前回は3s活動とはどんな活動なのか?について解説をしました。
[getpost id=”2275″]
やはり『整理・整頓・清掃』(=3s活動)は仕事の基本であって、これらの訓練なしでは事業の安定した成長は期待できない。
そんな説明をいたしました。
ではそんな3s活動、いったい何から始めればいいのでしょうか?
今回はそんな進め方のお話です。
3s活動について全員で学習をはじめる
なにはともあれ
まずは勉強です!
何かを始めようとするとき、それ相応の必要な知識に触れることはやはり必要でしょう。
『この3s活動をはじめてスタートする』
『一旦スタートしているけれどリスタートする』
立場はそれぞれ色々だとは想像します。
ですがいずれにせよ
学習機会の提供は必須です
例えば、よくお聴きする施策としては、
[案1]3s活動学習会の開催
○ 推奨の書籍を読んでもらってディスカッション
○ 3s活動を進める目的の再定義 など
[案2]専門家によるセミナー開催
○ 3s活動の進める意義(どんないいことがあるか?)
○ 3s活動を継続している企業の実例と工夫 など
ま、検討すればいろいろとたくさん思い付くことはできますが、それぞれ1クール毎に工夫を凝らしてマンネリとならない努力が必要となります。
ただしその時、とても注意が必要な重要ポイントがあります。
それは何か?
それは。。。学習の方向性です。
いったい何を目的に3s活動を始めようとしているのか?
それは良い方向なのか、悪い方向なのか
取り組む価値があるものなのか、そうでないのか
メンバーはまずその判断さえできない状態です。
なぜなら活動の評価軸がはっきりしていないからです。
なので、漠然と学習を進めても
『ああ、そうなのか』と心は冷めたままです。
そのため、この学習を通じて
○ これを取り組めば自分達にとって良い方向へと進む
○ 楽しくも厳しい、毎日が充実できる職場環境が期待できる
○ これで幼少期、両親や先生から教えられてきた正しい行いを実践できる
などなど
『そうか!それは賛成!』
と、心の底から思ってもらえるかどうかをまずは重要視してください。
細かいディテールより、まずは大きな評価軸=目的の再確認です。
一方で余談となりますが、勘違いをして
『メンバー全員に3s活動の知識をすべて詰め込んだ専門家になってもらい、テクニカル面で企業改革をまい進させよう!』だなんて方向付けだけはしないようにご注意ください。
え?違うのかって?
はい、はっきり申し上げてまったく違います!
これは多くの方がリーダーシップを誤解しているのです。
例えば会社の社長が3sをやるぞ!と号令をかけて、優れたテクニカル面のコピペだけで進めていくとどうなるでしょうか?
おそらく多くの場合、うまく行かないでしょう。
なぜなら。。。
○ メンバー自身の参画意識が薄い
○ 自らの発想や改善を生み出さない
○ 関わるメンバーの積極性が高まらない
これでは正直、大きな建物の基礎工事は進みません。
本来のリーダーシップとは、フォロワーメンバーの自発的な行動を促すことです。
メンバー全員がそれぞれの才能を開花させ、どうしても自然に想う存分歌って踊りたくなるような、そんなステージ(舞台)をつくりあげること
それをリーダーシップと呼びます
それをリーダー自身が自分が歌って踊るための、舞台をつくることは正直、とっても恥ずかしいです。
主役はリーダーでなくメンバーで、活躍するのはあくまでフォロワーなのです。
確かに時には背中をみせる必要はあります。
清掃の時間は率先して雑巾を絞り、毎日、毎日、はいつくばって一心不乱に床を磨く。
誰よりも忙しいのに、誰よりも決めゴトは徹底する。
周囲からみて
『ああ、このヒトは本気なんだ。本気でこの会社を良くしようとしているんだ』
そういった空気は必ず。。。ジワジワと伝染していくものです。
だから背中を魅せることはとても重要なこと。
しかし、それをメンバーに強いてはいけません
『自然に真似したくなる』
『このヒトと価値観を合わせたい』
そう思っていただける空気をつくる
そのための学習だということなのです。
その相互理解が進んではじめて
基礎工事が進むのです。
次は3s活動の推進メンバーを決定する
全員で企業経営を成長させるための基礎工事
これが3s活動の究極の目的です。
そのためこの組織表は極力、既存の業務の組織表を参考にしながら、メンバー全員の名前を掲載し、役割をアサインしておきます。
なぜなら3s活動を推進することで、既存組織の集団連携力を高めたい狙いもあるからです。
また、組織表を見たときに自分の名前を発見すれば、それだけで参画意識が高められます。
3s活動を進めるべき!とそれぞれの理解が進んだ時に備え、行動を起こしやすい環境を事前に整えておくわけです。
またこの組織表が作成されて全体に発表されたとき、メンバーはもう他人事にすることはできなくなるのです。
ぜひ参考にして、この方法を取り入れてくださいませ。
さらに3s活動の企画書を推進組織メンバー全員で作成する
企業は、間違いなく個性の集合体です。
個人個人はそれぞれ生まれ育ちも違い、才能を高めてきた場所も違えば、傷付いてあきらめた部分も違うでしょう。
そんな価値観のまったく違う個人がひとつところに集まっているのが企業集団
そりゃ自然に任せていれば、それぞれの個性の組み合わせによって、勝手にその集団としての判断基準が出来上がってしまいます。
そんな判断基準で勝手に事業運営されないよう、論理的に『これまでの経緯(過去)』と『今後達成すべき理想像(未来)』とを1本の軸でつないでいく必要があると言えます。
この企業は過去、今まで、何を大切にしてきたグループなのか?
