品質保証とは簡単に言えばどんな仕事内容なのか?

品質保証とは簡単に言えばどんな仕事なのか?

QC活動の進め方を伝える当サイトは
品質保証という仕事内容との関連は
とても深いものです

しかしなんとなく分かっているようで
簡単に説明ができないのも品質保証

ではこの品質保証とはどんなものか?
簡単に言えばどんな仕事内容なのか?
QC活動とどんな関係があるのか?

今回はそんな基礎的な位置づけを
しっかり押さえていくお話です

 

目次

品質保証とは簡単に言うと何か?

品質保証とはどんなものか?
いろいろなところで定義されています

【品質保証の定義】
(1)消費者の要求する品質が十分に満たされていることを保証するために、生産者が行う体系的活動(旧JIS Z 8101 /1999年廃止)
(2)品質要求事項が満たされるという確信を与えることに焦点を合わせた品質マネジメント(品質に関する組織を指揮し、管理するための調整された活動)の一部(JIS Q9000:2015)
(3)顧客・社会のニーズを満たすことを確実にし、確認し、実証するために、組織が行う体系的活動(JSQC選書-日本の品質を論ずるための品質管理用語85)

日本語ってホント難しいですよね

3つ合わせて簡単に言うと

『お客さまが望む機能を
確実に提供するための
組織的な活動のこと』です

この品質保証を実施するうえで
以下の5つの重要ポイントが
求められています

【品質保証での重要ポイント】
ポイント1:市場からの信頼獲得
ポイント2:顧客との契約の遵守
ポイント3:商品の安全の確保
ポイント4:JISに準拠する対応
ポイント5:CSR活動

ではこの5つのポイントについて
もう少し詳細を解説していきます

 

ポイント1:市場からの信頼獲得

市場は我々商品の供給元を信頼して
商品やサービスを購入してくれます

その信頼を損なわないためにも
一定の品質確保を保証することは
必須となります

 

ポイント2:顧客との契約の遵守

売買契約によって商品を生産する時も
顧客と契約した品質、価格、納期を
守るために品質を保証する活動が
必要となります

 

ポイント3:商品の安全の確保

製造物責任(PL)法や製品安全4法等
法律の遵守はもちろんなのですが
市場からも安全・安心を求める声は
どんどんと高まっています

そんな環境下では、安全な商品づくり
のための取り組むが求められます

 

ポイント4:JISに準拠する対応

日本工業規格(JIS)からは
企業内の標準化と品質管理を
適正に行ってJISに適合する品質を
保証することが要求されています

 

ポイント5:サスティナビリティ活動

企業を存続させるための活動を
サスティナビリティ活動と呼び
◯より良い商品・サービスを提供すること
◯法令を遵守し、倫理的行動を取ること
◯環境負荷を軽減すること などを
事業組織の中で取り組んでいます

生き残るために必要な条件とも
言えるでしょう

その中で特に環境面で
商品企画から破棄または再生まで
つまりライフサイクル全体を考慮した
品質保証体制が必要とされています

 

品質保証の3つのアプローチ方向

品質保証には3つのアプローチが
あります

【品質保証の3つのアプローチ】
アプローチ1:結果の保証
アプローチ2:プロセスによる保証
アプローチ3:企画開発による保証

この3つは品質保証の歴史と
言えるかもしれません

 

アプローチ1:結果の保証

これまでは品質保証とは次のような
活動だと考えてきました

◯不良品を出したら出荷前で取り除く
◯商品品質が悪ければ無償で交換

これらを『結果の保証』と呼びます

確かのこの対応では一部の顧客品質は
確保できますが将来に向けて
信用されるかは少し疑問です

それに不良品を製造するコストも
販売後の交換・修理の費用も
ムダに終わる構造が残ります

そのため現代では次のアプローチが
取られることが多くなってきました

 

アプローチ2:プロセスによる保証

現代では『品質は工程で作り込む』

つまり生産プロセスを管理するやり方

1つひとつの工程を安定的に機能させ
最終的な商品の品質を安定させる
『プロセスによる保証』が主流です

品質がバラつく原因は5Mにあります

【5Mとは何か?】
Man:ヒト
Machine:機械・設備
Material:原材料
Method:方法
Mmeasurement:測定・試験

この5Mを制御すること(管理)で
品質保証体制をとって行きます

もう源流からしっかり対策する
アプローチが主流となったわけですね

 

アプローチ3:企画開発による保証

製造プロセスを安定させるよりさらに
考え方を進めて商品の企画開発からの
取り組みへと進化を遂げています

この流れによって
◯品質機能展開(QFD)
◯信頼性設計
◯未然防止 など
新たな手法が発展しています

これはまた別の機会に
詳しくお話できればと思います

品質保証の仕事内容とはどんなもの?

