強い会社ではなぜ改善活動が行われているのか?事例から読み解く「やってて楽しい会社」づくりのコツ

強い会社ではなぜ改善活動が行われているのか?事例から読み解くやりがいのある会社づくりのコツ

皆さんの職場では、日々の業務の中で「もっとこうすれば効率が上がるのに…」「ここを改善すればミスが減るのに…」と感じても「なんだかやりがい感じないし」って改善せずにあきらめてしまっているところはないでしょうか?

実は、こうしたちょっとした「気づき」を大切にし、改善活動に取り組んでいる会社こそ、本当の強い会社なんですよね。

そこで今回は、強い会社がなぜ改善活動に力を入れているのか、逆に言えば皆さまがなぜ「やってて楽しくないのか」「やりがいを感じられない」のか、その理由をわかりやすく解説します。

ぜひ今回も読み終えるまでのお時間、しばらくお付き合いくださいませ。

目次

強い会社が実践している「改善活動」とは?

「改善活動」って聞くと、なんだか難しそうなイメージを持つ人もいるかもしれません。でも実際には、そんなことはないです。結構、身近で取り組みやすいものなんですよ。

改善活動の定義と目的をシンプルに解説

簡単に言うと、改善活動とは「今の状態よりもっと良くするために、いろいろ工夫すること」です。

例えば、

  • 作業の手順を見直して、もっと早く終わらせる
  • ミスが起こりやすい場所を特定して、対策を考える
  • 材料の無駄を減らす方法をみんなで探す

といった活動が、すべて改善活動にあたります。

目的は、会社をもっと強くすること。そして、そこで働くみんなが、より働きやすく、やりがいを感じられるようにすることです。

どんな会社でも取り組める!改善活動の種類を紹介

改善活動には、いろいろな種類があります。

  • 業務改善: 仕事のやり方や手順を見直して、効率をアップさせたり、ミスを減らしたりする活動です。
    • 例:書類の整理整頓、情報共有ツールの導入、会議時間の短縮など
  • 品質改善: 製品やサービスの品質を向上させるための活動です。
    • 例:不良品の発生原因を突き止める、顧客の声を分析する、新しい検査方法を導入するなど
  • コスト改善: コストを削減するための活動です。
    • 例:電気やガスの使用量を減らす、材料の調達先を見直す、無駄な在庫を減らすなど
  • 設備改善: 機械や設備の性能を向上させたり、安全性を高めたりする活動です。
    • 例:古い機械を新しいものに交換する、作業環境を改善する、安全装置を導入するなど
  • 環境改善: 環境負荷を低減するための活動です。
    • 例:リサイクルを推進する、省エネルギーに取り組む、CO2排出量を削減するなど

これらの活動は、どんな会社でも、どんな規模の会社でも取り組むことができます。

大事なのは、「もっと良くしたい!」という気持ちと、みんなで協力して取り組む姿勢です。

さあ、あなたも改善活動を通して、会社を強くする一員になりませんか?

なぜ強い会社は改善活動を行うのか?3つの理由

強い会社が、なぜ改善活動に力を入れているのか?

そこには、会社を強くするだけでなく、そこで働く人たちも幸せにする、重要な理由が隠されています。

理由① 変化への対応力UP!

現代社会は、技術の進歩や顧客のニーズの変化が激しく、まさに「変化の時代」です。

そんな中、同じやり方ばかり続けていては、あっという間に時代に取り残されてしまいます。

強い会社は、常に変化を察知し、それに対応できるよう、改善活動を続けています。

例えば、

  • 新しい技術を導入して、より効率的な生産体制を構築する
  • 顧客の声を分析し、ニーズに合った製品やサービスを開発する
  • 働き方改革を進め、従業員がより働きやすい環境を作る

など、改善活動を通して、会社全体を変化に対応しやすい柔軟な組織へと変革しているのです。

理由② 従業員のモチベーション向上!

改善活動は、従業員のモチベーション向上にも大きく貢献します。

「自分の意見が会社に反映された!」「自分のアイデアで職場が良くなった!」

そんな経験は、従業員に大きな達成感とやりがいを与え、仕事へのモチベーションを高めます。

また、改善活動を通して、従業員同士が協力し、コミュニケーションを深めることで、チームワークも向上します。

結果として、従業員一人ひとりがイキイキと働き、会社全体の活力アップに繋がるのです。

理由③ 顧客満足度向上!

