QC7つ道具の使い方①パレート図の作り方(エクセルも含む)

QC7つ道具の使い方①パレート図の作り方を理解して重点度を明らかに

QC活動に不可欠なQC7つ道具
このQC7つ道具の有効性は
前回の説明で理解いただけたかと思います

そこでこのQC7つ道具を使いこなせるよう
『QC7つ道具の使い方』シリーズを
展開します

今回はそのひとつ目として
パレート図の作り方を説明してまいります

 

目次

パレート図とは

パレート図を辞書で調べると
以下のように表現されていました

【パレート図とは】
QC7つ道具のひとつ。項目量と全体の中での項目の構成比率を見るための複合グラフ。項目量の大きい順に棒グラフを作成し、項目の構成比率の累計を折れ線グラフで作成する。ABC分析と組み合わせて利用されることが多い。

『パレート図』で調べるといきなり
『QC7つ道具のひとつ』と表現されるほど
QC活動との結びつきが深いということです

具体的には不適合件数、故障件数などを
その現象別・原因別にデータをとって
不適合件数の多い順の並べて
棒グラフと累積折れ線グラフで表します

このパレート図によって
重点的に取り組む方向性を検討したり
改善前後のビフォーアフターを表現したり
することで現状を見える化できます

では早速、パレート図の作り方について
説明してまいりましょう

パレート図の作り方

パレート図の作り方のステップは
以下のとおりです

【パレート図の作り方の6つの手順】
手順1:パレート図作成の目的を明らかにする
手順2:分類項目を決めてデータを集める
手順3:集めたテータを整理する
手順4:パレート図の縦軸と横軸を記入する
手順5:棒グラフを作図する
手順6:累積比数を打点して折れ線グラフを描く

では順番に説明していきましょう

 

手順1:パレート図作成の目的を明らかにする

パレート図の作成にあたっては
パレート図で何を明らかにしようと
しているのか調査の目的を明らかにします

例えば。。。
どのような不良が出ているのか
損失額が多い項目とはなにか
どんな作業に時間がかかっているか
どのような原因の不良がでているか

これら目的によって
分類項目の選び方やデータの取り方が
変わってくるので注意が必要です

 

手順2:分類項目を決めてデータを集める

分類項目は
不適合項目別、欠点内容別、
部位別、部署別など結果系列と

作業者、機械、材料・部品、
作業方法別など原因系に分かれます

分類項目は一般的に5~10項目程度が
後でパレート図にした時に見やすいです

データの取得数は50以上が望ましく
取得期間は1週間あるいは1ヶ月程度で
季節変動を問題にする場合は
1年は必要となります

すでに記録してあるデータがない場合は
記録する体制を整える必要があります

 

手順3:集めたテータを整理する

データが集まったら整理します

集計したデータの大きい順に並べます
そしてデータの累積数も記入して
累積比率も計算しておきます

そしてデータが少ない項目がある場合は
『その他』としてまとめます

 

手順4:パレート図の縦軸と横軸を記入する

QC7つ道具の使い方①パレート図の作り方を理解して重点度を明らかに

パレート図のベースを作図します

横軸にデータ数の多い項目から順番に
左から右へ項目名称を記入していきます

そして縦軸には分類項目名を記入し
テータの合計数が入るまで目盛を入れます

 

手順5:棒グラフを作図する

 

QC7つ道具の使い方①パレート図の作り方を理解して重点度を明らかに

 

いよいよ項目ごとにデーター数に応じた
棒グラフを描きます

書く柱の幅は同じにして
間隔はあけないで作図してください

 

手順6:累積比数を打点して折れ線グラフを描く

QC7つ道具の使い方①パレート図の作り方を理解して重点度を明らかに

 

最後に累積数をプロットして
それを線で結んで折れ線グラフを加えます

そしてその点に累積比率を書き込んだうえ
右縦軸を5等分して20%ずつ
100%まで書き加えます

これで晴れてパレート図が完成すると
いうわけです

描いてみると簡単ですよね!
でもやってみないとわかりませんので
ぜひ一度取り組んでみてください

でも最近ではエクセルで作図することが
多いのでその方法もお伝えします

 

エクセルでのパレート図の作り方

具体的には先程の手順4、5、6が
下記の作り方に変ります

ぜひやってみてくださいませ

【エクセルでのパレート図の作り方】
作り方A:情報を整理する
作り方B:棒グラフを描く
作り方C:構成比をグラフから抜く
作り方D:「累計構成比」を2軸化する
作り方E:「累計構成比」を折れ線グラフ化する
作り方F:棒グラフの隙間をなくす

では詳しく説明してみましょう!

