IoT改善事例⑥3Dデータのフル活用で事業を拡大させた企業が描くIoTプラン

6回目のIoT改善事例の紹介は
これまで3Dデータのフル活用して
事業を拡大させてきた企業が描く
IoTプランのお話です

もちろん今回の改善事例はまだ
IoT化までは達成していません

しかしこれまで
IT活用を進めてきた会社が
どのようなIoTプランを立てるのか

これを読んでいるあなたの会社も
この考え方が参考になると考え
解説してまいります

この記事を読み終えるまでの3分間
どうぞお付き合いのほど
よろしくお願いいたします

 

IoT改善事例⑥の企業概要

IoT改善事例⑥3Dデータのフル活用で事業を拡大させた企業が描くIoTプラン

IoT改善事例⑥の改善企業の仕事風景 出典:YouTube


 

【企業概要】
企業名:株式会社木村鋳造所
資本金:8500万円
従業員:854名
設立年:1927年(92年間)
事業概要:普通鋳鉄・ダクタイル鋳鉄・各種合金鋳鉄・鋳鋼など

創業92年の老舗企業ですね!

今から53年前に
フルモールド鋳造法を導入して
自動車用のプレス金型鋳物を開始

モータリゼーションと呼ばれる
自動車の大衆化現象の波に乗って
事業を拡大してきた会社です

現在では、自らを鋳物の革命児とし
工作機械用鋳物などの量産品に加え
3Dプリンタを活用した鋳物製造も
手がけるなど先端工場を有しています

そんな当社がいかにして
IoT活用にいたったか?

早速その経緯について
解説を進めていきましょう

 

IoT改善の経緯

同社ではもともと模型製造で古くから
ITを積極活用する文化がありました

そのきっかけは、約30年前に
模型製造ノウハウを持った職人が退職

より効率的な製造方法を考える
必要性が高まったことにあります

当時まだ高価だった
ワークステーションを導入して
NC工作機械で模型の形状を削る
そんな先進的な取り組みを始めました

そして2000年前半頃からは
受注業務のすべてを3Dデータ化して
模型製造を実施しています

そのためそんなデータが蓄積され
データを呼び出すだけで
類似品を生産できる

自然とそんな体制になっています

現在では
鋳造シミュレーションでの品質管理
3Dプリンタを活用した砂型造形
3次元測定機を用いた製品の寸法測定
さらにはリバースエンジニアリングと
その活用範囲を広げています

このように3Dデータの活用して
事業を展開してきた当社であるが
まだIT化できてない領域がありました

それは。。。

製造条件の最適化です

今回はそこに集中的に取り組むべく
動き始めたわけです

 

当社が描く今後のIoTプラン

鋳造業でなくとも製造条件の最適化は
ものづくり企業の永遠の課題である

特に素材の形状変化に関連する加工は
職人による長年の経験や勘に
頼ってきた歴史があるため
数値による最適化は難しいと
されてきました

当社はこの永遠の課題に対し
本腰をあげてチャレンジすることを
意思決定したということです

当社の製造条件データは
鋳造の現場に履歴は残っているものの
そもそも工程が複雑であるために
製造に関わる情報が分散していて
まだ紐づけられていない状態です

そのため当社は
取得データから製造の際の
不具合解析などを行うべく
開発部にIoT課を設置しました

具体的には分散している情報を
IoT化を進めることでデータを獲得

1つの鋳造部をモデル工場と置いて
そのデータを応用しながら
材料の投入や配合の自動化
最終的には自動注湯に繋げたいとの
プランを描いています

これはもう
ファクトリーオートメーション構想
すごいチャレンジですよね!

 

当社が進めてきたIT戦略の効果・メリット

IoT改善事例⑥3Dデータのフル活用で事業を拡大させた企業が描くIoTプラン

では改めて当社がやってきた
あるいは今後進めるIT・IoT戦略の
効果・メリットを整理してみましょう

【当社のIT戦略の効果・メリット】
メリット1:3Dデータのフル活用
メリット2:顧客への説得力の強化
メリット3:鋳造でのIoT活用

この3つの効果・メリットについて
もうすこし詳しく説明していきます

 

メリット1:3Dデータのフル活用

職人不足をきっかけとして
ITを活用した模型製造に積極的に挑戦

そのことによって
3Dデータを活用した模型製造の技術を
当社のノウハウとして蓄積することに
成功して類似品の製造等を効率化

それと同時にITノウハウを活用する
当社の新たな社風が定着しました

当社としては大きな財産ですよね!

これがメリットの1つ目

 

メリット2:顧客への説得力の強化

2つ目の効果・メリットは
3Dデータを作成することで
鍛造シミュレーション等を行うことで
事前に製造が困難なものを
予測できるようになったことです

これによって製造前に
鋳造では実現できない部分など
これまで説明しにくい鋳造の特性を
お客さまに納得いただけるよう
分かり易く説明可能となりました

引き合いがあった後
実際の試作品作成前に説明できるのは
確実にお客さまに信頼いただける
きっかけになりますよね
 

メリット3:鋳造でのIoT活用

鋳造は工程が複雑であるため
これまでは統合的なデータ取得が
困難だった背景があります

当社は今後、IoT知識を学習・活用し
統合的にデータを取得することで
まずは鋳造の工程での不具合解析に
結びつけようとしています

 

IoT改善事例⑥3Dデータのフル活用で事業を拡大させた企業が描くIoTプランまとめ

早くからITを活用した生産を推進し
模型製造分野で3Dデータの活用を
全社的に進めた積極的な会社

その会社が次のステップとして
蓄積したIT活用ノウハウ等をもとに
今後、鋳造分野でのIoT活用を促進し
ファクトリーオートメーションを
目指している事実

やはり事業拡大というのは
チャレンジ抜きでは語れないのですね

さて、あなたはどうしますか?
まだ決断は先でしょうか?

ぜひこの機会にご検討くださいませ

 

 

それでは今日はここまで
今後とも宜しくお付き合いください☆

長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

 

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この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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