改善活動は、顧客満足度向上にも繋がります。

例えば、

  • 製品やサービスの品質を向上させる
  • 納期を短縮する
  • コストを削減して価格を安くする
  • より丁寧な対応を心がける

など、顧客の視点に立った改善活動を行うことで、顧客満足度を高めることができます。

顧客満足度が高まれば、リピーターが増え、会社の売上アップにも貢献します。

このように、改善活動は、会社を強くするだけでなく、従業員のモチベーション向上や顧客満足度向上にも繋がる、まさに「一石三鳥」の取り組みと言えるのです。

【事例紹介】改善活動で成功している企業3選

では改善活動って、実際にはどんな風にやっているのでしょうか?

そんな興味を持った方のために、改善活動で成功している企業の事例を3つご紹介します。

トヨタ自動車:カイゼン活動による品質向上と効率化

トヨタ自動車のカイゼン活動は、世界的に有名です。

「カイゼン」とは、日本語の「改善」からきており、トヨタでは、現場の従業員一人ひとりが、日々の業務の中で問題点を見つけ、改善提案を行うことを奨励しています。

このカイゼン活動によって、トヨタは、

  • ムダをなくして、生産効率を向上させる
  • 不良品を減らして、品質を向上させる
  • コストを削減する

など、様々な成果を上げてきました。

有名な「カンバン方式」も、カイゼン活動から生まれたものです。

カンバン方式とは、必要なものを必要な時に必要なだけ生産するシステムで、在庫の削減や生産の効率化に大きく貢献しています。

トヨタのカイゼン活動は、従業員一人ひとりの「改善したい!」という気持ちと、それを受け入れる会社の風土によって支えられています。

キーエンス:3現主義に基づく徹底的な現場改善

センサーや計測機器などを製造販売するキーエンスは、「3現主義(現場・現物・現実)」に基づいた徹底的な現場改善で知られています。

3現主義とは、

  • 現場: 実際に物事が起こっている現場に行く
  • 現物: 実際の物を見る
  • 現実: 現場や現物から得られた情報を基に、現実を把握する

という考え方です。

キーエンスでは、営業担当者が顧客の現場を訪問し、直接ニーズをヒアリングすることを重視しています。

また、社内でも情報共有を徹底し、全社員が顧客のニーズを理解できるように努めています。

このように、現場の情報を重視することで、顧客のニーズを的確に捉え、高品質な製品を生み出し続けています。

ファナック:IoTを活用した生産性向上

工作機械メーカーのファナックは、IoTを活用した生産性向上に取り組んでいます。

IoTとは、「Internet of Things(モノのインターネット)」の略で、様々なモノをインターネットに繋げることで、データの収集や分析、遠隔操作などを可能にする技術です。

ファナックは、自社の工場を「スマートファクトリー」化し、工場内の機械をネットワークで接続することで、稼働状況や生産データを収集・分析しています。

これらのデータを活用することで、設備の故障予知や生産効率の改善に役立てています。

ファナックの取り組みは、IoTを活用した改善活動の成功事例として、世界中から注目されています。

これらの企業の事例からわかるように、改善活動には様々な方法があります。

重要なのは、自社の課題や状況に合わせて、最適な方法を見つけることです。

改善活動が「やりがいのある会社づくり」に繋がる理由

「改善活動」って聞くと、会社の利益のためだけ?自分には関係ない?そう思っていませんか?

実は、改善活動は、会社を強くするだけでなく、そこで働く一人ひとりの「やりがい」にも繋がるんです。

ゴールの明確化により従業員一人ひとりの成長と意欲を促進

改善活動では、まず「どこをどう改善したいのか」という目標を明確にします。

目標が明確になることで、

  • 自分は何をすべきか?
  • どうすれば目標を達成できるか?

