QC7つ道具の使い方をお伝えする
このシリーズも7回目となります
そして今回はQC7つ道具の中でも
かなめ中のかなめ:特性要因図を
アイテムの4つ目としてご紹介します
QCストーリーの5ステップの中で
改善策の検討前に『要因の解析』を
行っていきます
このステップが実は改善の方向性を
しっかりと決めてしまうため
最も重要なステップであると言えます
その『要因の解析』時に大活躍なのが
この特性要因図というツールです
それではいったいどういう道具なのか
さっそく説明していきましょう
特性要因図とは何か?
『結果にはかならず要因がある』
これがQC活動の考え方です
その要因を突き止める時に
いくつかの観点から検討していく
ツールが特性要因図です
特定の結果(特性)と要因の関係を
系統的に表す図を使って
問題の因果関係を整理して
原因を追求します
上図のように
解決すべき問題(特性)を右端に
そして横線の両側に斜め線を描いて
その各々がその問題に関連する要因
そしてまたその要因と、根本原因を
突き止めるまで続けていきます
特性要因図の専門用語(パーツの名称)
特性要因図はシンプルですが
一応名前を付けて説明するため
まずは専門用語として
パーツ名称を解説します
特性要因図パーツ①特性
特性要因図は結果と要因をつなぐ
因果関係を整理するために使います
そのためまずは一番右、つまり
最終地点に結果としての特性を
位置づけています
特性要因図パーツ②要因カテゴリ
次は要因カテゴリです
実際には要因カテゴリは要因の
グループになります
数は4~8個が一般的です
特性要因図パーツ③大骨
要因カテゴリが特性につながる
矢印を大骨と呼びます
この大骨に次のパーツである
中骨がくっついてきます
特性要因図パーツ④中骨
要因カテゴリ=大骨につながる
考えられる要因を中骨で表します
この中骨は直接的に特性に
影響が大きそうな要因をつなぎます
特性要因図パーツ⑤小骨
最後は小骨です
中骨につながる要因を表します
この小骨の数をどんどん考えることで
漏れのない要因分析が可能です
特性要因図の作り方
特性要因図は以下の5つのステップで
作っていくことが一般的です
かならずメンバー全員で行って下さい
この作業は全員の知識や視点が
網羅される作業です
下手な職場研修よりよっぽど
人材育成が進みますのでパワフルです
【特性要因図の作り方の5ステップ】 ステップ1:特性を決める ステップ2:要因カテゴリの設定 ステップ3:要因の検討 ステップ4:重要要因の選定 ステップ5:必要事項の記入 |
それではステップをひとつずつ
説明していきましょう
ステップ1:特性の決定と記入
これから要因を考えていきたい
最終的な問題を決めます
テーマに関係の深い内容にして下さい
例えば、現状把握で明らかになった
実績と目標との差
あるいはパレート図で取り上げた
重要な問題などがこれに当たります
今回は事例として。。。
『職場が盛り上がらない』要因を
考えていくこととして
説明を進めていきたいと思います
これを右端に記入したら
左端から最も太い矢印を引いて
次のステップに移ります
ステップ2:要因カテゴリの設定
次に要因カテゴリを設定します
これは要因をグルーピングするのに
とても大切な設定になりますので
適切なカテゴリを4~8個設定します
例えば、職場が盛り上がらない要因を
考えて行く場合、
◯業務プロセスに関すること
◯コミュニケーションに関すること
◯メンバーの意識に関すること
◯上司の仕事ぶりに関すること
などを設定してみます
うまくカテゴリが決まらない場合は
4Mで展開してみてください
4Mとは要因分析に使われる
代表的な4つの切り口を指します
【4Mとは何か?】 Man:人 Machine:機械 Material:材料 Method:方法 |
要因カテゴリが決まったら記入して
大骨として若干太めの矢印を
中心の矢印につなげておき
次のステップにいきます
ステップ3:要因の検討
それぞれの要因を考えていきます
要因カテゴリに直接関係のありそうな
要因は中骨でつないだ後は
どんどんと小骨要因を考えておきます
例えば、職場が盛り上がらない
業務プロセスの関する要因として
◯業務が非効率であること
◯時間が足りないこと
◯仕事量のバラツキが大きいこと
◯アイデアや提案が出ない雰囲気など
4つを考えた場合は中骨でつなぐ
そしてそのひとつ
『業務が非効率』がなぜ起こるのか?
◯作業手順がいい加減であるから
◯引き継ぎがないから
◯書類を探すのに時間がかかるから
それを小骨でつなぐ
さらに書類を探す時間が多いのは
◯3Sができていないから などを
考えて小骨でつないでいく
そうやってなぜ?なぜ?なぜ?を
繰り返しながらその要因を漏れなく
テーブルの上に挙げる作業が
この『要因の検討』ステップなのです
で、おおむね要因が挙がった段階で
次のステップに進めていきましょう
ステップ4:重要要因の選定
そして特性(結果)に大きく
結びついている要因をメンバー全員で
話し合って決めます
多数決でなく
かならず話し合いで決めて下さい
このディスカッションがメンバーの
成長に寄与することが多いです
そしてその上でこの重要要因として
2~3個に絞り込んでください
本当に特性に結びつくかどうか
現場を観察したり、データの収集して
要因と特性の因果関係を調査したり
関係者にヒアリングをしたり
実験を行ってみたりと
あらゆる方法で重要要因を決めます
そして決めた重要要因の部分を
赤丸を記入するなどマーキングします
そしていよいよ次のステップで
完成します
ステップ5:必要事項の記入
最後に特性要因図を作成した目的や
作成日、作成メンバーなど必要事項を
記入して完成です
もし後に修正をした場合には
修正年月日や修正メンバーなどを
記載するとわかりやすくなります
特性要因図の作り方1(エクセルは次回を予定)まとめ
今回はQC7つ道具でももっとも重要な
特性要因図の作り方は解説しました
今回はつくり方における考え方の
理解を優先したためエクセルでの
作り方はシリーズの次回としました
まずはこの特性要因図の作り方を
しっかり理解していただき
そのうえで使いこなして頂きたいと
願っています
それでは今日はここまでです
今後ともよろしくお付き合いくださいませ☆
長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪
すべては御社の発展のために
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