IE手法の7つ道具①タイムスタディ(時間研究)概論編

IE手法の7つ道具①タイムスタディ(時間研究)編

IE手法の7つ道具とその特徴について
前回の記事にておおまかに解説しました

【前回記事】>IE手法の7つ道具(動作分析、工程分析、作業分析等)で改善を進める

しかし全体を俯瞰した説明でしたので
あの説明だけですべてを理解することは
できないと思います

そのため今回から対象の手法について
一つひとつしっかりとお伝えするため
説明を進めたいきたいと思います

まずは最もIE手法っぽい基本手法である
タイムスタディ(時間研究)からです

しばらくお付き合いくださいませ

目次

タイムスタディ(時間研究)とは


IE手法の7つ道具①タイムスタディ(時間研究)編

それではこれより
タイムスタディという手法を説明します

【タイムスタディ(時間研究)とは?】
作業を要素作業単位のワークユニットに分割して、時間を尺度として実際に測定・評価する分析手法です

単位作業、つまり『材料切断』や
『穴あけ』など一連の完結する作業を
要素作業単位のワークユニットに分割

そして実際に測定し評価して
単位作業のオペレーションリストを
完成させる手法がタイムスタディです

このことによりある単位作業における
要素作業の順番も表現されており
ワークタイムとワークカウントなど
すべての時間構成が明らかになります

このタイムスタディは基本的には
これからいくつかの改善を検討する時に
大いに参考になる分析手法です

作業改善を進めるとなると
必ずこの表現は必要となります

つまりすべての改善手法のベースになる
そんな重要な分析手法です

タイムスタディ(時間研究)の目的


この手法を活用する目的は以下の3つ

①仕事量の定量的な把握をします
作業手順を標準化したうえで、所要時間を定量的に確認することで、改善の優先度を量ります

②事実の見落としを防ぐ
作業構成を見える化して分析を進めることで、改善項目の見落としのない事実の確認を進める

③ムダ作業の抽出と改善の第1ステップ
要素作業レベルで発見するムダと、標準との比較によって改善案を見つけやすくします

タイムスタディ(時間研究)の進め方

【タイムスタディ(時間研究)の進め方】
1.対象作業の区分
2.観測実施
3.観測結果のまとめ
4.改善案の検討

ただ普通に時間を測定するのではなく
対象となる作業を想像したうえで
分析するワークユニットを決めて
現状(作業手順・時間)を標準化
することが重要です

実際に現場にパっと出ていって
それでは時間を計りましょう!なんて
出来るわけがありません

 

なぜかって?

 

そもそもどんな作業をしているのか?
どういう手順でやっているか?など
予め理解をしてうえで現場にでないと

そもそも何を計測すれば良いのかも
判断できないため計れませんよね

やはり分析するワークユニットを決めて
作業手順や時間を計測すべきです

ただし最近では動画撮影が簡単になり
撮影してからユニット決めることが可能です

便利な時代になりましたね♪

 

対象作業の区分


時間測定の準備として、対象作業を
要素作業単位に区切ります

その注意事項をいくつか挙げます

・作業を要素作業に分割する単位は
できるだけ小さい方が良いが
観測可能な大きさであること
(2~3秒が限界)

・主目的な要素と付随的な要素は区分する
主目的な要素:組み立てる、溶接する、分解する、吹き付ける
付随的な要素:材料を取る、部品をおく、設備まで歩く

・要素技術の活用目的が違うものは区分する

・規則的作業と不規則的作業は分ける
規則的作業:1作業または1工程のサイクル毎に必ず発生する要素
不規則的作業:1作業に必要であるが、規則的または基本的な要素作業のサイクル間隔に比べて規則性に乏しい間隔で発生する要素

<連合作業の場合>
・連合作業においては作業者が単独に行っている要素作業は分ける
・作業者要素と機械要素は分ける

 

観測の実施


区切りを入れた要素作業毎に時間測定します

規則的な繰り返し作業の場合は
5~10回の連続観測を行って
代表値を決めるのが一般的です

ですが、これは数秒、数分単位の場合で
作業時間が長い場合は適しません

動画撮影ならもっと簡素化できます

 

観測結果のまとめ


【観測記録の整理】
・個別時間から代表値などを計算する
→異常値は除外する
・記録の整理は記憶が近いうちに行う
・観測中に気がついた改善案はメモ

【作業手順・時間値の標準化】
・手順の標準化
最も多く観測された方法を採用
熟練した作業者のムダのない手順
バラツキやトラブルも改善対象
・時間値の標準化
個別時間の平均値か1/4選択値?など

このまとめは代表的なフォーマットがあり
それらに準じて記載していくことで
客観的に観察することが可能となります

 

改善案の検討


今回のタイムステディによって
タイムユニットを見える化して
改善案を検討します

この内容についてはまた詳しく
改善ステップ『3.改善案の検討』で
しっかり説明をしたいと考えます

しばらくお待ちくださいませ

 

タイムスタディ(時間研究)編まとめ


重複しますがこの手法は
IE手法による改善をすすめるために
とても重要な基本手法となります

ぜひ、何度も確認して
マスターをしてください

それでは今日はここまでです
今後ともよろしくお付き合いくださいませ☆

 

 

 

長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

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この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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