業者間でも、いや
同じ担当者でも状況によって
作業手順がバラバラなことが
多いためです

そうやってまずは
標準的な作業手順をまとめていきます

これがまず実行ステップの
1つ目のプロセスとなります

 

STEP2:標準時間の設定(観測・検討)

2つ目のステップは区分した作業の
標準時間を設定していきます

この設定方法には2つの方法があります

【標準時間の2つの設定方法】
方法1:ストップウォッチ法
方法2:PTS法

 
この2つの方法は対照的で
前者は直接計測して決定していく一方
後者は経験的な統計値を当てはめて
決定していく方法です

詳しくは後に説明を譲りますが
このステップによって標準時間が
決定されることになります

 

STEP3:改善案の検討

ステップ1と2によって
区分した作業毎の標準時間が
設定されていますはずです

そのことによって作業方法、
作業条件、作業環境、作業手順など
見直せる部分はないか細かく見ます

特に時間を多くかかっている箇所の
短縮ができないかどうか?など
ECRSの切り口で改善案を検討します

ECRSについては以下を参考ください

[getpost id=”279″]

では、STEP2で説明した標準時間の
2つの設定方法についてお話して
まいりましょう!

 

ストップウォッチ法とは?

まずは直接観測する方法です

手順は以下のとおり

【ストップウォッチ法の3ステップ】
STEP1:作業を観測・記録する
STEP2:正味作業時間を決定する
STEP3:標準時間を設定する

ではもう少し詳しく説明してまいります

 

STEP1:作業を観測・記録する

この観測方法にも2つあって
ずーと連続して記録していく
連続観測法と呼ばれる方法と
細かくした要素作業毎に
ストップウォッチを開始・終了を
計測していく反復観測法です

前者は計測時間が短くなる一方
どうしても精度が低くなる特徴があり
後者は精度が高くなるものの
どうしても計測に時間がかかります

そのため近年ではスマートフォンや
デジタルビデオカメラなどを活用して
時間を同時に録画するなどして
再生しながら計測する方法が主流と
なってきました

とても便利な時代となりました

 

STEP2:正味作業時間を決定する

観測が終わりましたら次は
レイティングを実施して
正味作業時間を決定します

ステップ1で計測した時間値は
作業者の熟練や努力、作業条件などに
大きく影響されてしまいます

熟練、努力、作業条件、安定度の
4つを作業速度の変動要因として捉え
それぞれ6段階に評価することで
レイティング係数を決定します

観測時間をそのレイティング係数で
割り込んで正味作業時間を求めます

たとえば熟練作業者の観測時間が
普通の作業者より1.5倍程度早い場合
観測時間を1.5で割って
正味作業時間と仮に置くわけです

 

STEP3:標準時間を設定する

その正味作業時間は
論理的な作業時間という意味のため
実際には作業余裕、職場余裕、
用達余裕、疲れ余裕などが発生します

そのため会社や職場単位で経験的に
余裕率を予め計算して適応させます

その余裕率を計算することで
標準時間として設定するわけです

 

PTS法とは?

PTS法とは、細かく区分し要素作業を
さらに動作単位に分解して
あらかじめ決められている標準時間を
あてはめていく方法です

PTS法はレイティングが必要なく
誰が分析しても安定した数値が
得られるメリットがある一方で
分析に多くの時間がかかると同時に
実際の動作時間と違う場合がある
デメリットが存在しています

そしてこのPTS法には2つの
方法があります

WF法とMTM法です

 

WF法(work-factor plan)

WF法はワークファクター法と言われ
使用される身体部位、動作距離、
重量(または抵抗)、人為的調節を
動作時間を決める4要素として扱い
あてはめていく方法です

たとえば腕を○○cm伸ばす場合に
腕の動作時間標準表から数字を拾い
あてはめていくやり方です

 

MTM法(methods-time measurement)

MTM法では基本動作を以下の
10項目に分類します

手をのばす(R)
運ぶ(M)
まわす(T)
押す(AP)
つかむ(G)
定置する(P)
放す(PL)
引き離す(D)
目の移動(ET)
目の焦点合わせ(EF)

これら動作の種類と距離で
作業時間をあてはめていきます

 

時間分析とは?ストップウォッチ法とPTS法の違いを知って使い分けよう!まとめ

時間分析=タイムスタディ(時間研究)

標準時間の設定方法には
直接観測するストップウォッチ法と
間接的に設定するPTS法があること

ご理解いただけたかと思います

このタイムスタディ(時間研究)は
IE手法の基本的な考え方となるため
ぜひマスターしていただきたいと
改めてお伝えしました

 

 

それでは今日はここまで
今後とも宜しくお付き合いください☆

長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

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この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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