品質管理における原因究明において
よくなぜなぜ分析が使われています
しかし実際になぜなぜ分析を進めて
うまくいかなかった事例が多いと
質問がくることが多いんです
そこで今回はなぜなぜ分析に関する
練習問題や事例を考えてみることで
こう進めればいいんだってやり方を
皆さまに紹介したいと思います
特になぜなぜ分析において
思い込みを防ぐ対策は必要ですので
それも加えて解説を進めていきます
今回も読み終えるまでのお時間
しばらくお付き合いくださいませ
なぜなぜ分析とはなにか?
なぜなぜ分析とはなにか?
それは原因-結果の連鎖
つまり因果関係の連鎖をひもとく
手法として伝わっている手段です
因果関係とは?~風が吹いたら桶屋が儲かる~
江戸時代から落語などで伝わった
ことわざだったかと思いますけど
この流れを整理すると以下のとおり
①風が吹く
②砂埃が舞う
③目に砂が入る
④失明する人が増える
⑤三味線奏者が増える
⑥三味線が多く売れる
⑦三味線の皮に使用する猫が捕まる
⑧猫の数が減ってネズミが増える
⑨増えたネズミが桶をカジって壊す
⑩桶屋が儲かる
だから風が吹いたら桶屋が儲かる
逆に言えば、桶屋が儲かるのは
風が吹いたからだというわけです
これが因果関係の連鎖というもの
だけど、普通に考えて無理ゲーで
そんなことあるわけないと思う
それもそのはずでこれには各々
どれくらいの確率で起こるか?と
いう要素が考えられてないですね
そのためいろいろ考えていくと
選択肢を無限に広がるけれど
その確率を考慮していく必要が
この作業に必要になってきますが
その話は次の機会にしましょう
なぜなぜ分析の練習問題
今回はなぜなぜ分析をどう考えて
進めていくべきか?を理解いただく
ために練習問題を用意しました
練習問題1:ボルトが緩まない
では以下の問題があったとします
皆さまはこれをどう考えますか?
これを解き明かすには
①原理原則に照らし合わせた分析
②あるべき姿に照らし合わせた分析
の2つの視点が必要となってきます
それぞれどういうことか?
解説をしてみましょう
①原理原則に照らし合わせた分析
原理原則に照らし合わせると
ボルトにかかるトルクより
ボルトと板との間の抵抗が大きい
そのため緩まないのだ、という
科学的見地に注目します
つまり理由は2つ考えられて
⇒ボルトに掛かるトルクが小さすぎ
⇒ボルトと板の間の抵抗が大きすぎ
ということ
まずはこういった事実に着目した後
実際に現物を確認するようにします
②あるべき姿に照らし合わせた分析
原理原則=科学的事実を把握して
現物を観察しながら分析を進めます
例えば。。。
・ボルトの頭がつぶれていないか?
・ボルトが板にさび付いてないか?
・スパナとボルトのサイズは合ってる?
・スパナにかけてるトルクは充分か?
これらが単体、あるいは複合的に
作用して緩まない状態を生み出して
いるかどうか?が関心事ですよね
おわかりでしょうか
それではなぜなぜ分析を
重ねていく練習問題を次に
紹介していきましょう
練習問題2:無人の成型機で火災発生
では次に以下の問題が発生しました
皆さまはこれをどう考えますか?
これを関係者で話合うことでなぜなぜ分析を行いましょう
これを実際に分析した解答例として
少しお話を進めていきましょう
①原理原則に照らし合わせた分析
まず発生した結果としは
①無人の正月に成型機で火災が発生
なぜ火災になったかというと
②材料のプラスチックが燃えた
なぜ燃えたかというと
③設備の温度が発火点以上になった
なぜ発火点を越えたかというと
④ヒーターセンサーが壊れていた
とのこと
そこでヒーターセンサーを
交換して暫定対策としたわけです
ここまでは普通にわかる話で
わざわざなぜなぜ分析すなくても
対策できることだろうと思います
この科学的根拠を踏まえて
現場を観察しながら分析を続けます
②あるべき姿に照らし合わせた分析
ではそもそもの火災が起きたのは
①無人でヒータースイッチを入れた
ことが原因だとわかりました
なぜスイッチを入れたのかというと
②材料を溶かしておきたかった
なぜ溶かしたかったのかというと
③冷えてれば始動時ノズルが壊れる
なぜノズルが壊れるのかというと
④始動時には場所で溶け方が違う
なぜ場所によって違うのかというと
⑤熱伝導が均一でないから
なぜ均一にならないのかというと
⑥ヒーター1個で全体を温めるから
ということがわかってきたのです
つまり強力なヒーターで全体を
一気に温める構造を持つ設備だった
というわけです
じゃあ、複数のヒーターに交換する
なんてことが対策にあがり勝ちだが
実際には投資額が高くて設備更新時
でもないと難しくなります
そこで恒久対策としては
連休明けは早出要員を役割で決めて
始動直後は徐々に電圧を加えて
ゆっくりと装置全体を温めるよう
作業手順を見直すことにしました
これでセンサーが壊れていても
無人の正月にスイッチを入れる人も
出てこないようになりますよね
こうやってなぜなぜ分析を
繰り返すことで恒久的な対策を
打てるようになってくるため
とても有効だと言われています
なぜなぜ分析の思い込みを防ぐやり方
なぜなぜ分析を進めていくと
個人の思い込みが強くすぎて
適切な分析が進まなくなることが
よく起きてくるようになります
例えば。。。
現場で転倒事故が多発する
↓ ↓ なぜか? ↓ ↓
〇〇さんがおっちょこちょいだから
これは個人的な思い込みであって
適切な対策につながりません
そうではなく、しっかり現場を観て
・動線上に物が置いてあるから
・床に段差があるから など
事実をとらえて分析しましょう
つまり、想像だけで分析せずに
①原理原則に照らし合わせた分析
②あるべき姿に照らし合わせた分析
の順番で客観的に分析することが
とても重要だということです
なぜなぜ分析の練習問題事例まとめ
さてなぜなぜ分析の練習問題を
事例を踏まえて解説してきました
なぜなぜ分析について詳しい解説は
以前の記事がありましたので
合わせて参考にしてみてください
【ご参考リンク】
それでは今日はここまでです
今後とも宜しくお付き合い下さい☆
長文乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪
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