皆様、初めまして。SEIZO-BU Lab.のメンバーとして、中小製造業の皆様の「顧客価値最大化」を支援するコンサルタント、米本 幸平(よねもと こうへい)です。
「現場を知らない」からこそ見える真実。50歳での転機と世界基準の現場力
私は、このチームの中でも少し変わった経歴を持っています。大学卒業後、外資系食品製造業のネスレ日本株式会社に入社し、33年という月日を過ごしました。しかし、そのキャリアの大半は営業やマーケティング、市場調査といった「事務方」の業務でした。実は、私自身は生産現場(工場)での勤務経験が一度もありません。
「現場を直接知らない人間に、製造業の何がわかるのか?」
そう思われるかもしれません。しかし、現場の外側にいたからこそ、そして50歳という転機に「教育・訓練」の責任者として現場に深く入り込んだからこそ、見えてきた真実があります。それは、「卓越した仕組み」と「誇りを持って働くヒト」が噛み合ったときに生まれる、爆発的な生産性と付加価値です。
私がなぜ、自らのキャリアの集大成として中小製造業の支援を志したのか。その原点となったネスレでの強烈な体験と、そこから導き出した「顧客志向」の哲学についてお伝えさせてください。
50歳の転機:スイス本社発の世界基準「NCE」との遭遇
私のキャリアの核となっているのは、約15年間にわたる市場調査の経験です。データを重視し、物事を徹底的に客観視するスキル。この「数字と事実」の世界にいた私に、50歳の時、大きな転機が訪れました。
全世界のネスレで展開されていた「ネスレ・コンティニュアス・エクセレンス(NCE)」というプロジェクトの、日本における教育・訓練総責任者に任命されたのです。このプロジェクトは、リーン生産方式やTPM(全員参加の生産保全)をベースに、生産性の向上、ムダの削減、そして「従業員のエンパワーメント」を目指す壮大なものでした。
この任務を通じて頻繁に工場へ足を運ぶようになり、そこで目にした光景は衝撃的なものでした。スイス本社が開発した世界基準の「仕組み」が、日本の製造現場で脈動していたのです。
そこには、単なるマニュアルを超えた「思想」がありました。「現場の課題は現場で解決する。そのための武器を会社が提供する」という徹底した姿勢です。事務方として見てきた「経営」と、工場で起きている「実務」が、教育という一本の線でつながる瞬間を目の当たりにしました。
生産性を劇的に変える「2本の柱」
ネスレでの経験から、私が中小企業の支援において最も重要視しているのは「卓越した仕組み」と「教育を通じた人材育成」の2本柱です。
① スキルの可視化と仕組み化
ネスレの現場では、全スタッフの能力が「スキルマップ」によって見える化されていました。誰が何をやれるのか、次に何を学ぶべきかが一目でわかる。そして、毎日行われる短時間のオペレーションレビューで、前日の問題をその日のうちに解決する。この「当たり前を徹底する仕組み」こそが、世界一の生産性を支えていました。
② ヒトへの投資:エンパワーメント
いくら優れた仕組みがあっても、それを動かすのは「ヒト」です。ネスレでは、工場長から現場スタッフに至るまで、徹底的にリーダーシップと専門スキルを磨き上げていました。全社員が「自分たちの手で会社を良くしている」という誇り(エンパワーメント)を持ち、一枚岩となって目標に向かう。この熱量こそが、数字上の改善を「文化」へと昇華させるのです。
私は、この「世界基準の仕組み」を、日本を支える中小製造業の皆様が使いやすい形にカスタマイズして提供したい。その想いで、中小企業診断士として独立いたしました。
「良いものを作れば売れる」という罠と、真の顧客志向
経営支援の現場で、私はよく「顧客志向で物事を考えましょう」という話をします。当たり前だと思われるかもしれませんが、現実はどうしても「作り手目線」「売り手目線」に陥ってしまう企業が少なくありません。
ネスレ時代の苦い教訓があります。ある時、希少な豆を使い、製法にもこだわり抜いた「最高級のコーヒー」が開発されました。メーカー側は「これこそが高品質だ、必ず売れる!」と確信し、製造部門はフル回転で増産し、全国のスーパーに棚を確保しました。
結果は、惨敗でした。
なぜ売れなかったのか。それは「高品質=おいしい=良い製品=売れる」というロジックが、消費者の嗜好やライフスタイルと乖離していたからです。メーカーにとっての「こだわり」も顧客が価値を感じなければ、それは「自己満足」に過ぎません。
製造現場において「ムダの削減」は永遠のテーマですが、本当の「ムダ」とは何でしょうか。
私は「ムダ=顧客にとっての価値を生み出さない、全ての活動」と定義しています。顧客が求めていないものを作っているのであれば、どれだけ効率的に製造しても、原材料費も在庫管理コストも、すべてが「究極のムダ」になります。
顧客自身も気づいていない「真の問題」を定義し、それに対する解決策(ソリューション)を提示すること。これこそが、製造業が目指すべき「顧客価値の最大化」です。
中小製造業の皆様へ:私が提供できる「変革」のカタチ
私は、単なる「アドバイス」で終わるコンサルタントではありません。外資系企業で叩き込まれた「冷徹なまでの分析力」と、現場で学んだ「ヒトを活かす温かな仕組みづくり」を融合させ、貴社が自走できる状態まで伴走します。
具体的には、以下の3つのステップで貢献いたします。
- 「稼ぐ力」の再構築(戦略コンサルティング)貴社の製品が、顧客のどのような課題を解決しているのかを改めて定義します。市場分析と財務分析に基づき、利益率の高い「勝てる事業構造」へのシフトを支援します。
- 「自走する現場」の仕組みづくりネスレ流の「見える化」や「標準化」を取り入れ、現場のスタッフが自ら改善案を出し、実行できる組織体制を構築します。
- 「次代を担うリーダー」の育成(研修・指導)仕組みを動かすのはヒトです。管理職のリーダーシップ強化から、若手(Z世代)への効果的な指導法まで、実務に即したプログラムで組織の底上げを図ります。
「生産性を向上させ、賃上げの原資を作りたい」「今のやり方に限界を感じている」
そんな経営者様の悩みに、私は正面から向き合います。
おわりに:未来を切り拓くパートナーとして
SEIZO-BU Lab.には、バックグラウンドの異なる多士済々な専門家が集結しています。その中で私の役割は、現場の「熱」を「客観的な数字」に変え、組織全体の「ベクトル」を顧客に向けることです。
製造現場の皆様が、自分たちの仕事に誇りを持ち、その成果が正当に収益として還元される。そんな「強い製造業」を、皆様と共に創り上げていきたいと考えています。
「うちのような規模で、ネスレのような仕組みができるのか?」
――答えは「YES」です。大切なのは規模ではなく、変化しようとする意志です。
貴社のビジョン達成と経営課題の解決に向けて、いつでもお声がけください。共に、日本の製造業の新しい未来を切り拓いていきましょう。


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