去る7/7にて、OpenAIからChatGPTの新機能「Code interpreter」が発表され、この機能が製造業の仕事の進め方に革新をもたらすことに確信を得ました。それほど個人的に衝撃を受けたわけです。そこで今回はこのCode interpreterについて簡単にご紹介しようと考えました。このCode interpreterとは、どんな機能があるのか?その革新的な機能や活用例はどんなものか?また、Code interpreterが製造業に与える影響や今後の展望についても考察したいと思います。
今回も読み終えるまでのお時間、しばらくお付き合いくださいませ。
ChatGPTの新機能「Code interpreter」とは?
ChatGPTの新機能「Code interpreter」は、Chat GPTの有料版に追加された新機能で、自分のExcelファイルやPDF等の情報をChat GPTにアップロードすることで、データを簡単に分析・可視化できる機能です。実際にはCode Interpreterを利用することにより、ChatGPT上でPythonコードを生成、実行したりを繰り返すプログラムを走らせているようです。Code InterpreterはChatGPTの機能を拡張する公式プラグインのひとつであり、以下のようなことができるとのこと。
- Pythonコードの生成、実行、結果の出力
- データのアップロード、編集、ダウンロード
- アップロードしたデータを利用したデータ分析
- データ分析結果を可視化するためのグラフの作成
ただし、アップロード可能なデータサイズは500MBまで、1セッションで使用可能なストレージ容量は3GBまでに制限されています。
Code interpreterが製造業にもたらす革新機能
では「Code interpreter」の登場によって製造業の業務に対して、これまでと違ったどのような革新機能が装備されたのか?について整理していきます。
革新機能1:ChatGPTにファイルで情報を渡せる
Code interpreterの最大の特徴は、ChatGPTにファイルで情報を渡せるようになったことです。例えば、エクセルやCSVなどのデータファイルをアップロードすると、ChatGPTがその内容を読み取ってくれます。また、画像や動画などのメディアファイルも対応しています。これによって、ChatGPTに対してより複雑な処理を依頼をすることができます。
革新機能2:言葉依頼に対しプログラムを書いて実行する
Code interpreterのもう一つの革新機能は、依頼内容によってPythonのプログラムを自動で書いて実行してくれるという機能です。Pythonとは、データ分析や機械学習などに広く使われているプログラミング言語で、今回のCode interpreterはそのPythonのプログラムを自ら判断して書いてくれて、しかもそのまま実行することができるので、製造業における様々なデータ分析や計算を簡単に行うことができます。
革新機能3:最終的にまとめ文章をダウンロードできる
Code interpreterのもう一つの革新機能は、最終的にまとめ文章をダウンロードできることです。つまりChatGPTが分析してまとめた文章やグラフなどの出力した情報を、ある一つのファイルにまとめて保存できるというものです。これは、製造業では非常に便利な機能です。例えば、品質管理のためにヒストグラムを作ったり、生産計画の最適化のためにパレート図を作ったりすることができます。これらのグラフや表は、Code interpreterでダウンロードしたファイルに含まれており、文書化する際にそのまま利用することができます。
革新機能4:画像や動画なども扱える
Code interpreterは、CSVやExcelファイルだけでなく、画像や動画、PDFファイルなども扱えるようになっています。そのためPythonが扱える編集作業なら、簡単に一瞬で画像や動画編集も可能だということ。つまり専門知識がなくても、デジタルデータが扱えます。これは大きいですよね。
Code interpreterが革新をもたらす5つの活用例
それではこれら革新機能を活用すればどのようなことができるのでしょうか?その活用例を少し紹介していきましょう。
活用例1:アンケート分析を自動集計
製造業では、顧客や社員に対してアンケートを実施することがあります。それは製品の満足度や社員視点での問題点を明らかにするためです。しかし、アンケートの集計や分析は手間がかかり、時間やコストがかさみますし、分析者の偏見によって結果が左右され勝ちです。そこで、Code interpreterを使うと、アンケートの結果をファイルでChatGPTに渡すだけで、短時間で自動的に集計や分析をしてくれます。
活用例2:パレート図を作ってくれる
パレート図とは、原因と結果の関係を表すグラフで、80対20の法則を可視化するものです。例えば、不良品の原因と発生件数をグラフにすると、少数の原因が多数の不良品を生んでいることがわかります。これにより、優先順位をつけて改善策を立てることができます。
Code interpreterを使えば、不良品のデータをファイルで渡すだけで、一瞬でパレート図を作ってくれます。さらに、グラフの見た目やラベルなども自由にカスタマイズできます。また、グラフだけでなく、分析結果や改善提案も文章で出力してくれます。これらの情報は、最終的にダウンロードしてレポートとして保存できます。
活用例3:ヒストグラムで品質管理
ヒストグラムとは、データを区間ごとに分けて棒グラフで表したものです。ヒストグラムを作ることで、データの平均やばらつき、偏りや歪みなどを簡単に確認できます。
