
IE手法7つ道具の強烈なツールである
工程分析の中の代表的なひとつに
『アッセンブリーチャート』という
見える化手法があります
このアッセンブリーチャートは
前述したフロープロセスチャートと
同じ種類であることは確かなのですが
少々目的と使い方をズラすことで
結構見る化が進んで改善案も
見つけやすくなるのが特徴です
そんなアッセンブリーチャートの
活用効果やつくり方などについて
今回はお話してまいります
アッセンブリーチャート(組立工程分析)とは

アッセンブリーチャートとは
別名:組立工程分析とも呼ばれます
名前から想像できるとおり
組立系列の工程、つまり
たくさんの部品が集まって
1つの製品(部品)をつくる工程の
分析でよく活用される手法です
加工される順番に上から下へ
いくつかの部品が組み合わさっていく
そんな過程を工程記号で表します
また必要であれば
工程内容、距離、時間、作業者分担
などの条件を同時に記入していけば
気づける視点も多くなります
アッセンブリーチャートとフロープロセスチャートとの違い
フロープロセスチャートは
別名:加工工程分析と呼ばれていて
機械加工などで材料や部品を加工する
工程を分析する時に使われる手法です
詳しくは以下を参考にしてみて下さい
このフロープロセスチャートは
1つの材料や部品が各工程によって
変化していく状態に着目するものです
アッセンブリーチャートは
材料や部品の組み合わさり具合に
着目する手法です
同じ工程記号を使いますし
同様に条件などの追記もしますから
まったく同じ分析のように感じると
思いますが、それはムリもありません
しかしフロープロセスチャートは
モノの流れのを図表化することで
ムダがないかを見つけるための分析
一方、アッセンブリーチャートは
材料や部品が組み合わさっていく
複雑なルートをすべて表現することで
加工プロセスの組合せやタイミングに
ムダがないかを見つけるための分析
違うのは抽出する対象
つまり分析目的なのです
ではそんなアッセンブリーチャートは
どのようにしてつくっていくのか?
説明していきましょう
アッセンブリーチャート(組立工程分析)のつくり方
アッセンブリーチャートは
以下の4ステップでつくっていきます
STEP2:工程の調査と分析
STEP3:アッセンブリーチャートの作図
STEP4:改善案の検討および実施計画の策定
ではこの4ステップについて
順を追って説明してまいります
STEP1:工程のプロセスの把握
やはり最初に何のために
アッセブリーチャートをつくるのか
その目的は明らかにしておきます
工程全体のロス軽減のためなのか
部分的なリードタイム短縮なのか
不具合品抑制のための工程調査なのか
その目的に合致する分析対象に対し
工程の流れを予習するのが
最初のステップとなります
注文仕様書や現物の見本、設計図、
部品表、手順書など
その製品の製造にかかわる資料を
できるだけ集めます
そして全ての加工の流れについて
関係者から聞き込みをするなどして
最初に全体のイメージをつくり込んで
いくことからはじめましょう
STEP2:工程の調査と分析
そしてそれらイメージづくりを踏まえ
現場に出て現状を漏らさず確認します
その時に気をつけるべき点は
作業中の1個に目が行き勝ちですが
実際にはロット単位で動くことが多く
そのロット数を必ず押さえておきます
なぜなら加工の停滞や運搬面での
影響がとても大きいからです
また、STEP1でも言えることですが
この時点で気づいた問題点や改善策は
かならずメモをとるようにして下さい
やはり人間、現場で気づくポイントが
もっとも改善につながりやすいのです
ここが人間の能力の特性ですので
それを最大限活かしてくださいませ
現場での確認を終えたらいよいよ
実際に作図していきます
STEP3:アッセンブリーチャートの作図

上図の工程分析記号を活用して
アッセンブリーチャートを作図します
構図はもうおわかりですよね
複雑にからみあった全体像を
作図していく過程でもさらに
問題点や改善点が浮かびますので
こちらでも必ずメモをお願いします
もし範囲が広すぎて紙面サイズが
不足する場合は、設計図のように
部分的に表現する手段もOKです
ただし小さくなっても縮小コピーして
貼り付けるなどして全体像も必ず
見える化して確認してみてください
STEP4:改善案の検討および実施計画の策定
ではこれまでメモしてきた問題点
そして気がついた改善策など
メンバー全員の気づきを集約します
付箋や模造紙を活用するなど
できるだけリラックスできる方法で
ディスカッションすることが
とても効果的です
まずは問題点を集約してリスト化
その対策案を作成プロセス中に
気がついた点を含めて当てていきます
そして重要度や実現度などを考慮して
優先順位をつけて取り組む順番を決定
そして現実的にいつ誰がどのように
5W1Hで実行計画を立てて
それぞれ発表の機会を設定することで
計画の実施をお互い促します
アッセンブリーチャート(組立工程分析)編まとめ
フロープロセスチャートも
アッセンブリーチャートも
職場の構造に特化した分析手法なので
ぜひ定期的に実施して下さい
そのことで慣れてきますし
改善も進んでいくことでしょう
稼働分析:ワークサンプリングと
この工程分析は少なくとも
半年に1度を実施したいところです
実施すれば時間が経てば経つほど
現場の改善もどんどん進みますし
皆さまの実力もついてきます
そのうえでIE手法7つ道具の
残り5つの手法を使いこなせれば
さらに深く改善を彫り込んで
いくことができるようになります
それでは今日はここまでです
今後とも宜しくお付き合いください☆
長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪
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