を、一人ひとりが真剣に考えるようになります。

そして、目標達成に向けて努力する過程で、

  • 新しい知識やスキルを身につける
  • 問題解決能力を高める
  • 自分自身の成長を実感する

ことができます。

また、自分のアイデアが採用され、実際に職場が改善された時は、大きな達成感と喜びを感じることができます。

こうした経験を通して、従業員一人ひとりの成長と意欲を促進し、仕事に対するモチベーションを高めることができるのです。

みんなで問題解決に取り組むため一体感を醸成

改善活動は、多くの場合、チームで協力して行います。

みんなで意見を出し合い、知恵を絞って問題解決に取り組む中で、自然とコミュニケーションが活発になり、チームワークが向上します。

また、それぞれの個性や能力を生かし、お互いに協力し合うことで、より良い改善策を生み出すことができます。

そして、目標を達成した時の喜びを分かち合うことで、一体感を醸成し、「One Team」としての意識を高めることができます。

このように、改善活動は、従業員同士の絆を深め、より働きやすい職場環境を作ることに貢献するのです。

会社全体の目標達成に貢献できる手応えと実感

会社には、売上目標や顧客満足度向上など、様々な目標があります。

改善活動は、これらの目標達成にも大きく貢献することができます。

例えば、

  • 業務改善によって、生産性を向上させ、売上目標を達成する
  • 品質改善によって、顧客満足度を向上させる
  • コスト改善によって、利益を増やす

など、改善活動を通して、会社全体の目標達成に貢献することができます。

そして、自分が行った改善活動が、会社の成長に繋がっている実感を得ることで、大きなやりがいを感じることができます。

自分の仕事が、会社にとって重要な役割を担っているという実感を持つことは、従業員の自信と誇りに繋がり、さらなるモチベーション向上に繋がるのです。

改善活動を成功させるための5つのステップ

改善活動をやってみようかな?とは思い始めたけど、具体的にどう進めればいいか分からない…ですよね。

そんな方のために、改善活動を成功させるための5つのステップを、より分かりやすくご紹介します。

STEP
取り組む改善テーマを決める

まずは、どの分野を改善したいのか、テーマを決めましょう。

  • 作業効率が悪い工程を改善したい!
  • ミスが多い作業を減らしたい!
  • コストを削減したい!
  • 顧客からのクレームを減らしたい!
  • 職場環境を改善したい!

など、改善したいテーマを1つに絞り込むことで、改善活動がよりスムーズに進みます。

STEP
現状の把握と目標の設定

改善テーマが決まったら、現状を把握・分析し、具体的な目標を設定します。

例えば、「作業効率が悪い工程を改善したい!」というテーマであれば、

  • 現在の作業時間は何分か?
  • どの工程に時間がかかっているのか?
  • なぜその工程に時間がかかっているのか?

などを、データや現場の意見を基に分析します。

その上で、「3ヶ月以内に、この工程の作業時間を20%削減する」といったように、具体的な数値目標を設定しましょう。

STEP
要因の解析

目標を達成するためには、問題の原因を探る必要があります。

例えば、「作業スペースが狭くて作業がしにくい」ことが原因で、作業効率が悪いのかもしれません。

あるいは、「作業手順が複雑で分かりにくい」ことが原因かもしれません。

このように、結果(数値)に影響を与えていると考えられる要因を、様々な角度から分析し、真の原因を見つけ出すことが重要です。

STEP
対策の検討と実施

真の原因が明らかになったら、それを取り除くための対策を検討し、実行します。

例えば、「作業スペースが狭い」という要因に対しては、

  • 作業台を整理整頓する
  • 不要なものを撤去する
  • レイアウトを変更する

などの対策を検討することができます。

そして、検討した対策の中から、最も効果が見込めるものを選び、実際に実行に移します。

STEP
標準化と管理の定着

対策を実施した結果、効果があった場合は、その方法を標準化し、継続的に実施できるようにしましょう。

標準化とは、改善された方法をマニュアル化したり、ルール化したりすることで、誰でも同じように作業できるようにすることです。

標準化することで、改善の効果を維持し、さらなる改善活動へと繋げることができます。

また、改善活動は、一度実施すれば終わりではありません。

継続的に課題を見つけ、改善策を検討し、実行していくことで、より良い職場環境を実現することができます。

今日からできる!簡単な改善活動のアイデア

「改善活動って、なんだか大掛かりで難しそう…」

そう思っていませんか?

実は、今日からでも始められる、簡単な改善活動はたくさんあります!

