4.品質問題製造業が今やるべきこと(1)モノづくりは人づくり
4.品質問題製造業が今やるべきこと(1)モノづくりは人づくり

前回は、品質不祥事に目を向けてISO9000の活かし方についてお話をしてきました。

製造現場での品質において、人は重要なリソースのひとつです。

そこで今回は、製造業の今やるべきこととして、モノづくりの視点に立ち返った人づくりについてお話をしていきたいと思います。

 

モノづくりとは

「モノづくり」とは、よくセミナーを開催した際にものづくりの概念としてお話をしますので、この投稿でも今までにもお話をしたことがあったかもしれません。改めて、「モノづくり」について、お伝えしたいと思います。

「モノづくり」という言葉は、「モノ」「づくり」の2つで構成されています。

「モノ」とは、付加価値を生み出すこと。つまりワクワク・ドキドキさせる能力、設計思想や固有技術、プロフェッショナルやプロダクト型などが該当します。

人が豊かに暮らすための考え方、アイデアを指しているという見方もできますね。新しい考え方やアイデアを生み出しそうなものです。

 
一方、「づくり」は、生産管理、生産現場の技術カイゼンを意味します。マテリアルや人、管理技術、プロセス型が該当します。日本人は、「づくり」の方が得意だとされています。品質管理手法もこの流れを受けて取り組んでいます。

欲しいものを具体的な形にするのに必要なもので、すでにある考え方やアイデアをよりうまくつくる、というように取れます。

「プロダクト」は、製品開発力でもあり、表側の競争力であり、「プロセス」は、生産技術力でもあり、裏側の競争力と見ることもできます。

やはり生産技術力の強い会社が、結果的にトップ企業を維持しているのではないでしょうか。

 

人づくりとは

表側の競争力と裏側の競争力のお話をしましたので、もう少し説明しておきます。

表側の競争力は、顧客から見えるところにあります。
製品評価に影響を及ぼす4つのコミュニケーションルートのことで、製品(product)、価格(price)、販売促進(promotion)、チャネル(channel)など、顧客から直接受け取って評価できる情報を指します。

裏の競争力は、品質(quality)、コスト(cost)、納期(delivery)に「安全(safety)、フレキシビリティ(flexibility)」を加えて「SQCDF」となります。

他社が簡単に真似のできない現場での問題解決力や、現場改善力、具体的な独自手段など、モノづくりの組織が醸成してきた能力「モノづくり組織能力」になります。裏側の競争力を磨くことが、人づくりにつながりますよね。

 
私が電子部品メーカーに勤めていたとき、1度だけトヨタの外注監査に立ち会ったことがあります。我が社の協力工場が初めてトヨタ自動車に部品供給するときに品質監査を受けた時のお話です。その時のトヨタの監査された人はご自身の職場でもないのに、一生懸命に工程を監査して修繕箇所もたくさん指摘してくださいました。不思議に思った私は『なぜそんなに一生懸命に指摘されるのですか?』と質問すると「当社の工程の一部ですから!」と回答されたのです。この言葉に、品質監査に来られた品質部門の方は、人任せではなく当事者意識が高く、しっかりと教育されているのだと思いました。

やはり生産工場において組織能力を発揮していくためには、人づくりは重要です。それは置かれている立場から自分事としてとらえること、つまりいかに当事者意識を醸成させるかにかかっています。

 

人づくりにつながる大切なこと

あの箱根駅伝で活躍された青山学院大学の原監督は、会社経験を陸上部の練習方法に取り入れて成功しました。恐らく選手の自主性を尊重し自律管理させるように仕向けたのだと思います。

改善活動はスポーツと同じで自分で反省し自分で改善していくもので、その活動が前進することで楽しくなるものだと思います。青山学院大学では、会社での人づくりの方法が大学の陸上部に逆輸入され、成功したのではないかと考えます。

 
人は、はりあい、生き甲斐が持つことによって、能力が発揮されます。その根本はいかに当事者意識を高められるかが大切だということです。
自分で考え実行し、少しでも成果につながったり、人の役に立ったと実感できれば、この上ない喜びを感じ、また頑張ろうとなっていくのではないでしょうか。

企業の中で、それを実現できることが、人づくりにおいて大切なことであり、まずは自らが動くことを通して自律的な活動につなげることができるのだと思います。

 

モノづくりは人づくり

「モノづくりは人づくり」は、ある意味あるべき姿ということだと言えそうです。

経営工学でものづくり現場力の革新を主導されてきました(公社)日本経営工学会元会長河野宏和氏は、「ものづくり人材育成の基本-改善活動を継続する仕組みづくりー」著書のなかで、ものづくりによる地道な改善から人材育成など成果が生まれる。といわれています。

ここでも、地道な改善に取り組むことで人は育成されるという重要性を捉えることができます。改善できる人を育成してからでないと改善はできないということは大きな間違いです。まずは、ものづくりによる地道な改善活動を始めて、その中で自らが改善できる人が育っていくものです。

 
また、17年間翻訳が禁じられていたいわくつきの書籍エリヤフ・ゴールドラット (著)ザ・ゴールでもものづくり活動することはモチベーションとなり、人が育つとしています。

自律性あるものづくりを本気ですすめることは、やはり人を育てることになると考えます。

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