中小企業の工場長には、生産性を高め、競争力を維持するためにさまざまな課題解決が求められます。その中でも、工場の付加価値を高めることはとても重要です。今回は、中小企業の工場長に知ってほしい「付加価値を高める3つの行動」についてご紹介します。
中小企業のダメな工場長とダメじゃない工場長
中小企業の工場長には、ダメな工場長とそうじゃない工場長がいます。それらにはどんな違いがあるのでしょうか?少しお話していきましょう。
ダメな工場長
ダメな工場長は自分の成果や責任を重視します。そのため個人パフォーマンスが目立ち、自分より本質的に役立つ人材を排除し、自分の言うことを聞く人材を引き上げます。結果、自己利益を奪い合う管理者が増えます。これは多くのヒトの幸せを奪う、本当にイヤな構図ですよね。
ダメじゃない工場長
一方でダメじゃない工場長は、工場で働くヒトの成長や働きがいを重視します。そのため、活躍できる人材が増えて、多くを貢献している人材を引き上げます。結果、全体のパフォーマンスを高める管理者が増えます。どちらが望ましいかは簡単なのになぜこの違いが生まれるのでしょうか?
工場長はどうあるべきか?
この違いが生まれるのは、工場長がどんな価値観を持っているのか?によって大きく2つに分かれるからです。『より良い仕事をすれば給料が増える』というのは社会通念上、正しいと言えます。
でも個人の価値観によって、何が『より良い』と言えるのか?は変わってきますよね。つまり前者は自分の給料が増えることが良い仕事で、後者はみんなの給料が増えることが良い仕事だということ。つまりチーム全体の付加価値を上げようとする後者が、工場長の使命だと言えそうです。結果的に後者の方が給料が高いことは、皮肉ではありますが納得ですよね。
付加価値とはいったい何か?
付加価値とは、製品やサービスに付けて加えた価値のことを指します。つまり、外部から調達した資材やサービスを購入し、それを会社独自の加工や表現を付けて加えることで、新たな製品やサービスを生み出して販売します。それらの過程で増えた価値を、付加価値と言います。
逆に言えば、売上高(=販売価格×販売数量)から、外部調達してきた資材やサービスの購入額を差し引けば、当社で付けて加えた価値=付加価値が計算できます。ようするに、会社でアウトプットした金額から、インプットした金額を差し引けば付加価値額=みんなで頑張った仕事を金額換算できる、という構図なんです。
工場の付加価値の本当の意味
工場の付加価値とは具体的に、売上高から外部から調達した金額=原材料や部品、あるいは外注に頼んだ仕事や電気代や家賃などの経費を差し引いた金額のこと。つまり工場の付加価値の本当の意味とは、うちの工場でみんなで仕事した結果を指します。中小企業の工場長は、それを最大化することが役割と責務だということなんです。あなたの工場長はいかがでしょうね?その付加価値を高めるためにはどんな行動が必要か?少し補足していきましょう。
付加価値を高める3つの行動
中小企業の工場長が付加価値を高めるためには、以下の3つの行動が必要です。
1. 売上を上げる行動
売上を上げる行動が付加価値を高めるために必要になります。選択肢は2つあって、1つはQCDレベルを向上させることで顧客満足度と市場競争力を高めて販売価格を上げる方向、もう1つはそれらを既存取引先、あるいは新規顧客にアピール&営業活動を強化することで販売数量を増やす方向です。
2. 外部調達額を下げる行動
外部調達額を下げる行動も付加価値を高めるために必要です。もし原材料費率が高いのであればVE手法、労務費率が高いのであればIE手法、設備効率が低いようなら先端設備の購入検討など、費用配分が大きい課題に取り組むことが重要です。
3. 組織的な仕組みをつくる行動
上記2つの行動を工場長の個人行動ではなく、チームで行動できる仕組みづくりが何より重要です。チームで工場の課題に取り組むスタイルができれば、多くのキーマンを育てることにつながり、次なる工場長候補を育てることになります。そうなると不思議なもので、全体の貢献度を高めた行動は個人評価の向上につながるので、結果的に自己利益になって戻ってきます。
中小企業の工場長はどうあるべきか?まとめ
中小企業の工場長は、生産プロセスの見直しや品質向上、納期の短縮など、付加価値を高めるための取り組みを積極的に行うことが求められます。そして、現場の実情をよく理解し、常に改善策を考え、ダメな工場長から脱却することが必要です。付加価値を高めることは、中小企業の工場長にとって、競争力を維持するために非常に重要な課題です。
それでは今日はここまでです。今後とも宜しくお付き合い下さい☆
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