 

作り方A:情報を整理する

P-Q分析、P-MH分析を進めるパレート図つくり方について

まずは上図のように分類項目別のデータを
順番に入力してください

原則的に数量の多い順にお願いします

右の列には構成比率を
そしてさらにその右には
累計構成比を入力します

エクセルでの作表なので
エクセルを通常使っている方は
大丈夫ですよね

この表ができたら
早速、作図に取り掛かります

 

作り方B:棒グラフを描く

P-Q分析、P-MH分析を進めるパレート図つくり方について

【エクセルでのパレート図の作り方B】
①「製品」の項目以下、表の範囲を指定します
②エクセルのメニューの[挿入]をクリック
③「縦棒/横棒グラフの挿入」のアイコンをクリック
④その中にある「集合縦棒」をクリックする

最初に棒グラフを上記の手順で
作図します

これが最初のベースとして編集していきます

 

作り方C:構成比をグラフから抜く

P-Q分析、P-MH分析を進めるパレート図つくり方について

次はパレート図に不必要な「構成比」を
この作り方Cでグラフ対象から抜きます

【エクセルでのパレート図の作り方C】
①「グラフ」を右クリックしてサブメニューを表示
②サブメニューから[データの選択]を選択
③「データソースの選択」で「構成比」のチェックを外す
④「OK」をクリックして構成比をグラフから抜く

 

作り方D:「累計構成比」を2軸化する

P-Q分析、P-MH分析を進めるパレート図つくり方について

【エクセルでのパレート図の作り方D】
①「グラフ」をクリックして右上にグラフツールのタブを表示させる
②グラフツールの[書式]タブをクリック
③一番左側にある「現在の選択範囲」のドリルダウンマークをクリック
④まずは「系列”累積構成比”」を選択する
⑤「現在の選択範囲」の「選択対象の書式設定」をクリック
⑥新たに出てきた右の窓の「第2軸」にチェックを入れる

P-Q分析、P-MH分析を進めるパレート図つくり方について

パレート図のポイントとなる累積構成比
これを①~④の手順で指定して
下記の通り⑤と⑥で2軸化します

そしてその指定状態のまま次の操作で
折れ線グラフ化します

 

作り方E:「累計構成比」を折れ線グラフ化する

P-Q分析、P-MH分析を進めるパレート図つくり方について

【エクセルでのパレート図の作り方E】
①エクセルの[挿入]タブをクリック
②「折れ線/面グラフの挿入」のアイコンをクリック
③その中にある「マーカー付き折れ線」をクリックする

そして最後に次の操作で棒グラフの隙間をなくします

 

作り方F:棒グラフの隙間をなくす

P-Q分析、P-MH分析を進めるパレート図つくり方について

【エクセルでのパレート図の作り方F】
①「グラフ」をクリックしてグラフツールのタブを表示させる
②グラフツールの[書式]タブをクリック
③一番左側にある「現在の選択範囲」のドリルダウンマークをクリック
④「系列”数量”」を選択する
⑤右の窓の「系列のオプション」のグラフマークをクリック
⑥「要素の間隔」に”0%”と入力する

さてここまでくれば、後は色を変えたりと
各々を完成で詳細を調整してくださいませ

 

QC7つ道具の使い方①パレート図の作り方まとめ

このパレート図の活用によって
テーマを選定する時に
大いに役立ってくれます

あなたの職場の問題をどういった切り口で
改善をしていくのか?
製品毎の品質トラブルなのか
不良項目毎の良品率の向上なのか
あるいは作業単位の時間削減なのか

それぞれどこから手をつけるべきなのかを
定量的に表現することができるツールです

ぜひ、何度も練習して
使いこなしてくださいませ

 

 

それでは今日はここまでです
今後ともよろしくお付き合いくださいませ☆

長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

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この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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