ここでは、すぐに取り組める改善活動のアイデアを4つご紹介します。

ムダをなくしてテキパキ仕事! → 業務効率化

日々の業務の中で、「この作業、ちょっとムダだな…」と感じることってありませんか?

例えば、

  • 同じような書類を何度も作成している
  • 情報を探すのに時間がかかっている
  • 移動距離が多い
  • 会議が長引いてしまう

など、ちょっとしたムダが積み重なると、大きな時間のロスになってしまいます。

そこで、業務効率化のための改善活動に取り組んでみましょう!

例えば、

  • 書類のフォーマットを統一する
  • 情報共有ツールを導入する
  • 作業動線を改善する
  • 会議の時間を決めておく

など、ちょっとした工夫で、作業効率を大幅にアップさせることができます。

チームワーク強化で最強の職場に! → コミュニケーション改善

「職場の雰囲気が悪い…」「チームワークが悪い…」と感じている方は、コミュニケーション改善に取り組んでみましょう。

例えば、

  • 朝礼で、今日の目標や予定を共有する
  • 定期的にミーティングを行い、意見交換をする
  • 困っている人がいたら、積極的に声をかける
  • 感謝の気持ちを伝える

など、コミュニケーションを密にすることで、チームワークを強化することができます。

お互いに協力し合い、助け合える職場環境を作ることは、仕事の効率化だけでなく、従業員のモチベーション向上にも繋がります。

知恵と工夫で給料が上がる工場へ! → コスト削減

コスト削減は、会社にとって非常に重要な課題です。

電気やガス、水などの光熱費、材料費、消耗品費など、様々なコストを見直すことで、会社の利益を増やすことができます。

例えば、

  • 使っていない電気をこまめに消す
  • エアコンの設定温度を見直す
  • 材料の無駄を減らす
  • 再生紙を利用する

など、ちょっとした工夫で、コストを削減することができます。

コスト削減は、従業員の意識改革によって大きく変わる可能性を秘めています。

ミスを減らして最高の品質を! → 品質向上

ミスを減らし、品質を向上させることは、顧客満足度向上に繋がります。

ミスが起こりやすい工程を分析し、その原因を突き止めることで、効果的な改善策を立てることができます。

例えば、

  • チェックリストを作成する
  • 作業手順を明確にする
  • 作業環境を改善する
  • 教育体制を見直す

など、様々な方法でミスを減らすことができます。

品質向上は、顧客からの信頼獲得に繋がり、会社の成長に大きく貢献します。

これらのアイデアは、ほんの一例です。

あなたの職場では、どんな改善活動ができるか、ぜひ考えてみてください。

小さな改善でも、積み重ねることで大きな成果に繋がります。

改善活動を「自分ごと」として捉え、積極的に取り組むことで、あなたの職場は、より働きやすく、やりがいのある場所になるでしょう。

まとめ:強い会社ではなぜ改善活動が行われているのか?

今回は、強い会社がなぜ改善活動に力を入れているのか、その理由を解説してきました。

改めて、改善活動の重要性を整理してみましょう。

  • 変化への対応力UP!: 時代の変化に対応し、競争力を維持するために、改善活動は欠かせません。
  • 従業員のモチベーション向上!: 改善活動を通して、従業員一人ひとりが成長を実感し、やりがいを感じることができます。
  • 顧客満足度向上!: 顧客の視点に立った改善活動は、顧客満足度向上に繋がり、会社の成長を促進します。

強い会社は、これらの効果を理解し、継続的な改善活動に取り組むことで、さらなる成長を遂げているのです。

そして、改善活動を成功させるためには、

  • 従業員一人ひとりの意識改革
  • 積極的に改善提案を行う風土づくり
  • 改善活動をサポートする体制づくり

などが重要になります。

「やりがいのある会社」とは、従業員一人ひとりが自分の仕事に誇りを持ち、成長を実感できる会社です。

改善活動は、まさに、そのような会社を作るための重要な取り組みと言えるでしょう。

終わりに

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

この記事が、少しでもあなたの職場を改善するヒントになれば幸いです。

もし、改善活動についてお悩みがあれば、ぜひ私たちにご相談ください。

経験豊富なコンサルタントが、あなたの会社に合った改善活動をご提案させていただきます。

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さあ、今日からあなたも、改善活動を始めてみませんか?

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この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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