品質保証の仕事の説明のために
品質管理と品質保証との違いを
説明しておく必要があります

品質管理と品質保証との違いについて

品質管理と品質保証とは
意味が違いますよね

それぞれ説明してみましょう

品質管理とは何か?

品質管理とは品質を管理すること

つまり商品の品質の安定化
および向上を図るための管理を
品質管理と呼びます

品質保証とは何か?

品質保証とは品質を保証すること

つまり商品の品質を保証するための
すべての活動を品質保証といいます

保証とは
間違いがない、大丈夫であると認め
責任をもつことです

要するに責任をもって
品質を確保するための活動すべてを
品質保証と呼ぶわけです

こっちの方が範囲は広そうですよね

品質管理の仕事内容について

品質を管理するための仕事内容です

そのため一般的には商品をつくる
職場内で完結する仕事内容です

過去には品質管理というと
不良品をお客さまに流れないよう
最終検査をしっかり行う仕事でした

しかし現在ではただの検査だけでなく
『品質を作り込む』ことを目的に
職場全体で品質を確保するよう
管理していくことが求められます

主に品質管理部という部署が
設置してあることが多いです

品質保証の仕事内容について

そして本題の品質保証の仕事内容です

たとえば品質が安定していない商品が
市場に流れ出た場合は顧客だけでなく
エンドユーザーに届くまでご迷惑と
コストという負担が増えていきますし
社会的な信用も落ちていきます

その影響を考えることが品質保証
つまり責任をもつことになります

品質を安定、そして向上するために
商品の企画・設計段階から
原料製造からエンドユーザー消費まで
サプライチェーン全体で考えていく
必要があります

つまり品質保証の仕事内容は
品質管理よりも大幅に範囲が広いです

品質保証の仕事内容の例としては
おおまかに以下の4つです

【品質保証の仕事内容の例】
仕事内容1:商品企画段階
仕事内容2:商品設計段階
仕事内容3:資材調達段階
仕事内容4:商品製造段階

 

仕事内容1:商品企画段階

お客さまが必要とするニーズ
つまり要求品質にマッチする
商品を企画していきます

企画段階から品質に責任をもてるよう
しっかり考えておく必要があります

まずここが出発点です

仕事内容2:商品設計段階

商品設計の段階でもしっかり
品質を確保できる仕組みを検討します

当たり前の話ですがここでの少しの
油断のしわ寄せが商品製造段階に
行ってしまってほとんどの場合は
取り返しがつきません

ですのでここが最も重要と言って
よいかと考えます

そのため関係者を集めてしっかりと
デザインレビューのステップに合わせ
検討していくことが求められます

仕事内容3:資材調達段階

さてここでも品質を忘れがちです

原材料、部品の品質管理です

しっかり仕様どおりのものが
入ってきていいるかチェックします

事前にチェック項目も決めて
どの要素が品質への影響が高いか
把握する必要があります

また購入する取引先、および
外注先の品質管理体制のチェックや
工程監査なども含みます

仕事内容4:商品製造段階

最後に商品の製造段階です

ここは品質管理の仕事内容と
かぶることが多いです

具体的には

◯ 方針管理
◯ 検査業務(原材料、製品)
◯ 検査機器の調整◯ 工程異常に対する原因追究と対策
◯ 工程改善

◯ 作業標準書の作成・更新
◯ 製造部などへの品質教育の実施
◯ QC工程表の作成

◯ 工程監査・内部監査
◯ ISOの事務局的仕事

などです

参考にしてみて下さい

 

品質保証とは簡単に言えばどんな仕事内容なのか?まとめ

品質保証とはお客さまとの関係を
大切にする重要な仕事であり
その5つの重点ポイント
そして3種類のアプローチについて
さらにはその仕事内容について
簡単に説明してまいりました

でもこれって事業全体の課題であって
品質保証部が単独で取り組んで
なんとかなるものでもないですよね

なのでこの機能は事業に関わる
全員で取り組む活動だということ

つまり品質保証は従業員一丸となって
よってたかって維持・改善を進める
必要があります

ぜひその背景をしっかり理解して
あなた自身が品質とことん向き合って
いただきたいと考えます

 

 

それでは今日はここまでです
今後ともよろしくお付き合いくださいませ☆

長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

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この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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