3.日本の製造業で今、何が起きているか?(2)製造業にとって大切な標準遵守
3.日本の製造業で今、何が起きているか?(2)製造業にとって大切な標準遵守

前回は、付加価値のない作業の効率化について、掘り下げてみました。付加価値を改めて見直す機会になりました。今回は、近年製造現場では当たり前になってきました標準遵守についてお話をしていきたいと思います。

日本企業の標準遵守について

最近、ある勉強会に参加したときに「1990年代中頃から日本の品質が悪くなってきている。これは何故か?」について、意見交換する機会がありました。

そこでは、次のような意見がでてきました。

・2000年ころから普及が伸びたISO9001に問題がある
・ISO9001の問題ではなく「使い方・運用の仕方に問題がある」
・品質が下がってきているというよりも意識が下がってきている
・そもそも品質が悪くなっているわけではない
・派遣社員の増加(派遣法の改正)に伴う現場力の低下に問題がある
・業界にもよるが産業の空洞化を含む産業構造の変化による

私は、真っ先に話をする機会を得ましたので「産業環境の一般的変化」から2000年までは、「需要>供給」の関係があり「ものが売れる時代」だった。

一方、2001年以降は「需要<供給」の関係であり「ものが売れない時代」に突入した。

その頃に、ちょうど日本では国際標準化(ISO)が言われるようになってきました。「2000年ころから普及が伸びたISO9001に問題がある」と発言したのは私で2000年を境に需要と供給が逆転しマインドチェンジが求められるころに、日本は国際的標準化を積極的に取り入れはじめということがあったのです。

 

元大企業で自動車関係の製品品質責任者の方からのお話です。
標準化の狙いは、標準通りの行動を求めるマニュアル化ではなくて、問題を顕在化させて改善を継続することです。更には、変化する局面に応じて第一線で仕事をする人が臨機応変に適切な対応をしていくことにあります。

そのために、標準整備を徹底していくことよりも、標準遵守徹底(遵法精神の確立)を優先すべきです。ということをお伺いしました。

私が勤めていた企業もそうでしたが、2000年ごろにISOが導入されてきました。当初は、標準整備に重点が置かれて遵守徹底はされない状態で書類作成ばかりに追われているように見えていたことを思い出します。

ISOは「継続的改善」といわれます。遵守が徹底されて改善が継続されれば、必ず実効につながるはずではあります。

日本企業の標準遵守は、「使い方・運用の仕方に問題がある」ということに代表されるようにこの辺りに問題があるのかもしれません。

遵守するための3つのポイント

遵守するためのポイントには3つあります。遵守とは、「守ること」ですね。

遵守するためのポイント
Point1 守られない理由をしっかり追求
Point2 監督者がルール違反を見逃さない
Point3 些細な守りごとも徹底する

これら3つのポイントについて以下に解説を加えます。

Point1 守られない理由をしっかり追求

1つ目は、守られない理由をしっかりと追究することです。

私たちはよく、「しょうがない」ということで理由をあいまいにすることがあります。これが守られない理由(遵守)の最大の原因です。守らないことには必ず理由があるのですが、それをなぜ(why)守られないのかを考えることが大切です。

例えば、従来からの慣れた方法で作業をする、面倒くさいから安全備品を装着しないで作業を行った、決められた場所に工具を置かないなどがあります。これらの守られないことに対して、新しい方法へ作業訓練を行う、使い勝手の良い安全備品に改善する、作業を考慮した工具の置き方を決めるなど、対策を打っていく必要があります。愚直に改善していくことが必要です。

Point2 監督者がルール違反を見逃さない

2つ目は、監督者がルール違反を見逃さないことです。

ルールを守ることに強い意思を持って、違反を見つけたら何度も何度もルールを守ることを促していくことが肝要です。何度か注意を促せば強い思いに理解してルールを守ってもらえるはずです。

Point3 些細な守りごとも徹底する

3つ目は、些細な守りごとも徹底することを怠らないことです。

例えば、「階段・通路は走らない」「交差点では指差呼称をする」などのルールも必ず守らなければなりません。

小さなルールでも守らなければ、そこからほころびが拡がってきます。工場全体にルールを守らない風土が出来上がってきます。

小さな不正を徹底的に正すこと

環境犯罪学の理論に「割れ窓理論」というものがあります。小さな不正を徹底的に正すことで、大きな不正を防ぐことができるという理論です。

例えば、建物の窓ガラスが割れているのに、直さずにそのままにしていると、だれも壊れていることに注意を払っていないという象徴になる。その後、他の窓もまもなくすべて壊されてしまうという現象です。皆さんにも覚えがあるかもしれません。

玄関で靴を脱ぐ時も靴がバラバラに並べられていると、そのまま揃えないで脱いでもいいと思いますが、揃えて並べられていると自然ときちんと並べて脱ぐと思います。そのような経験ないでしょうか?

 

東京ディズニーランドでもこのような現象があります。

施設内の些細なゴミは、すぐに清掃員が拾って処理します。汚れや傷は夜間の間に修繕します。このように、常にきれいな状態を保とうとして従業員間の清掃に対する意識づけを行っています。
そのため、来園するお客さんも「こんなにきれいなところなので、汚してはダメじゃないの」という気持ちになります。このようにして園内の美化意識にも活用されています。

最初の小さな不正を厳しく取り締まることで、そこから誘発されるだろう大きな不正を未然に防ぐことができる。

ということが理解できると思います。

製造業にとって大切な標準遵守とは

「遵守が徹底されて改善が継続されれば、必ず実効につながる」ということをお伝えさせていただきました。

また、日本企業の標準遵守は、「使い方・運用の仕方に問題がある」という声もあがっていました。

製造業にとって大切な標準遵守は、小さな不正を厳しく取り締まることから軌道修正を図っていくことではないでしょうか。

松井秀喜選手の座右の銘として知られている
「心が変われば行動が変わる 行動が変われば習慣が変わる 習慣が変われば人格が変わる 人格が変われば運命が変わる」

心・行動・習慣は、「従業員(個人)」。人格は、「企業」、運命は、「風土」とすればそこに糸口があります。

日本の製造業の「品質不正問題」にもつながってくることだと考えています。

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