Code interpreterを使ってヒストグラムを作る方法は簡単です。まず、測定結果のデータをExcelやCSVなどのファイル形式でChatGPTに送ります。次に、Code interpreterに「ヒストグラムを書いて」と依頼します。そうするとCode interpreterが自動的にPythonプログラムを書いて実行します。こちらの情報は、最終的にダウンロードしてレポートとして保存できます。
活用例4:生産計画の最適化を図れる
Code interpreterを使えば、製造業では、生産計画の最適化を効率的に行うことができます。Code interpreterは、製造業に革新をもたらす機能のひとつです。
Excelファイルに製品の需要やコストなどのデータを入力しておけば、Code interpreterに読み込ませることができます。また、Code interpreterでは、最終的にまとめ文章をダウンロードできます。例えば、最適化した生産計画の結果や分析をレポートとして出力することができます。
活用例5:作業手順の見直しをしてくれる
製造業では、作業手順の見直しや改善は重要な課題です。しかし、作業手順を見直すには、現場の状況や問題点を把握し、効率的な改善策を考える必要があります。これには時間やコストがかかります。
そこで、Code interpreterを使うと、作業手順の見直しを簡単に行うことができます。Code interpreterは、作業手順をファイルでChatGPTに渡すと、その手順の問題点や改善点を分析し、最適な作業手順を提案してくれます。
Code interpreterが製造業に与える影響と今後の展望
Code interpreterは、ChatGPTの新機能として、製造業における様々な課題に対応できるツールであると言えます。Code interpreterは、提供した課題解決のために自動でPythonのプログラムを書いて実行できるだけでなく、ファイルを読み込んだり、まとめ文章をダウンロードしたりすることができるようになったことで、アンケート分析やパレート図作成、品質管理や生産計画の最適化、作業手順の見直しなど、製造業における様々な活用例をこれまで挙げてきました。
これらを整理するとCode interpreterが製造業に与える影響は大きく、以下のような点が挙げられることがわかってきます。
- 製造業におけるデータ分析や可視化のスキルが必要なくなり、誰でも簡単にプログラムを実行できるようにる。
- 製造業における効率化や品質向上、コスト削減などの目標達成に貢献できるツールとなる。
- 製造業におけるイノベーションや競争力の向上の源泉と成り得る。
今後の展望としては、製造業に特化したCode interpreterの使い方としての用途開発が進むことに大きな期待が寄せられています。例えば、プロンプト(質問の仕方)によっては、過去のCAD図面を入力して若干の手直しくらいなら一瞬でやってくれるようになるはずです。そうなればこの機能を使っている職場と使っていない職場とでは大きく差がでますよね。
Code interpreterを活用する製造業の課題と解決策
Code interpreterは便利な機能ですが、活用していくためには課題もあります。特に以下に挙げる点に注意する必要があります。
データの正確性や信頼性の担保
Code interpreterは、ファイルで渡されたデータをそのまま使ってプログラムを書きます。しかし、データに誤りや欠損があった場合、正しい結果が得られない可能性があります。また、Code interpreterが生成したプログラムや分析結果が正しいかどうかも確認する必要があります。
プログラムのカスタマイズや拡張性の確保
Code interpreterは、ChatGPTに話しかけるだけでプログラムを書いてくれますが、そのプログラムは汎用的なものです。特定の目的や条件に合わせてプログラムをカスタマイズや拡張する場合は、プログラミングの知識が必要になります。
プログラムの保守や管理体制の整備
Code interpreterは、プログラムを書いて実行するだけでなく、最終的にまとめ文章をダウンロードできます。しかし、そのプログラムや文章はどこに保存されるのでしょうか?また、他の人と共有や再利用する場合はどうすればいいのでしょうか?Code interpreterは、プログラムの保守や管理に関する機能は提供していません。そのため、自社内で適切な方法を考える必要があります。
製造業におけるCode interpreterによる革新まとめ
Code interpreterは製造業において、データ分析や可視化、最適化などの高度な作業を容易に行えるようにする革新的な機能を提供します。これによって、製造業は品質向上やコスト削減、効率化などのメリットを享受できます。また一方でCode interpreterは、製造業の従業員がプログラミングスキルを身につけることも促進します。これは、製造業のデジタルトランスフォーメーションや人材育成にも貢献することでしょう。
しかしCode interpreterは、製造業において多くのメリットやチャンスを提供するいいことばっかりではなく、当たり前ですがいくつかの課題やリスクもセットでついてきます。Code interpreterを使う際は、その特性や可能性を十分に理解し、ぜひ社内で適切に活用できるよう準備を整えてください。
それでは今日はここまでです。今後とも宜しくお付き合い下さい☆ 長文乱文を最後まで読んでくださりいつもありがとうございます♪
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