それがお客様にどう捉えられているのか?
それらの認識を踏まえて、今後はどういった理想を追求していくのか?
これらがしっかり共有されていないと
3s活動のすべてが『やらされ活動』となり
最初の学習からチカラがはいりません
漠然として簡単でもかまいません
そこを定期的(1クールに1度)に
確認と共有の機会を設けていただきたいのです。
それらを1枚の企画書にまとめたなら、それがそのクール(期間)の推進方針となります。
ぜひ共につくりあげることで、経営方針の共有を進めてください。
それによって3s活動だけでなく
それぞれのやるべきこと、役に立てることを発想する土台が完成して、自発性を高める効果が期待できます。
作成した組織表と企画書を全員へ発表する
そうやって作成した組織表と企画書を
しっかりメンバー全員へ改めて説明してください。
可能であれば、社外の関係者にも極力通達してください。
そのことにより
企業全体で進めることを宣言(コミット)することになります。
推進メンバーも経営者も、もうこれで逃げることはできない。
絶対に進める以外のない環境をつくりあげることができます。
経営相談の時に、経営者は人財育成の話がでることが多いです。
それはやはり、企業の本質である技能・技術の維持・発展を語るうえで、人財採用・育成を抜きには語れないからです
ほとんどの場合経営者は悩んでいます。なぜ育たないのか?と
いつも自分は一般論として答えます。
それは『こう育ってほしい』と伝わっていないことが多いですよ、と。
というのは。。。
中小企業ってね。
経営方針を説明する機会って少ないんです。
なぜなら経営者自身もこれが正解!とは言いにくいからです。
だからあえてはっきり説明する機会を積極的に設けない。
しかしこれを伝えないと
従業員は何をどうすればいいのかわからない。
自分に何を求められていて
どういった努力を積み重ねたら
所属する企業の業績の貢献できるのか?
自分が評価されて報酬を上げられるのか?
何にもわからない
だからただ、毎朝会社に来て
決められたことだけコツコツこなして。。。
そしてたまに、いきなり無理難題を押し付けられて
”(今は)できません”と答えたら
「育ってない」とレッテルを貼られる
そんな関係なんて正直、悲しい職場ですよね。
だからコミット(宣言)が必要なんです。
今期はこうこう、こういう姿を目指してこんなことに頑張る予定です!と。
やれなくてもいい、自信なんてなくていい
どうせ未来は見通せるものではないですし。
けれど、『これをやるつもりです!』とコミットする。
そして本気でやるつもりになる
もちろん全員で ← これが大切
だから『宣言』というアクションが効果的なんです
そこのことによって従業員も
『ああ、そういうことならこんな協力ができる!』
『そういうことならこんなスキルを磨いていこう!』
『あ!いいこと思い付いちゃったんだけど!』
なんてコミュニケーションが始まる舞台が出来あがるんです。
あと、ボク自身も私見ではあるのですが。。。
ヒトの持つ価値観を
性善説と性悪説に分けて語ることが多い。
性善説は、ヒトはみんな正しい行いを取る
性悪説は、ヒトはみんな悪い行いをする
でも本当は性弱説
正しくあろうとするけれど心は弱いもの
ついつい悪い方向へ流れてしまいがち
みんな、いい仕事がしたいんですよ!
けど損得だったり、楽しようとして、ついつい手を抜いちゃったり、後回しにしちゃったりする。
だから、逃げないように全員でやるべきことをコミットする
そのことによって、明るい太陽の下でそれぞれの弱さと闘う!
そんな習慣が、刺激が、普段の仕事のクオリティを向上させていく
ぜひそんな職場を目指して、3s活動をはじめてくださいませ。
[ad#ad-1]
3s活動の始め方まとめ
さて長々と詳細に説明をしてきましたが
3s活動の正しい始め方とは?
○ まずは3s活動について全員で学習をはじめる
○ 次に3s活動の推進メンバーを決定する
○ さらに3s活動の企画書を推進組織メンバー全員で作成する
○ 作成した組織表と企画書を全員へ発表する
このことを1クールの期間に1回繰り返すことで
徐々に企業経営の基礎工事が進んで参ります。
百聞は一見にしかず
どんなに知識をためこんでも、実行に移さなければ何の意味もない
ぜひ、参考にしながら、進めていってくださいませ。
それでは今日はここまで
今後ともよろしくお付き合いくださいませ☆
長文・乱文を最後まで読んでくださり
ありがとうございました♪
すべては企業発展のために
すべてはみんなの笑顔と元気のために