皆様、はじめまして、中小企業診断士の馬籠勲(まごめ いさお)と申します。
32年間勤務した制御機器の製造販売会社を退職、2025年から個人事業として製造業を中心とした経営支援を始めました。製造販売会社では生産畑を歩み続け、主に 生産管理、方針管理に携わってきました。生産管理では、顧客からの要望を起点に、調達・生産・出荷を計画・統制する役割を担い、顧客へ柔軟に対応することを目指し、リードタイム改善に注力していました。また、方針管理では、工場長などの管理者と現場のメンバーの中間に入る位置づけでプロセス改善を目指していました。顧客からの要望を起点に、管理者の視点と現場の視点からプロセス改善を図り、工場全体としての成果を上げることにやりがいを感じていました。
現場での対応が日を追うごとに大変難しくなっていると感じています。
2010年頃から、各地で甚大な災害が頻発し、サプライチェーンは寸断され、部品の納入予定が半年先ですら分からないといった事が頻発するようになりました。顧客へ納期対応する生産管理する立場からすれば、納入予定が分からないというのは最も悩ましいことです。残念ながら「一定のサプライチェーン管理をしていれば部品は揃う」という時代は終わった。率直にそう思います。だからこそ、現場の様々な知恵を蓄積していくことが益々重要になってくるとも思っています。
環境変化に応じて、「働く人たちの知恵を最大限に活用することで、サプライチェーンをつくっていきたい」という想いから、製造業の仕組み作りから経営を支援する個人事業主として独立することにしました。
改善せずにいられない人がプロセス改善の原動力になる
現場の一人ひとりが状況を理解し、判断し、知恵を出す。そして先が見えない環境の下でも製品やサービスを提供し続けていく。このような対応ができるのは製造現場であると思っています。
今からちょうど10年前から、ワークライフバランスや働き方改革といった言葉が世間で言われ始めてきました。その流れを受けて、所属していた工場で、工場全体を対象に間接業務の生産性向上PJに取り組むことがありました。私は工場で方針管理に関わっていたので、そのPJの事務局を任されてました。このPJでは、1.5~2倍へ売上を上げても、働く時間を無暗に増やさない事を目指していました。単に時間を短くということではなく、成果に結びつく時間の使い方を追求していこうとしていました。
根本的に時間の使い方を見直す必要があったため、PJにおけるチームは既存の組織単位に囚われず、工場全体としての品質・原価・納期向上を目指す3つのチームに、工場のメンバー全員が3つのチームのいずれかに参加することになりました。このような取り組みでは、ベテランの経験知が必要になりますし、私のいた工場でもベテランの経験者が活動を引っ張ることになるうと想像していました。
実際に活動を開始すると、想像とは異なった状況になりました。品質管理、原価管理、納期管理に直接関わることが少ない工程内の不良品を修理して工程に戻すことを担当するメンバー達が積極的な発言や提案をしているところを目の当たりにしたのです。時にはベテランの経験者との議論が白熱することもありましたが、お互いの理解を深めながら改善の案を出していくことに成功していました。
PJ活動の途中で修理を担当するメンバーに取り組みに対する感想を聞いたところ、本人たちは、多くの人に助けてもらいながら、改善を進めたいという野望を持っていたことが分かりました。PJはその野望を実現する機会だった訳です。確かに修理を担当するメンバーは量産品の生産過程で発生した不良品を解析したり、修理して工程に戻すという仕事をしていました。日頃から量産品の生産過程に素朴な疑問を持つことができたので、様々な改善のアイデアを客観的な目線で考えることができたのかもしれないです。
問題が分かっているのであれば、躊躇せず改善を進めるべきである。確かに組織で働く人間として進んで改善をするべきではあります。しかし、改善したいという気持ちを持ち続けていた、改善したいという野望を持っていたからこそ、本人たちが積極的に改善に取り組めた。もちろん、ベテランの経験や支えは不可欠ではありますが、改善したいという意欲に勝るものは無いです。
製造業で働く皆さんと仕組み作りをしていきたいという想い
私はこの経験を通じて、現場の仕組みの重要性と仕組みを作ることで起きる功罪に対する責任の重さを感じました。それでも、仕組み作りをするなら、改善したいと思っている人を活かせる仕組みにしたい。そうした仕組みを作る人達と知恵を出し合い、仕組み作りの後押しをしたいと思うようになりました。そうした取り組みを究めていくことで、上意下達ではなく、“変化を自ら感じ取り、判断し、動く”自律的な現場の姿を作っていきたいと思っています。
そのような現場の姿を作るために、私が最も大切にしているのは、共通の目標を持つことです。共通目標が現場の一人ひとりに浸透し、その目標が各自が改善したいと思える状態をつくることです。目標は掲げるだけでは意味を持ちません。その意図が腹落ちし、「自分の役割が、共通目標の達成とどうつながっているのか」を理解できたとき、人は自ら動き、工夫し、成長しようとします。
私はその“腹落ちの瞬間”こそが、現場を変える原動力になると信じています。だからこそ私はジャストインタイム等の定石や理論を、現場の言葉に翻訳し、現場の人が誇りを持って動ける仕組みへと落とし込むことを大切にしています。仕組みは現場のためにあり、現場が使いこなしてこそ価値を持つからです。
御社の未来を、御社らしいやり方で切り開いていきませんか
環境変化が激しい今だからこそ、改善したいという気持ちに寄り添う“自走型の仕組み”が必要です。
中小企業には、大企業にはない強みがあります。小回りがきき、意思決定が速く、現場の距離が近い。
この強みを最大限に活かせば、全員が持つ知恵を全員が活かして現場を回す“自走型の現場”をつくることができます。
現場の言葉で、現場の人が誇りを持って動ける仕組みを一緒につくりたい。
御社の未来を、御社らしいやり方で切り開いていきませんか。
そのお手伝いができれば、これほど嬉しいことはありません。


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