VEという手法を
皆さまはご存じでしょうか?
原価低減を実現する手法には
様々な方向性があります
ムダな不具合品を出さない方向
効率のよいつくり方を考える方向
そして材料の購入単価を下げる方向
でも重要な考え方はすべて
このVE手法で整理することが
可能になります
なぜならVE手法は
『提供する価値』の効率性を
重視する代表的な分析法だからです
今回はそんなVE手法とはなにか?
またその手順と5原則などについて
わかりやすく解説を進めていきます
それでは話を進めてまいりましょう
VE手法とは何か?
まずはVE手法とはどんなものか
紹介していきましょう
VE手法(Value Engineering)
古い日本語だからか
英語直訳だからかわかりませんが
ちょっとわかりにくい表現ですよね
これをわかりやすく表現するなら
『必要機能を達成するための費用を
最小限に抑えることを目的に
製品やサービスを徹底して分析する
チームで取り組む活動である』
と言えるでしょう
ようするに機能面を徹底的に分析し
コストダウンを達成する手法の1つ
だと言うことです
VEの生い立ち
VE手法が誕生したきっかけは
米国の総合電機メーカー:GE社の
購買部長が発表したVA手法でした
これは『製品の機能』は必ずしも
かけた費用に比例しない事に気づき
『製品の機能』と費用の関係を
分析するVA手法:Value Analysis
を発表したのが1947年
その後、なんと米国国防省が
VAをVEに改称して導入して
1959年にVE協会が発足したようです
そしてその翌年の1960年にて
日本で原価低減法として紹介され
多くの企業で導入されるように
なったようですね
『価値』を定義する
VE手法の目的は
製品・サービスの価値向上です
そのためさまざまな価値について
考えていく必要があります
VE手法で言う『価値』について
そもそも『価値』とはなにか?
辞書で調べてみましょう
価値 読み方:かち
①物事の役に立つ性質・程度。
経済学では商品は使用価値と交換価値とを持つとされる。ねうち。効用。「貨幣―」「その本は読む―がない」
②〔哲〕「よい」といわれる性質。
「わるい」といわれる性質は反価値。広義では価値と反価値とを含めて価値という。
By広辞苑
一般的にはそうなんですが
VEでいう『価値=Vlue』とは
お客さまが期待する製品サービスの
『機能=Function』を
『費用=Cots』で割った式で表され
このバランスを改善していくことが
VE手法の基本的な考え方なのです
具体的にはどういうことか?
以下の考え方で整理してみましょう
『価値』『機能』『費用』の考え方
まず基本的な考え方として
以下の4つパターンで考えましょう
2.費用を変えずに提供機能を向上させる
3.提供機能を向上させながら費用を下げる
4. 費用をかけて提供価値をより向上させる
1.提供機能を維持したまま費用を下げる
まずは提供機能をキープしたまま
費用を下げるパターンです
これで『費用』に対する『機能』
つまり『価値』は上がりますよね
これはまぁ単純にコストダウンを
図っていくパターンですね
この基本的な考え方が1つ目
2.費用を変えずに提供機能を向上させる
次は費用を変えないで
提供機能だけを向上させるパターン
これも『費用』に対する『機能』は
向上するはずですよね
つまり『価値』を上げるための
施策としてはアリだということです
3.提供機能を向上させながら費用を下げる
さらには提供機能を向上させながら
費用を下げていくパターン
パターン1と2の合わせ技です
そりゃさらに『価値』の向上が
期待できますよね
4. 費用をかけて提供価値をより向上させる
最後のパターンは少ない費用をかけ
より提供機能を向上させる施策です
これも『費用』に対する『機能』を
向上させることができますよね
VE手法で取り入れないパターン
最後にひとつ重要なことがあります
実はこの式から読み取ると理論上
『機能』を下げて
『費用』をより下げれば
『価値』を向上させらます
しかし実質的にこのパターンは
VE手法では取り扱いません
なぜなら『機能』を下げることは
お客さまから見れば退化になるからです
おわかりですよね
VE手法の5原則:VE基本思想
ここでVE手法における5つの原則
VE基本思想を紹介します
②機能本位の原則
③創造による変更の原則
④チームデザインの原則
⑤価値向上の原則
それぞれどういった意味なのか
少しずつ触れていきたいと思います
①使用者優先の原則
1つ目の原則はもっとも重要です
常に使用者の立場に立って
考えていくことを示します
つまり、つくる側の都合を撤廃して
徹底的にユーザー側にたった分析を
進めていくことを約束する必要が
あるということですね
当たり前ではありますが
ここは抑えておくべきポイント
②機能本位の原則
2つ目の原則は
果たすべき機能を追求して
機能本位で考えていくことです
つまり機能を思考の原点にして
シンプルに考えていこうという
指針を表しています
③創造による変更の原則
3つ目の原則はアイデアや工夫で
よりよい方法が考えて改善する
ことを方針としています
メンバーの自由な発想や工夫により
新しい価値をつくる方針がこちら
固定概念にとらわれずに
根本的、抜本的な改善を施すことで
新たな価値をつくり出していきます
素晴らしいことですよね
④チームデザインの原則
4つ目の原則は
メンバーの知識や技術を結集して
チームで取り組むことが方針です
それぞれ違う知見やノウハウを
組み合わせることによって
1人ではできないレベルにまで
高めようとしているわけです
⑤価値向上の原則
最後の原則は
機能とコストを徹底的に追及して
価値向上を図る方針です
もうこれはVE手法の基本ですよね
進めるための手順について
ではVE手法を進めるための
手順について解説を進めていきます
ステップ2:機能を評価する
ステップ3:代替案を作成する
今回はシンプルに3ステップで
説明します
ステップ1:機能を定義する
まず1つ目のステップは
機能を定義することです
まずはVE手法を取り組む対象の
情報を収集します
そして収集した情報を元に
現在の機能を整理して定義をします
どのような働きを提供しているか
これを明らかにすることが
最初のステップとなります
ステップ2:機能を評価する
2つ目のステップは
ステップ1で明らかにした
『機能』を提供するのに
どのくらいのコストがかかっているか
またその『機能』はどの程度
役立っているのか評価をします
これらの分析を進めることで
最終的に前述の4パターンの
どの方法で価値を高めるべきか
改善方針を固めていきます
ステップ3:代替案を作成する
そして最後のステップではいよいよ
メンバー全員で改善案を考えます
自由な発想で
『あーでもないこーでもない』と
メンバーでアイデアを量産して
そのあと冷静にそれらのアイデアを
評価しながら代替案を考えます
『量から質を生む』
チーム活動での醍醐味ですよね
VE手法まとめ
VE手法は取り組むメンバーに
多くの気づきを提供します
なぜなら我々が提供している価値と
徹底して向き合うことになるからです
我々が提供している価値とはなにか
お客さまはどう感じているのか
本質的に大切にすべきことはなにか
普段の業務の中では落ち着いて
考えることはないことですよね
だからこそこの活動が終わったら
各々のレベルアップが期待できる
個人の才能や努力に頼るのでなく
チームのチカラを高めていく
組織力強化にはとても有効です
それでは今日はここまでです
今後とも宜しくお付き合い下さい☆
長文乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪
すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために