3S活動を停滞させる間違いだらけの進め方

3S活動を停滞させる間違いだらけの進め方

整理・整頓・清掃をしっかり行うことで
強い組織づくりを進める3S活動

これまではこの3S活動の進め方として
正しく改善された事例や重要ポイントを
表現の視点や職場の前提条件を変えながら
数多くお伝えしてきました

そのため今回はうまくいかない進め方を
解説を加えながらお話していきます

ぜひご自身の職場と比べながら
読み進めてくださいませ

 

目次

3S活動がうまくいかない進め方

3S活動が継続できない多くの職場

いったいどのような進め方を
しているのか説明をしてみましょう

まず最初は経営者から
職場のリーダーAさんに
問題を定義します

社長
Aくん。ちょっと時間はいいかね?

Aさん
あ、社長!はい、なんでしょうか?

社長
我が社の職場はあまりきれいとは言えないが、どう思うかね?

Aさん
そういえば、そうかもしれません。けれどそんな酷くはないと思いますが…

社長
先日、他社を見学してきたんだが3S活動できれいになっておった。Aくん、すまないがその3S活動を進めてくれんかね?

Aさん
3S活動は聞いたことがあるので、少し勉強してやってみます!

社長
そうか!やってくれるか!じゃ、この件は君に任せたぞ!

Aさん
はい!わかりました!がんばります!

さて、マンガ形式のやりとりですが
一般的にはこのようなきっかけで
スタートすることが多いでしょうか

さて、この一連の流れ
うまくいかない理由はわかりますか?

 

3S活動がうまくいかない3つの理由

整理・整頓・清掃
仕事を進めるうえでは当たり前に
付随してくる基本作業

これが守られない状態にあるため
あまりきれいとは言えない職場に
なっているわけです

 

それを守れるようにする
つまり仕事への考え方を変える大きな仕事

その大きな仕事をクリアするのに至らない
3つの理由を解説して参ります

【3S活動がうまくいかない3つの理由】
理由1:トップが本気でない
理由2:一人でやっても広がらない
理由3:推進リーダーの権限不足

 

3S活動がうまくいかない理由1:トップが本気でない

トップが部下にまる投げして
3S活動が成功した事例はいまだかつて
出会ったことがありません

3S活動をうまく進めるためには
トップの率先垂範が不可欠です

 

トップが本気で進めようとしているか
していないか、は本人が認識しているより
従業員はよく見ています

社長が本気にならないかぎり
従業員が本気になるはずがありません

 

どれだけ熱い3S活動宣言をしても
外部講師を雇って研修をしても
毎月フォローをしたとしても
本気で進めたいかどうかは
どうしたってバレてしまいます

そのためカタチだけの活動となってしまい
いつしか理由もなく薄まっていくことに
なることがほとんどです

 

3S活動がうまくいかない理由2:一人でやっても広がらない

このAさんは本気で勉強しようと
していることでしょう

で、ある程度学習して
やるべき手順がわかったとして
Aさん一人とわずかな協力者で
3S活動を進めたとします

しかしその効果を体で感じて
良い職場づくりは自分で出来る!と
ある程度成果も残せるかもしれませんが
そこまでで終わってしまいます

1回限りのイベントで終了です

 

Aくん、3S活動やっといて!
はい!3S活動やっておきました!
そんな感じです

一瞬、きれいになるものの
やはり継続的に実施しなければ
維持できるはずもありません

しかしAさんの他に
勉強していないため理解者も増えずに
また一人で奔走することになります

やはり従業員全員で組織として継続できる
そんな改善活動にしたいものです

 

3S活動がうまくいかない理由3:推進リーダーの権限不足

あるひとつの職場のリーダー
その権限だけで会社全体を改革することは
なかなかできませんよね

ある一人のリーダーシップで全てを進める
そんな成果には限界があります

 

つまり3S活動には活動する時間が必要です
改善案を検討する時間も必要です
そしてそれを進化させるには振返る時間も

しかし職場リーダーの権限で
作業者の時間を3S活動にどれほど割くのか
それを判断できるほど大きくないはずです

3S活動の導入とはある意味
これまで我が社で長年やってきた
仕事の考え方・やり方の変革を指します

それを権限の小さい部下にまる投げする

それではやはりうまくいきませんよね

 

3S活動がうまくいかない時の対処法

うまくいかない理由がわかれば
それを対処すればうまくいくということ

ではその対処法をお話していきましょう

【3S活動がうまくいかない時の対処法】
対処1:トップが本気になる
対処2:従業員全員で取り組む
対処3:推進リーダーに権限を与える

 

そりゃもう、説明としては
反転しただけとなりますが
それだけではありませんので
補足してまいります

 

対処1:トップが本気になる

まる投げをやめて自分自身が学習して
推進責任者として名前を付け加え
3S活動スタートの宣言を発信します

そのことで言葉の重みが変ります

そして対処2、対処3についても
トップ判断で進められるよう
環境整備をします

 

対処2:従業員全員で取り組む

推進リーダーとしてはAさんでもOKだが
3S活動の勉強は全員でやれればベスト

ようするに初期は企業研修をセットして
外部の専門家に基礎知識とやるべきことを
主要メンバーだけでも
1回転トレースできれば学習は速いです

そしてその後、従業員で全員で取り組めば
改善の量も人数分増えますので
職場はその分早く良くなっていきますし
全員での成長が期待できます

そういった現場では
意外な次世代のリーダー候補が
生まれることが本当によく起こります

同じ顔ぶれなのに
強い組織へと成長と遂げることが
できるわけです

 

対処3:推進リーダーに権限を与える

3S活動について検討する時間
実施する時間、省みる時間など
勤務時間に影響がある部分は
推進リーダーに権限を与えます

つまり具体的にその時間数を指示すると
権限を与えることになります

まぁ、うまくやるだろうと
たかをくくっていますと
蓋を開けたら進んでいなかったと
いうことが起こってきます

 

なのでここは具体的に
検討する時間は1時間
実施する時間は2時間
省みる時間は1時間 など
経営者側から指示をします

これで安心して3S活動に
時間をかけられる環境が整います

 

3S活動を停滞させる間違いだらけの進め方まとめ

職場によってはちょっと耳の痛い
内容になってしまったかもしれません

ひょっとしてほとんど当てはまらなかった
そんな職場もあるかもしれません

 

しかしご理解いただいたとおり
進めようと組織全体が思わなければ
なかなか進まない活動であることは確か

なのでしっかり体制を整えながら
強い組織づくりを進めていただければと
願いながらこの記事を書き込んでおります

 

 

それでは今日はここまで
今後ともよろしくお付き合いくださいませ☆

長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪

すべては企業発展のために
すべてはみんなの笑顔と元気のために

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この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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